地域において担っている役割
当院は、町内唯一の医療機関であり、町民への各種医療サービスの提供など町民の健康の保持と福祉・介護対策の中心的な役割を担っている。特に一次医療機関としての役割が大きく、初期治療を提供する救急体制の維持も重要である。また、急速に進む高齢化に対し、療養が必要な患者に安心して在宅復帰できるための医療を療養病床にて展開するとともに福祉や介護との連携による拠点病院として、地域医療に積極的に取り組んでいる。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、単年度収支は赤字であり、類似病院とは大きく差はないが、依然として一般会計からの繰入に頼らざるを得ない状況にある。②医業収支比率は、看護師不足による入院基本料等の水準が低いことにより、類似病院と比較して大きく下回っており、患者1人1日当たり収益が低いことの要因にもなっている。③累積欠損金比率は、類似病院とは大きく差はないが欠損金が解消されるよう経営改善を図る必要がある。④病床利用率は、類似病院と比較すると大きく下回っており、再編・ネットワーク化の必要性について検討を要する病院としても位置づけされているが、経営状況や職員体制からすると、地方公営企業法の全部適用や独立行政法人化、指定管理者の導入などの経営形態の見直しは、困難な状況にある。
老朽化の状況について
当院は、昭和26年の開設以来、昭和38年に施設を改築、さらに昭和58年に増改築したのみの施設であり、現在では、診療等にも影響するほど施設全体の老朽化が進み、早急な修繕を必要とする箇所も年々増えてきており、施設の建替えが急務となってきている。また、医療機器においても地域医療を支えるうえで引き続き計画的な更新をしていく必要がある。
全体総括
施設の老朽化が進む中、従来からの医師や看護師等の不足は依然として継続している状況にあるが、町内唯一の公立病院としての使命を果たしていくうえで必要となる経営基盤を確保するために、経営の改善及び効率化を図るとともに、適切な予算管理を行い経営収支比率の改善に努めつつ、今後の入院患者数や外来患者数の状況、町民のニーズに応じた医療サービスの内容等により、適切な施設規模を考えて行かなければならない。