地域において担っている役割
本町は同じ圏域の基幹病院まで車で60~90分の遠隔にあり、地域で唯一の病院である当院が一般診療をはじめ、救急医療や人工透析など、住民が地域で暮らしていくうえで必要な最低限の医療機能を備えておかなければならない。また、町立の国保病院として、人間ドックや各種健診など、病気予防や健康づくりの取組にも積極的に関わっている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率、医業収支比率ともに前年度より改善されたものの、全国平均・類似病院平均を下回っており、依然として厳しい経営状況が続いている。病床利用率では類似病院平均を上回ったものの、入院患者1人1日当たり収益では同平均を大きく下回っている。当該単価をアップさせることで入院収益に効果が表れることは明確であり、いわゆる病床単価を上げるために具体的な方策を取っていく必要がある。
老朽化の状況について
当院は平成26年に新築された比較的新しい病院であることから、有形固定資産減価償却率、器械備品減価償却率は類似病院平均を下回っている。
全体総括
当院は本町唯一の病院として町民の期待も大きく、地域住民の安心と健康づくりのために中心的な役割を担っていく必要がある。また、県内一高齢化が進んでいる本町では、町内の民間医療機関はもとより、介護福祉施設とも密接に連携しながら、医療スタッフや医療機器、40床の病床など持てるすべての医療資源をフル活用して、地域住民の生活を支えていく役割も担っている。そのためには、経営基盤を安定させることが大前提であるが、地方交付税の減少などにより病院事業への繰入が一層厳しくなっていくことは明白であり、病院事業独自の収益確保に取り組んでいく必要に迫られている。