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愛知県春日井市:春日井市民病院の経営状況

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収録データの年度

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経営比較分析表(2023年度)

地域において担っている役割

医療を提供する事業者として、患者との相互信頼関係の構築を最も大切にし、患者に喜ばれる質の高い医療を提供するとともに、この地域の基幹病院として、この地域の医療の水準維持と向上を図る。また、「がん」「脳卒中」「心筋梗塞等の心血管疾患」「糖尿病」「精神疾患」の5疾病について、急性期医療及び高度専門医療を提供し、地域住民が安心して医療を受けられる体制を確保するとともに、患者が住み慣れた地域で暮らせるよう、かかりつけ医や介護サービス事業者等との連携の強化を図り、地域完結型の医療を推進する。これらの取組みを更に充実させるため、健全経営に努めるなど経営基盤の強化を図り、医療サービスを継続し提供していく。

経常収支比率

医業収支比率

修正医業収支比率

累積欠損金比率

病床利用率

入院患者1人1日当たり収益

外来患者1人1日当たり収益

職員給与費対医業収益比率

材料費対医業収益比率

経営の健全性・効率性について

令和5年度においては、令和5年5月8日から新型コロナウイルス感染症の位置付けがインフルエンザ等と同じ5類感染症に変更され、新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制は、入院措置を原則とした行政の関与が前提の、限られた医療機関による特別な対応から、幅広い医療機関による自律的な通常の対応に移行した。この変更により、従前のような感染症対応のための病床確保が不要となったことから、患者数は前年度から大幅に増加したものの、令和元年度水準まで至っておらず、人件費や物価、光熱費の高騰も相まって、医業収支比率は赤字であり、依然として厳しい経営状況となっている。個別の指標の分析については、以下のとおり。「①経常収支比率」は、感染症対応病床の空床・休床を補償する補助金収入の減少や人件費、材料費の増加などで、6.9ポイント下落したものの、医業収益が増加したことで「②医業収支比率」、「③修正医業収支比率」ともに2.6ポイント上昇した。「④病床利用率」は、コロナ病床の確保が不要となったことで、前年度から4.7ポイント上昇した。「⑤入院患者1人1日当たり収益」と「⑥外来患者1人1日当たり収益」については、重症度の高い患者が軽症患者と比較して相対的に増加している傾向が続いており、前年度からさらに増加している。「⑦職員給与費対医業収益比率」は、医業収益の増加が人件費の増加を上回り、2.5ポイント下落した。「⑧材料費対医業収益比率」は医業収益が増加したものの、高額医薬品の使用の増加などが上回り、横ばいとなった。「⑨累積欠損金比率」は、平成26年度の制度改正に伴う退職給付引当金の一括計上により増加して以降順調に減少してきたが、赤字計上により前年度から1.7ポイント上昇した。

有形固定資産減価償却率

器械備品減価償却率

1床当たり有形固定資産

老朽化の状況について

「①有形固定資産減価償却率」は、年々増加傾向にあり、類似病院平均を上回っている。当院は建設から20年以上が経過し、施設の老朽化が進んでいることが確認できる。令和4年度の第2診療棟資産計上により、一旦減少したが、令和元年度水準まで戻っている。有形固定資産のうち「②器械備品減価償却率」については、令和3年度の第2診療棟設置の医療機器購入で大きく下落したが、令和4年度は減価償却が開始し、3.1ポイント上昇、令和5年度は1.0ポイント上昇し、従前の傾向に戻っている。「③1床当たり有形固定資産」についても理由は①と同様である。今後の投資については、建物では既存棟の大規模改修や建替えの予定はないものの、老朽化に伴い、エレベーターの取替えなどの大規模修繕が増加していく。中期経営計画に基づき計画的に修繕を行う。医療機器についても中期経営計画に基づき計画的な導入や更新を行う。

全体総括

各指標のうち、経営の健全性・効率性の「⑨累積欠損金比率」については累積欠損金が発生していないことが必要であることから早期に解消する必要がある。令和3、4年度に経常黒字を計上し、大きく下落したものの、令和5年度は、人件費等の増加により、3年振りの経常赤字となったことで、上昇に転じた。新型コロナウイルス感染症の位置付けがインフルエンザ等と同じ5類感染症に変更され、平時の体制に移行したが、医業収支比率は依然として100%を下回っている。患者数がコロナ禍前の水準に戻っておらず、人件費、物価高騰の影響が継続し、さらに厳しい経営状況が想定されるが、令和5年3月に策定した公立病院経営強化プラン(中期経営計画)で定めた取組みを積極的に進め、医療スタッフの確保や施設・設備の改修、医療機器の更新・導入を行うとともに、地域の医療機関へ継続的に訪問し更なる相互の信頼関係の向上を図る。加えて、患者数の動向を踏まえた適正な人員配置と病床数の検討については継続して実施する。経営形態については、診療体制の充実を図っていることや、他院との役割を分担し相互に補いながら連携の強化を推進していることなどから、他院との再編やネットワーク化、経営形態の見直しを行うことなく、当面は現在の体制で運営することとする。しかし、今後、病院を取り巻く環境や当院の経営状況等に大きな変化が生じた場合には、改めて検討するものとする。

出典: 経営比較分析表,

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