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地方財政ダッシュボード

静岡県川根本町の財政状況

🏠川根本町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

過疎化の進行に伴い、65歳以上の人口比率が高まっており、令和4から高齢化率は50%を超えている。生産人口の減少は、茶業や林業を中心とした基幹産業や商工業の停滞に繋がり、町税収入の減少に歯止めがかからない状況である。加えて、当町にとって大きな財源となっている国有資産等所在市町村交付金が年々減少している影響も大きい。令和5の財政力指数は、類似団体平均とほぼ同程度となっている。

経常収支比率の分析欄

令和2以降、コロナ禍により中止や規模縮小となる事業が多く、経常的経費の支出の減少に伴い、経常収支比率も減少していた。令和4以降、再開された事業も多く、経常収支比率は増加に転じ、令和5は前年度からさらに増加しているが、通常範囲内での推移と分析している。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

合併により職員数が多い状態が続いている。観光や教育関係の管理施設が多く、維持運営費も多額となっており、類似団体平均を大きく上回る状況となっている。以前より、施設運営の見直し等について検討を行っているが、大きな改善に至っておらず、人口は減少する一方であるため、年々人口1人当たりの人件費・物件費等の決算額は増加している。令和5に関しては職員給与改定に伴う人件費の高騰があり、昨年をさらに上回った。

ラスパイレス指数の分析欄

令和5は前年度から0.2ポイント上昇しているが、これは採用・退職による変動が要因と考える。令和1から令和5までの類似団体平均を比較すると、いずれの年も当町が1~2ポイント程度下回っている。これは当町の初任給の給料の設定額が低いことが主な要因と考える。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

正職員・会計年度任用職員の採用の抑制等により職員数削減を実施しているが、観光や教育施設など管理すべき町有施設が多く、それに応じた職員数が必要なため、類似団体平均を大きく上回る状況が続いている。近年職員数は微減傾向にあるが、人口減少により、人口千人当たりの職員数は年々増加している。

実質公債費比率の分析欄

近年は大規模事業が減っていたため新規の借入は抑制傾向にあった。令和5は、義務教育学校の開校に伴う学校改修を実施したことにより、借入額が大幅に増加したが、普通交付税の追加交付によって交付額が増えたこともあり、実質公債費比率は昨年度比0.3%の増加となった。類似団体平均と比較すると7%以上低い値となっている。

将来負担比率の分析欄

近年は起債額を抑えていることに加え、新規借入の地方債も交付税措置率の高い地方債を優先的に選択しているため、近年の将来負担比率は算定されていない。ただ、今後、一般財源の減少や公共施設の大規模改修が予定されており、充当可能財源である基金が減少する可能性もあり、将来負担比率の悪化が懸念される。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

職員適正化計画に基づき、職員数の削減など行政改革を推進してきたが、依然、観光施設や教育関係施設など町有施設が多く、直営施設の管理運営に必要な人件費も多額で、類似団体平均を上回る状況となっている。

物件費の分析欄

町域が広いことから町有施設も点在しており、複数のある観光施設や教育施設の施設管理に多くの経費を要するため、類似団体平均を大きく上回る状況となっている。令和1以降はコロナ禍による事業の中止や規模縮小が多く、減少傾向となっていたが、令和4は物価高騰により上昇となり、令和5についてもさらに増加となった。

扶助費の分析欄

近年は児童数の減少に伴う保育園・幼稚園への給付費の減少、老人保護措置費の支給対象者の減少に伴い、支給額が減少傾向にあった。令和5は障がい者自立支援給付費の増加に伴い、扶助費は増加となった。類似団体平均も本町と同程度の増加率となった。

その他の分析欄

その他の経費の中では繰出金の占める割合が高く、特に介護保険事業会計における給付費に係る繰出金や後期高齢者医療給付費負担金に係る繰出金が多額となっている。全体的には横ばいの推移しているが、簡易水道事業会計において、今後大規模事業の元利償還が始まるため、一般会計からの繰出金の増加が見込まれる。

補助費等の分析欄

令和1以降、横ばいで推移してきたが、令和5は一般廃棄物処理に係る補助費等の増加に伴い、昨年度から微増となった。類似団体平均との比較でも、本町が下回る状況が続いている。

公債費の分析欄

近年は大規模事業が減っていたため新規の借入は抑制傾向にあった。令和5は、義務教育学校の開校に伴う学校改修を実施したことにより、借入額が大幅に増加した。今後、令和7まで大規模事業が続くことから、公債費は増加していくことが見込まれる。

