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地方財政ダッシュボード

徳島県藍住町の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

令和5年度は町税は減収だったが、調定額が増加したため、基準財政収入額は前年度より170百万円増加している。一方で、単位費用及び補正係数等の増により基礎数値の増加は少ないものの基準財政需要額は前年度よりも200百万円増加している。以上により、収入額以上に需要額が伸びたため、数値が悪化した。

経常収支比率の分析欄

分母となる要素のうち、地方税が減収となっており、加えて、分子要素のほぼ全ての項目で伸びているため、数値が悪化している。分子要素の項目のうち、人件費、扶助費及び公債費の義務的経費が増加傾向にあり、義務的経費ではないものの、物価高騰を受け単価及び契約見直しに伴う支出の増加がみられる。今後についても、税収の増加は見込めないため、数値は悪化すると思われる。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費は職員数(会計年度任用職員含む。)の増加に伴い、、物件費は物価高騰を受け、経常的な経費は増加している。前年度と比べた場合に、ワクチン接種や大規模改修の委託料等の臨時的な経費が減少しため数値は改善している。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均、全国町村平均と比較しても同等・適正な水準となっており、今後も同水準の維持に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

春と秋の年2回職員採用を実施しているが、人員確保まではつながらず、人口が横ばいで推移している中、人口1,000人当たり職員数が減少傾向にあり、マンパワーが不足している。

実質公債費比率の分析欄

世代間負担の適正化を念頭に起債を実施しており、元利償還金は増加傾向にあり、元利償還金に占める交付税措置がある地方債の割合が悪化していることもあり、数値は悪化している。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率はマイナスで推移しており、現時点ではまだ良好な状態である。令和5年度は元金償還金を下回る借入であったため、昨年度より数値は改善されている。今後は、施設の老朽化に伴い改修又は複合化等にあたり、地方債を起こすことが想定されるため、マイナスからプラスに転じる可能性があると考えている。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

任期の定めのない常勤職員分の人件費が下がっているが、前年度より選挙が多かったことに加え、会計年度任用職員の増加に伴い、人件費の合計は増加している。近年、職員の採用数を増やしているうえに、給与の増額改訂もあるため、人件費の総額は今後も増加すると思われる。

物件費の分析欄

物件費の総額は減少しているが、経常的な経費については、物価高騰を受け単価及び契約見直しにより、前年度より増加している。今後も継続して必要なものが多く、税収も増加は見込めないことから、数値は悪化していくと思われる。

扶助費の分析欄

子育て関係及び障がい者関係の給付が増えたことにより、数値は悪化している。扶助費の対象となる人口は多く、高齢化も進んでいるため、今後も増加していくと思われる。

その他の分析欄

施設の維持補修に係る経費が増加したことに加え、繰出金も増加しているため、数値が悪化している。繰出金が割合のほとんどを占めているため、特別会計における歳入確保や料金の適正化などに取り組み、繰出金の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等の総額は前年度より減少しており、経常的な経費についても負担金が少し増加した程度でほぼ横ばいである。今年度の数値については、分母となる要素のうち、地方税が減収となったため、数値が悪化している。

公債費の分析欄

昨年度より公債費が増加しているため、数値が悪化している。今後も、公債費の増加が見込まれているため、数値は悪化する傾向になると思われる。

公債費以外の分析欄

分母となる要素のうち、地方税が減収となったことに加え、分子要素のほぼ全ての項目に増加がみられるため、数値は悪化している。今後も、経常的な経費のうち義務的経費は増加傾向にあり、義務的経費でないものの、物価高騰を受け、支出の増加がみられるため数値は悪化していくと思われる。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

昨年度は一般廃棄物処理施設(ごみ焼却施設)の大規模改修を実施したため、衛生費が類似団体平均を大きく上回っているが、今年度は例年並みで類似団体平均を下回っている。類似団体内の順位において、最下位の目的別歳出がいくつかあるが、住民の人数が類似団体の中でも比較的多い団体であることが大きな要因である。類似団体内でも住民の人数が多いなかで、民生費、衛生費及び教育費においては、平均を下回っているものの総額としては大きい。なお、民生費、衛生費及び教育費については、扶助費や携わる職員が多いことから、今後も総額が大きいまま推移すると思われる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

