登米市：登米市立米谷病院

地域において担っている役割

地域の一次救急から慢性期までの初期医療を行う医療機関であるほか、地域におけるかかりつけ医として在宅療養支援診療所や福祉・介護施設等の後方支援医療機関としての役割を担っている。また、市の患者輸送バスの運行により、無医地区住民への受療機会を提供するとともに、重症心身障害児者の医療型短期入所の受入れも行っている。

経営の健全性・効率性について

①平成24年度はほぼ100%であったものが、89.8%まで低下してきており、早期に改善を図らなければならない状況になっている。②類似団体より高い数値になっているが、年々数値が落ちてきている。収入の減少と人件費が年々増加していることが要因になっている。③毎年度赤字が続いており、累積欠損金が増加している状況であり、収入の増加対策が急務となっている。④患者数が減少傾向にあり、病床利用率が低下している。一般急性期病床のみを有する病院であるが、慢性期医療を主体とした病院機能とするため、平成30年度に療養病床を増床した施設整備を進めている。⑤類似団体とほぼ同等の数値なっている。回復期、慢性期に当たる患者が多くを占め、内科的治療が多く、極端な伸びは望めない状況である。⑥類似団体より高くなっているが、院内処方が要因となっている。⑦看護補助員等、非常勤による雇用形態としているため、比率は低い水準となっている。⑧院内処方となっているため、比率は類似施設より高くなっている。ただし、ジェネリック医薬品の採用により、平成26年度以降は低下傾向にある。

老朽化の状況について

①増加傾向にあり、類似団体より高い水準となっているので、老朽化が進んでいると判断する。②ほぼ類似団体と横並びの水準となっているが、数値は71.8%と高水準にあるので、老朽化が進んでいるものと判断する。③類似団体と比較して30%ほど少ない金額になっている。施設も35年を経過し老朽化が進んでいることから、平成30年度の完成を予定とし、新病院建設工事を進めている。

全体総括

患者数が減少しており、これに伴い収益も減少している。現状においては、一般病床のみの病院であることから慢性期に当たる患者の入院は制限しなければならない状況にある。また、施設の老朽化も進んでいるため、地域における療養病床不足という問題の解消と合わせて、現在、平成30年度の完成を予定とし、一般40床、療養50床、合計90床規模の新病院建築工事を進めている。