公債費以外の分析欄

扶助費やその他の経費などの一部で類似団体平均を下回るものもあるが、人件費や物件費においては類似団体平均を大きく上回る状況となっている。コロナ禍にあっては事業の中止や規模縮小により経常経費が減少していたが、今後、一般財源の確保が困難となることが見込まれ、根本的な対策の検討が必要な状況になっている。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

衛生費は新型コロナワクチン接種事業の関係で令和3以降事業費が伸びている。農林水産業費は令和2に大規模事業(産地パワーアップ事業)により事業費が突出した。令和5にも農産物加工施設補助によって例年と比較して増加している。商工費については類似団体平均を上回る状況となっている。これについては、観光施設の管理に多くの経費を要していることがあげられ、令和4では新型コロナ関係の経済対策事業により商工費全体の事業費が特に増加した。教育費については、平成29から開始したICT教育推進業務や川根高校寮管理経費が多額となっているほか、令和5には義務教育学校の開校に伴う学校改修事業によって大幅に増加し、類似団体平均を上回る状況となっている。災害復旧費は令和4の台風15号の影響により大きく伸びている。消防費についても、常備消防事務への負担金が多額となっていることから、類似団体平均を上回る状況となっている。公債費については、平成26・平成27で実施した大規模事業(高度情報通信基盤整備事業)の償還が高額なため、類似団体平均を上回る状況が続いていたが、令和1以降は償還が進み、類似団体平均との差が縮んでいる。その他の項目については、概ね類似団体平均に近い状況となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人件費、物件費は類似団体平均を大きく上回る状況となっている。これについては、多数の観光施設や教育関係施設などの町有施設に対し、多くの管理運営経費を要していることが主な要因にあげられ、改善に向け検討を開始したところである。普通建設事業費については、令和1で類似団体平均を下回るまでになったが、令和2は新型コロナ対策と農林業関係の大規模事業、令和5は義務教育学校の開校に伴う学校改修事業の影響で、再度類似団体平均を上回る状況となった。公債費については、横ばい傾向にあったが、令和5から令和7にかけての大規模事業に伴い、今後増加していくことが見込まれる。扶助費については、類似団体平均を下回る状況となっている。特にここ数年は支給対象者の減少に伴い老人保護措置費、保育園・幼稚園への給付費が減少傾向だが、令和3は子育て世帯等への臨時特別給付金の支給、令和5は障害者自立支援給付費の増加に伴いそれぞれ増加となった。積立金については、類似団体平均を大きく下回る状況となっている。これについては、積立対象となる特定財源収入や経常一般財源収入の減少が要因としてあげられる。令和3は普通交付税再算定において、減債基金への積立金分の交付によって他の年度と比較して大きく増加となっている。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金については、R2までは財源補填による取崩しによって残高が減少していたが、R3以降は取崩しもなく、利子分の積み立てによって残高が増加しており、標準財政規模比は健全な推移と分析している。実質収支額については、新型コロナの影響による繰越額の増加によって、R3以降大きく伸びている。実質単年度収支は、R2以降は普通交付税の増加と償還終了に伴う公債費の減少により、プラス値となっていた。R5は学校改修事業により歳出額が増加したことにより再びマイナスに転じている。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

一般会計については、R2まで普通交付税合併算定替特例の終了などの影響により歳入額が減少し、10%以下の低い比率の状況が続いてきたが、R3以降においては繰越金及び普通交付税の増加のほか、償還する公債費が減少したことで黒字額が大幅に増えている。簡易水道事業会計は、R5から企業会計に移行したが、R3に水道料金値上げの改定を行った影響で黒字額は増加傾向にある。介護保険事業特別会計においては、各サービスや受診の増により給付費が増加したため、黒字額が減少している。その他の特別会計については、赤字分を一般会計からの繰出で補填しているため、例年収支が0となっている。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