普通建設事業(うち更新整備)は、類似団体平均を大きく下回っている。これは、一般廃棄物処理施設(ごみ焼却施設)の大規模改修や学校のトイレ改修工事等を実施したためであり、今年度は例年並みとなった。扶助費は、類似団体平均の傾向と同じように増加し、類似団体平均を上回っている。削減することが困難な性質のものであり、この傾向は今後も継続すると思われる。住民一人当たりのコストが、類似団体平均値を概ね下回っているのは、住民の人数が類似団体の中でも比較的多い団体であることが大きな要因であるといえる。現在の人口は頭打ちになっており、徐々に減少していくため、現状類似団体平均を下回っている歳出も少しずつ平均値に近づいていくと思われる。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金については、決算剰余金を中心に積み立てているが、今年度は別の基金に積み立てている。前年度から比率は悪化しているが、取り崩しはなく、標準財政規模の増加が、基金の運用収入の積み立てによる増加よりも大きいことが要因であると考えている。実質収支額は、昨年度より減少しており、実質単年度収支も2年続けてマイナスとなっている。赤字が継続しないよう支出内容を精査するとともに、歳入の確保に取り組み、改善に努めたい。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

下水道事業会計は、し尿投入施設の本格稼働により、前年度分から収支の改善が見られており、この状態を継続していきたい。管渠の整備範囲も見直しを行い、事業継続可能性を十分に考慮したものとしていく。介護保険事業会計は、改善の傾向が見られるものの、財政的基盤には不安があるため、事業内容を精査した上で、保険料を改定するなど見直しを実施し黒字経営が継続できるよう努める。水道事業会計は、類似団体と比較して良好な数値で推移しているものの、将来的な人口減少等を踏まえ、計画的に料金の見直しや施設の取替更新を行い、適正な利用者負担や施設規模となるよう検討をを行う。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

大型公共工事の償還が始まり、また、今後も大きな公共工事の予定があることから、元利償還金は今後も大きく増加することが想定され、実質公債費比率の分子の増大が見込まれる。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

今年度については、元金償還金を下回る借入であり、基金の取り崩しもなかったため、分子は減少しており、数値は改善している。今後は大きな公共工事の予定があることから、地方債残高は増加し、基金の取り崩しも想定されることから、数値は悪化していくと思われる。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)基金を取り崩すことなく、歳計剰余金のうち、350百万円を積み立てることができた。他にも基金の運用収入を積み立てており、数値には表れていないが、若干増加している。(今後の方針)経常収支比率は増加傾向にあり、今後は、財源不足により、積み立てを行うことは困難になると思われる。事業の適債性や補助金等を精査し、財政的に有利な方法で財源を確保していくことが必要になると考えている。その中で、残る地方負担分に対しては、基金を取り崩していくことになることが想定される。

財政調整基金

(増減理由)歳計剰余金は、社会福祉施設整備事業積立金に積み立てることとした。今年度は基金の運用収入のみを積み立てた。(今後の方針)直近では基金の取り崩しをせずにきているが、今後は財源不足により、残高を維持することは難しいと思われる。可能な限り取り崩しはせずに、基金残高が一般的に適正とされている標準財政規模の10%以上を維持できるよう努めたい。

