地域において担っている役割
町立厚岸病院は住民の一次医療を担うため、入院・外来機能を維持しながら、地域の中核的な医療機関として、地域住民の医療ニーズに対応してきました。内科・外科・小児科の3科を基本とし、整形外科、脳神経外科の定期診療を行う体制を維持継続してまいります。町立厚岸病院で完結できない専門医療と高度医療については、釧路市内の二次医療機関との病病連携の強化に努めています。また、厚岸郡における医療機関と、保健・福祉関係者を含めた医療・介護・住まい・生活支援サービス等が地域で包括的に確保されるよう、連携し支え合う地域包括ケアシステムの一端を担っています。
経営の健全性・効率性について
令和2年度における医業収支比率は、新型コロナウイルス感染症の影響により、特に、外来患者数では、受診控えやインフルエンザなどの感染症患者の減少などにより医業収益が大幅な減収や、職員人件費の増加、新型コロナ感染症対策に係る、マスク、グローブなどの購入費の増加に伴い、前年度と比較して7%ほど低下しました。一般会計からは例年を上回る繰入をいただいたもののこれを補てんすることができず赤字決算となりました。
老朽化の状況について
病院本体は築26年を超え老朽化が進んでいることから医療機器などの器械備品と併せ計画的な整備が必要となります。また、医師確保に必要な住宅については、築28年が経過しており、老朽化が進んでいる状況で、維持補修が必要な状況にあります。
全体総括
平成20年度に公立病院改革プランを策定し、平成24年の4月には2階病棟を介護老人保健施設へ転換しました。それに合わせ平成23年11月に公立病院改革プランを全面改定し、経営の健全化と不良債務の解消計画を進め、平成24年度に不良債務を解消しました。平成26年度にて会計制度が改定された影響により、平成29年度決算では不良債務が発生しましたが、平成30年度決算にて解消しました。平成29年度からは新公立病院改革プランを策定し、改革の継続性を保持しつつ、救急医療の確保、小児・保健・予防医療などの不採算医療を継続するための医師確保対策を最重要課題としてとり組みながら、未来を支える地域医療の継続に努めていきます。