元利償還金については、近年大規模事業がなく、借入額が抑制されていたことにより償還が進み、年々減少している。また、借入れしている地方債の多くは交付税措置の対象であることから、元利償還額の増減に合わせ、基本的に算入公債費等も増減する状況となっている。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高については、H26~27の大規模事業の元金償還が進み、減少傾向となっている。借入れている地方債の多くが交付税措置の対象であることから、充当可能財源等の基準財政需要額算入見込額は、地方債の現在高にほぼ比例し増減する状況となっている。また、財政調整基金など充当可能基金の残高確保にも努めていることにより、近年は、充当可能財源等が将来負担額を上回る状態が続き、将来負担比率の分子の値は、マイナス数値となっている。ただし、経常一般財源の減少により、R1まで財政調整基金の取崩しを行っていたこともあるため、将来負担額が充当可能財源等を上回ることがないよう引き続き財政健全化に取り組んでいく必要がある。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)R5年度末の基金残高は約31億5千万円と前年度から約3千万円の増加となっている。R3・R4において、コロナ禍による経常事業の中止・縮小に伴い取崩しがなかった。R5においては、減債基金に2千万円を積み立てたほか、前年度繰越金が多く取崩しがなかったことから利子分が増加となった。(今後の方針)地方税は人口減少等により減少が見込まれる。普通交付税にあっては不安定な状況が続くと見込まれるため、財源不足の場合の補填財源として、基金の必要性が高まることが想定される。引き続き、事業精査による歳出削減を図り、歳入規模に見合った予算編成としていくことにより、基金の残高確保に努めていく。

財政調整基金

(増減理由)R5年度末の基金残高は9億4,600万円と前年度から約160万円の増加となっている。R2以降は普通交付税の交付額が見込みより多いこともあり、取崩しを実施せずに済んでいる。R3においては5,000万円積立も行った。R4・R5も取崩しを行わずに済んだので、利息の分増額となった。(今後の方針)事業再精査等による歳出削減を進め、歳入規模に見合った予算編成としていくことにより、基金取り崩し額を抑制していく。突発的な事案が発生した際の財源として活用できるよう残高を維持していきたい。

減債基金

(増減理由)R5年度末の基金残高は1億4,500万円と前年度から2,000万円の増加となっている。これは、臨時財政対策債を積み立てたことによるものである。取り崩しは行っていない。(今後の方針)今後の公債費や財政全体の状況に応じて取崩しを行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)主な基金の使途地域振興基金:町民の連帯の強化及び地域振興に要する経費並びに高度情報基盤整備事業により整備した施設の運用及び更新に要する経費への充当社会福祉基金:地域福祉事業及び福祉施設の充実等に充当まちづくり基金:人材育成・交流事業・施設整備等のまちづくりの経費に充当林業振興基金:地域林業の振興に寄与するための施設の整備拡充及び従事者の育成等の経費に充当水と森の環境保全基金:地球温暖化防止、生態系の保存、景観など自然環境保全に取り組むための経費に充当(増減理由)地域振興基金、社会福祉基金、まちづくり基金:利息分の増加(今後の方針)地域振興基金:毎年の利息や債権運用益を積立し、毎年度の事業の財源として活用していく予定社会福祉基金、まちづくり基金、林業振興基金、水の森の環境保全基金:毎年の利息を積立し、基金の目的に合致する事業を実施する際の財源として活用していく予定

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体平均をやや上回っており、町の保有する施設の全体で老朽化が進んでいる。町の財政状況では既存の全ての施設の維持管理は負担が大きいため、老朽化状況や利用状況等を勘案し、各施設の改修・更新・廃止など施設の在り方を早急に検討していく必要がある。

債務償還比率の分析欄

大規模事業を実施していなかったことのほか、地方交付税の再算定による交付額の増額、また、交付税増により財政調整基金の取り崩しがなかったため、債務償還比率は減少していた。令和5においては義務教育学校の再編に向けた施設改修費に地方債を充当したため、債務が増加し、類似団体平均を上回る数値となった。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

これまで起債額を抑制してきたこと、また、将来負担額への充当可能財源が確保されていることもあり、将来負担比率は算定されていない。一方で、町域が広域であるため行政効率が悪く、多数の施設を所有しており、その多くで老朽化が進んでいる。財政上の理由から大規模な改修等は困難であり、これまで施設改修に着手することが出来なかったため、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回る状況となっている。施設の必要性、運営方法の精査を行い、計画的に除却・改修・更新を進めていく予定である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