減債基金

(増減理由)減債基金には、基金の運用収入のみを積み立てた。(今後の方針)今後の新規発行起債額を償還計画とを踏まえながら、積み増し、取り崩しを検討する。

その他特定目的基金

(基金の使途)社会福祉施設整備事業積立金:社会福祉施設の整備に充当するための財源教育施設整備事業積立金:教育施設の新築改築の事業に充当するための財源一般公共事業積立金:専らインフラの整備等の事業に充当するための財源退職手当積立金:退職手当組合への特別負担金に充当するための財源一般公共施設改築等積立金:公共施設の改築改修の事業に充当するための財源(増減理由)歳計剰余金のうち、350百万円を社会福祉施設整備事業積立金に積み立てた。昨年に引き続き、退職手当積立金にも積み立てをした。(今後の方針)老朽化した施設の更新が計画されており、そのための財源として基金を取り崩していくことになると思われる。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体平均(63.5%)を下回っているものの、50%を超える状況が続いており保有施設の老朽化は進んでいるが、廃止できる公共施設は少なく、償却率を改善するには建て替えや大規模改修が必要になる。今後10年間で大規模改修が必要な施設が集中することが予想されるため、中長期的な財政計画との整合を図りながら、施設の統廃合と長寿命化を戦略的に推進していく必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は308.9%となり改善傾向にあるが、今後、災害備蓄品集配施設や世代間交流施設等の整備が予定されており将来負担額の増加が見込まれる。中長期的には基金の効果的な活用と事業の平準化により、比率の安定的な推移を目指していく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率がマイナスを維持する中で、有形固定資産減価償却率は62.8%まで上昇している。現時点で廃止除却する建物がほとんどなく、今後も償却が進行することとなるため、公共施設等総合管理計画等に基づき効率的なストック管理と、計画的かつ効果的な資金投下に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

現状では将来負担比率がマイナスとなっているものの、実質公債費比率は6.9%まで増加してきている。今後予定される大型事業の実施により公債費負担の増加が見込まれるため、事業の平準化と財源確保策の検討が必要である。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

公営住宅(97.0%)を筆頭に、学校施設(74.7%)、認定こども園・保育所(72.2%)と複数の施設類型で深刻な老朽化が同時進行している状況にある。これは昭和40~50年代の人口増加期に集中的に整備された施設群が一斉に更新時期を迎えていることを示している。この「施設老朽化の一斉到来」は、短期間での大規模な財政負担を招くリスクが極めて高い。今後は財政負担の平準化を最優先に、「施設類型間での優先順位付けと更新時期の分散」「公営住宅の段階的な集約・統合による総量削減」「学校施設の長寿命化による更新時期の延長」「認定こども園の適正配置による効率化」などの戦略的な取組みが必要である。実質公債費比率6.9%という現在の比較的良好な財政指標を活かし、計画的な地方債活用により財政負担のピークを回避する必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

