地域において担っている役割
当院は、二次医療圏の地域センター病院並びに三次医療圏の地方センター病院・救命救急センターとして、高度な急性期医療の提供とともに、公立病院として民間医療機関では困難な不採算・特殊部門に関わる政策医療の提供にも努めており、地域医療の中核的役割を長きに亘り担ってきている。
経営の健全性・効率性について
当院は平成27年以降累積欠損金が発生していない。類似病院と同様に前年より医業収支比率が減少しているものの、新型コロナウイルス感染症に対応した補助金の受け入れにより、経常収支比率が大幅に増加しており、健全性が保たれている。一方、入院及び外来患者１人１日当たり収益は年々増加しているが、病床利用率と同様に類似病院より低い水準である。また職員給与費対医業収益比率が高い水準となっており、効率性が低い。
老朽化の状況について
当院の器械備品減価償却率は類似病院と同率になったが、有形固定資産減価償却率が類似病院より高い水準にある。償却率が大きく下がらないのは、建物が更新時期を迎えていることや器械備品を長く使用していることが要因となるが前年よりは改善している。また、１床当たり有形固定資産が類似団体の平均を下回っているのも同様の理由である。
全体総括
当院は健全な経営を維持できているが、類似病院より効率性が低い水準である。引き続き安定した経営となるように進めていく。また老朽化について、前年より改善しているが、更なる改善のため、建物については地域医療構想や将来の医療需要を見据えた対応を行い、機器については計画的な更新を行っていく必要がある。
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2021年度