これまで起債額を抑制し、将来負担額への充当可能財源が確保されていることもあり、将来負担比率は算定されていない。また、実質公債費比率は、起債の多くが交付税措置の高いものを活用していること、また、大規模事業を実施していないため、低い水準で抑えられている。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路、橋りょう・トンネルの有形固定資産減価償却率は、施設の改修等を適切に行い、類似団体内平均値とほぼ同数値になっている。道路の一人当たり延長及び橋りょう・トンネル有価固定資産額については、町域が南北に広く、町の中心を縦断する大井川沿いに集落が点在するため、類似団体内平均と比較し必然的に数値が高くなっている。公営住宅については、類似団体内平均と比較し老朽化が進んでいる。長寿命化計画に基づき必要な改修等を実施していく。なお、公営住宅数が少ないため、一人当たり面積は類似団体内平均を下回る状況となっている。保育所については、子育て支援施設も含め4施設を保有し、学校施設については4校を所有している。いずれも建築後30年以上経過しており、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均を大きく上回る状況となっている。ただし、学校施設については令和4年の統廃合により類似団体内平均まで改善されている。町の財政状況では既存の全ての施設を維持管理していくことは負担が大きいため、各施設の必要性を充分考慮したうえで、改修・更新・除却などの施設のあり方を検討していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

体育館は2施設、プールは1施設を所有しているが、いずれも築年後30年以上経過し、有形固定資産減価償却率は高い状況である。今後、大規模な改修を予定している。福祉施設は8施設を所有。比較的新しい施設もあるが、築年後30年以上経過するものが多く、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回る。市民会館は1施設であるが、築年後30年以上が経過し、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回る。なお、体育施設及び文化施設については令和4に公共施設個別施設計画を策定している。一般廃棄物処理施設は1施設所有しているが、令和8年3月をもって供用廃止の予定であり、新たな施設へ移行する。消防施設は、消防署1施設と町内各所に自営消防団施設が点在している。段階的に施設更新を実施しているが、全ての更新が完了していないため、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回る状況である。庁舎については、本庁舎1施設と総合支所1施設を所有している。総合支所については市町村合併後に整備された比較的新しい施設のため、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を若干下回るが、今後は老朽化が進むため、施設のあり方について検討を行っていく。各施設の一人当たりの面積については、小規模施設が多いため、類似団体平均に近い数値となっている。各施設を大規模に改修する財政的余裕はないため、今後は施設のあり方を充分に精査し、計画的な改修・更新・除却を進めていく。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

資産総額は、一般会計等で前年度比298百万円の減となった。主な要因としては、建物や工作物の減価償却が進んでいるため、事業用資産は447百万円減少し、災害等の大規模事業補助金の受け入れ時期により流動資産が65百万円減少した。一方で、基金については地方債による有利な運用を進めているため、投資その他の資産は74百万円の増加となっている。全体会計については簡易水道事業会計における設備投資により資産は253百万円の増加となり、連結会計においては、構成団体である駿遠学園管理組合の減価償却の進行と流動資産である現金預金が減少したが、全体会計の資産の増加の影響におり、前年度比240百万円の増加となった。負債総額は一般会計等で277百万円、全体会計で1149百万、連結会計で1150百万の増加となった。これは、給与改定と学校再編のための施設大改修を実施したため、固定負債地方債が増額となったことが影響している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

純経常行政コストは、一般会計等において310百万の増加となった。給与改定による人件費の増額が主な要因で205百万円の増加である。また、茶製造施設への大規模な補助を行ったことにより移転費用も91百万円の増加となった。また、令和5年度においても、引き続き、台風災害の災害復旧事業費が臨時損失として158百万円計上されているため、純行政コストは6,320百万円となり、前年度から206百万円の増加となった。全体では、経常収益が154百万円多くなる一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が1,829百万円多くなり、純行政コストは前年度より208百万円多くなった。なお、令和5年度から簡易水道会計は企業会計に移行している。連結では、連結対象企業の事業収益を計上し、経常収益が157百万円多くなっている一方、人件費が116百万円多くなるなど、経常費用が3,256百万円多くなり、純行政コストは、前年度より219百万円の増加となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、学校再編による施設改修や災害復旧事業の本格化により、純行政コストは206百万円の増加となり、その財源も427百万円の増加となっている。内訳としては、税収等は減少したが、国県等補助金が440百万円の増加となっている。純資産残高は24,103百万円であり、前年度比で576百万円の減少となった。これは主には減価償却の表れであるが、学校施設の大規模改修により、前年度より減少が鈍化した。今後は新斎場の建設やし尿等中継槽の建設などを実施する予定であるため、数年は純資産残高の減少は鈍化が継続すると見込んでいる。全体では、簡易水道施設の減価償却により、前年度と比較し、純資産残高は896百万円の減少となった。連結では、連結対象企業等における施設の減価償却により、前年度より910百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