体育館・プールについては、有形固定資産減価償却率37.5%で類似団体内5位と良好な状態にある。これは、近年の施設整備により新しい設備が導入されたことが要因と考えられる。一人当たり面積も0.209㎡と類似団体平均を上回っており、住民の利用環境が充実している。市民会館については、有形固定資産減価償却率が12.5%と類似団体内2位の極めて良好な状態となっている。これは、総合文化ホールの新築を実施したことによるものと考えられ、今後の維持管理費の適正化にも寄与するものと期待される。一般廃棄物処理施設については、有形固定資産減価償却率32.0%で類似団体内8位と良好な状態にある。これまでの計画的な設備更新により、全国平均63.2%を大きく下回る水準を維持しており、適切な維持管理が行われている。保健センター・保健所については、有形固定資産減価償却率10.0%で類似団体内1位と最も良好な状態となっている。ただし、一人当たり面積が0.003㎡と類似団体内最下位となっており、今後の利用状況を踏まえた適切な施設規模の検討が必要である。一方、福祉施設については、有形固定資産減価償却率91.3%と類似団体内61位となっており、老朽化が進んでいる。これらの施設は昭和後期から平成初期に建設されたものが多く、耐用年数の経過に伴い減価償却が進行している。今後は個別施設計画に基づき、集約化・複合化も視野に入れた効率的な施設運営を検討していく必要がある。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等一般会計等においては、資産総額は前年度末から446百万円減少(△0.9%)し、負債総額は前年度末から582百万円減少(△5.1%)した。資産のうち、固定資産は前年度末から404百万円減少(△0.9%)、流動資産は前年度末から42百万円減少(△1.0%)した。固定資産の減少は、投資による増加分が、減価償却を下回ったためであり、流動資産の減少の主な要因は、財政調整基金の減少に伴うものである。負債総額は、主に地方債の減少により、最終的に582百万円減少(△5.1%)した。全体会計全体会計では、資産総額は前年度末から583百万円減少(△1.0%)し、負債総額は前年度末から789百万円減少(△4.5%)した。水道、下水道事業会計ともにインフラ資産への投資による固定資産の増加額が減価償却による減少分を下回ったため、全体会計においても、資産総額が減少している。負債額においては、水道、下水道ともに地方債の償還が進んだ結果となっている。連結会計連結会計では、前年度末から、資産が626百万円(1.0%)減少し、負債は846百万円(△4.3%)減少している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等純行政コストは前年比131百万円(1.1%)、純経常行政コストは前年比100百万円(0.9%)となっている。経常費用は12,189百万円となっており、移転費用が6,139百万円、業務費用が6,050百万円となっている。移転費用のうち、最も金額が大きいのは社会保障給付(3,633百万円)で、前年度の医療介護提供体制改革推進に係る補助金や物価高騰対策支援給付金が大きく減少した結果、補助金等は99百万円(△6.6%)減少している。全体会計公営事業会計を含めた全体会計では、純行政コストは前年比312百万円(1.8%)、純経常行政コストは前年比283百万円(1.7%)となっている。一般会計等に比べて、国民健康保険や介護保険の負担金が補助金等に計上されるため、移転費用の割合が高くなっている。連結会計経常収益は連結対象団体の収益等を計上したことで全体会計に比べて174百万円(15.2%)の増加、経常費用は連結象団体の人件費や物件費が計上されるため、4,154百万円(22.6%)増加している。純行政コストは全体会計に比べて3,982百万円(23.0%)の増加となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等一般会計等においては、税収等の財源(11,596百万円)が純行政コスト(11,703百万円)を下回ったことから、本年度差額は△106百万円(前年度比△354百万円)の減少となった。また、固定資産台帳の精査をした結果、事業用土地が増加したが、最終的な純資産変動額は、136百万円(前年比△96百万円)となった。純資産変動額については、令和4年度にプラスに転じて、ニヵ年度連続でプラスとなった。全体会計全体会計では、財源(17,279百万円)が純行政コスト(17,316百万円)を下回ったことから、本年度差額は△37百万円(前年度比△533百万円)となった。一般会計等と比べて、国民健康保険特別会計介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料、国や県からの補助金が財源に含まれるため、本年度差額は70百万円、本年度純資産変動額は71百万円多くなっている。連結会計連結会計では、財源(21,277百万円)が純行政コスト(21,297百万円)を下回ったことから、本年度差額は△20百万円(前年度比△527百万円)の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等一般会計等においては、業務活動収支は1,303百万円であったが、投資活動収支については、△708百万円となった。財務活動収支については、地方債発行収入が債償還支出を下回ったことから、△569百万円となっている。本年度末資金残高は前年度から27百万円増加し、636百万円となった。今後とも、業務活動収支がマイナスとなることがないよう、健全な行政運営を行う。全体会計全体会計では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より313百万円多い1,616百万円となっている。投資活動収支は、一般会計や水道会計・下水道会計における公共施設への投資の結果△847百万円となっている。