業務活動収支は、一般会計等で前年度比90百万円の増加となった。これは人件費支出は給与改定により増加したが、臨時的支出である災害復旧事業費の計上が大幅に減少し、業務収入においては、大規模事業の国県等補助金が増加したことが主な要因である。投資活動収支は、学校施設の大規模改修を地方債を財源に実施したため、前年度比807百万円の大幅な減少となった。財務活動収支は、マイナスで推移してきたが、償還が進んだこと、学校改修事業の地方債発行収入が増加したことにより201百万円の黒字となった。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれるため、業務活動収支は、一般会計等と比較し、16百万円の減少となっている。投資活動収支は、特別会計における基金取崩が39百万円多くなったことにより一般会計等と比較し52百万円の減少となった。財務活動収支は、R5から企業会計に移行した簡易水道事業の地方債の借入れにより一般会計等と比較し44百万円の減少となっている。連結では、静岡県後期高齢者医療事業広域連合への国県等補助金等が財源に含まれるため、業務活動収支は一般会計等と比べて26百万円の減少となる。投資活動収支は、連結対象企業等の施設改修等があり一般会計当と比較し52百万円の減少となった。財務活動収支は一般会計等と比較し44百万円の減少となったが、これは全体の影響であり、連結対象企業等については大きな変動はない。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

本町は中山間地域に位置する過疎地域で、人口減少・少子高齢化が進んでいる。(令和5年3月末日現在の高齢化率51.3%)広大な町域のうえ、小規模集落が点在する地理的条件から行政効率が悪く、役場は本庁と総合支所の2箇所、公立学校は令和5年度に再編をし、小中合わせて4校となっている。また、観光業が主要産業の一つであり、町有の観光施設も多数保有している。人口が少ない上に、保有する施設が多いことから、住民一人当たり総資産額は513.8百万円、歳入額対資産比率は3.92百万円となり、類似団体平均を大きく上回っている。一方で、多くの保有施設で老朽化が進んでいるが、財政的な理由から計画的な予防修繕や改修が進んでおらず、有形固定資産減価償却率は年々高くなっている。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は79.4%で類似団体平均値76.3%をやや上回り、前年度比1.1%減少している。純資産は着実に減少しており、将来世代が利用可能な資源を現世代が消費している傾向となっている。一方で、合併後の大規模事業であった高度情報基盤整備事業が完了し、その後は大規模な事業はR5年度の学校再編にかかる施設改修のみであったため、借り入れた合併特例事業債の償還が着実に進んでいたこと。また、近年は基金の取崩を実施しなかったことにおり、将来世代負担比率は11.7%で類似団体平均値18.0%を下回る結果となっている。しかし、今後は斎場やし尿等中継槽など大規模な支出が想定され、償還額の増加による将来世代負担比率の増加が見込まれる。一方で、これらの建設事業の影響により、年々減少してた資産減少が鈍化していく見通しである。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

地理的条件による行政効率の悪さに加え、高齢者福祉事業(外出支援サービスや配食サービス等)や地域唯一の県立高等学校の魅力化促進支援、公設民営の塾の運営など、多くの独自事業に積極的に取り組んでいることから、人件費や物件費といった経常費用が多額となっている。令和5年度においては住民一人当たり行政コストは107.0万円と類似団体平均値を大きく上回る実態が継続している。人口減少は避けられない状況の中、同様のサービスを続けていけば、住民一人当たり行政コストは今後も上昇していく見通しであり、事業の見直しや改善を図り、コストを削減していくことが求められる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

近年では、借入額が償還額を下回る状況が続いていたが、令和5年度において学校再編による施設の大規模改修を実施したため、住民一人当たりの負債額は105.8万円となり、類似団体平均値を大きく上回る結果となった。これまで大規模な事業を行ってこなかったため、地方債の残高は確実に減少していたが、人口減少も著しく、依然として類似団体平均値85.5万円を上回る結果となっている基礎的財政収支は、-257百万円で前年から大幅に減少した。近年では身の丈にあった予算編成に心がけてきたためプラスとなる状況が続いていたが、学校再編による大規模施設改修が影響しマイナスに転じることとなった。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は4.3%で、類似団体平均値10.2%を大幅に下回っている。人口規模に対し保有施設が多い現状を反映した結果となっている。経常収益は、前年度から14百万円の減少となっているが、経常費用の増加296百万円を大きく下回る減少幅であり、経済活動が安定していることが推測される。また、経常費用は、前年度対比296百万円の増加となっているが、経常費用そのものは、令和3年から同額で推移しており、例年並みの水準を維持できる状況である。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,