財務活動収支は、地方債発行収入が地方債償還支出を下回ったことから、△764百万円となり、最終的に本年度末資金残高は前年度から5百万円増加し、2,409百万円となった。連結会計連結会計では、業務活動収支は全体会計より123百万円多い1,739百万円となっている。投資活動収支では、連結対象団体が公共施設への投資を行っているため、全体会計より107百万円減少し、△954百万円となっている。財務活動収支は、地方債発行収入が地方債償還支出を下回ったことから、△845百万円となり、本年度末資金残高は前年度から61百万円減少し、2,844百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は132.1万円と類似団体平均(150.0万円)を17.9万円下回っている。令和5年度は前年度から0.7万円減少しており、これは人口減少(66人)に対して資産合計の減少幅(445百万円)がより大きかったことが要因である。資産合計の減少要因としては、減価償却費が新規の固定資産取得額を上回ったことなどが挙げられる。資産減少の主要因である減価償却費と新規固定資産取得額の差額分析を行い、今後の投資計画への反映を図る必要がある。歳入額対資産比率については、類似団体平均とほぼ同水準の傾向にある。令和5年度は3.59年となっており、前年度と比べ0.33年増加している。歳入総額が前年度と比べ減少した以上に資産合計が減少したことが要因となっている。有形固定資産減価償却率が類似団体平均を下回っている。令和5年度は63.8%となっており、前年度と比べ1.8%高くなっている。減価償却により減価償却累計額が増加したことが要因となっている。類似団体区分内での当町の位置づけを見ると、資産効率性は平均的な水準にあるが、今後10年間で更新を要する施設・設備の総額は相当な規模となることが予想される。今後は公共施設総合管理計画に基づき、長寿命化の推進や既存施設の点検等、適正な維持更新を図る。必要に応じて、施設の統廃合も検討する。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均値を上回っている。令和5年度は77.1%となっており、前年度と比べ1.0%高くなっている。ただしこれは、純資産が前年度と比べ増加したことよりも、資産合計が減少したことの方が要因としては大きい。社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均を下回っている。令和5年度は14.8%となっており、前年度と比べ0.2%低くなっている。有形無形固定資産は前年度と比べ減少したが、それを上回る割合で地方債残高が減少したことにより将来世代の負担は軽減されたことが分かる。人口減少(過去5年間で約200人減)が続く中、住民一人当たりの維持管理費用は増加傾向にある。公共施設等総合管理計画の確実な実行により、更新費用の平準化と総量最適化を図ることが急務である。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは類似団体平均値を下回っている。令和5年度は33.0万円となっており、前年度と比べ0.5万円増加している。これは、純行政コストが前年度と比べ増加していることが要因となっている。純行政コスト増加の主な要因は、移転費用の社会保障給付が前年度比で増加(高齢化率上昇による影響)したことに加え、物件費等の増加が挙げられる。社会保障給付の増加は全国的な傾向であり、今後の高齢化進展を踏まえた中長期的な対策が必要である。類似団体区分内での当町の位置づけを見ると、コスト効率性(住民一人当たり行政コスト33.0万円)は良好な水準にある。この優位性を維持しつつ、引き続き、住民へ提供するサービスのバランスを考慮し、コストの削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を下回っている。令和5年度は30.3万円となっており、前年度と比べ1.5万円減少している。地方債が前年度と比べ減少したことが主な要因となっている。基礎的財政収支は、類似団体平均を上回っている。基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を業務活動収支の黒字分が補ったため964百万円の黒字となっている。投資活動収支は直近5ヵ年で最もマイナス幅が少ないが、これは公共施設等整備費支出がこの5ヵ年で最も少なかったことが主な要因となっている。基礎的財政収支(プライマリーバランス)964百万円の黒字は健全性を示しているが、投資活動収支の改善(-373百万円)は主に公共施設等整備費支出の抑制によるものである。今後、老朽化施設の更新需要が本格化する中で、公共施設等総合管理計画に基づく計画的な更新統廃合により、投資の効率化を図りつつ、基礎的財政収支の黒字維持に努める必要がある。今後とも基礎的財政収支が黒字となるよう、健全な行政運営適正な公共投資に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均とほぼ同水準である。令和5年度は4.3%となっており、前年度と比べ0.3%増加している。前年度からの増加は、経常収益の増加が経常費用の増加を上回ったことによるものである。将来的には公共施設の維持に要する経費の増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画に基づき、既存施設の点検、長寿命化の推進、統廃合、集約化・複合化及び廃止に取り組むことで、経常費用を削減する必要がある。また、受益と負担の明確化の観点から、公共施設等の使用料の見直しなど、受益者負担の適正化に努める必要がある。近隣同規模団体との比較も踏まえながら、適正な負担水準の検討を継続的に行い、財政基盤の安定化を図る。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,