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長野県塩尻市の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は、前回同様0.63となった。依然として類似団体内平均を下回っているが、全国平均及び長野県平均よりは高い水準で推移している。今後は、高齢人口の増加などに伴い社会保障費が増加傾向で推移することに加え、人口減少などに伴い市税などの自主財源が減少傾向で推移する厳しい財政状況が見込まれることから、引き続き行政改革やDX推進による生産性向上を図ることで、持続可能な財政運営を堅持する。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は、前年度から1.1ポイント増加して91.7%となった。これは、電力使用料等の需用費の増加、人件費の高騰、物価高騰の影響による一部事務組合の負担金の増加、障害者福祉サービス等の扶助費が増加したことによるものである。今後もより一層義務的経費や物件費などの増加が見込まれることから、行政評価による事務事業の見直しなどにより、経常経費の抑制を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、前年度から3,354円増加し、159,862円となった。これは、物価高騰による電力使用料等の需用費の増加、人事院勧告に伴う人件費の増加等によるものである。本市では、以前から他団体に比べ高い水準で推移していることから、今後、DXの推進などで生産性を向上させることにより、人件費・物件費などの行政コストの抑制・削減を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は、前年度と同様の98.6となった。全国市平均と同一の数値であるが、類似団体内平均を上回っていることから、今後も適正な給与水準の維持に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たり職員数は、前年度から0.04人増加して7.51人となった。全国平均及び長野県平均は下回っているため、今後も計画的な定員管理などにより、更なる適正化を図る。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は、前年度から0.4ポイント増加して7.2%となった。これは前年度に比較して、地方債元利償還金が増加したことによるものである。本市では、普通建設事業費の財源に占める地方債の割合が年々高まっていることから、地方債残高に目標値を設定するとともに、交付税算入率の高い地方債の活用などにより、実質公債費比率の抑制を図る。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、前年度から3.6ポイント増加し、7.8%となった。類似団体順位では、中間に位置している。地方債の現在高は減少しており、将来負担額は減少したものの、昨年と比較し標準財政規模が上昇した割合が大きく、将来負担比率自体が増加した。今後は、中長期的に地方債残高の目標値を定め、将来負担比率を見通した財政運営を行う。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人件費は、前年度から0.4ポイント減少して27.4%となった。依然として類似団体内平均、全国平均及び長野県平均を上回る水準で推移している。主な要因は、国の基準を上回る人数の保育士(会計年度任用職員を含む)を配置するなど、施策によるものである。今後は計画的な定員管理やDX推進などにより、人件費の抑制を図る。

物件費の分析欄

物件費は、前年度から0.1ポイント減少して15.3%となった。これは、物価高騰による電力使用料等の需用費が増加傾向にあり、昨年とほぼ同様の数字となった。依然として類似団体内平均を下回る水準で推移しているものの、全国平均・長野県平均を上回る水準であることから、今後はDX推進などにより、物件費の抑制を図る。

扶助費の分析欄

扶助費は、前年度から0.6ポイント増加し9.6%となった。依然として類似団体内平均及び全国平均を下回る水準で推移しているものの、障害者福祉サービス費などの経常的な扶助費は増加した。今後も増加傾向で推移する見込みであることから、生活保護受給者の健康管理支援事業などを推進することで、扶助費の抑制に努める。

その他の分析欄

その他は、前年度から0.5ポイント増加して10.1%となった。依然として類似団体内平均を下回る水準で推移していることから、引き続き適正な水準を維持するとともに、国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業などへの法定外繰出金が発生しないよう、各特別会計の適正な運営に努める。

補助費等の分析欄

補助費等は、前年度から0.1ポイント減少して12.6%となった。前年度に引き続き類似団体内平均を下回る水準となった。本市では、行政評価による毎年の事業見直しに加え、3年毎に全庁的な補助金等の見直しを実施していることから、引き続き補助金等の適正化に努める。

公債費の分析欄

公債費は、前年度から0.6ポイント増加して16.7%となった。依然として類似団体内平均を上回る水準で推移している。引き続き、中長期的に地方債残高に目標値を設定することにより、公債費の減少を意識した財政運営を行う。

公債費以外の分析欄

公債費以外は、前年度から0.5ポイント増加して75.0%となった。依然として類似団体内平均を下回る水準で推移していることから、引き続き経常経費の抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・本市の目的別住民一人当たりのコストは、議会費や衛生費、消防費が類似団体内平均を下回ったものの、商工費は類似団体平均を大きく上回り、土木費も同様に類似団体内平均を上回った。・商工費は商工業振興対策として継続的に行っている中小企業への制度融資に加え、令和2年度に新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業に対する融資を新設したことに伴い、令和2年度から引継ぎ、類似団体内平均を大きく上回ったが、中小企業の返済が進んできており、前年度と比較し減少となっており、今後も減少していく。・土木費は、小坂田公園の更新整備事業が一段落したことに伴い、事業費が前年度から大きく減少し、類似団体との乖離幅は減少した。・公債費は、長期債の元利償還金が増加したことに伴い住民一人当たりのコストも増加し、前年度と比較し類似団体平均額からの乖離幅が大きくなった。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・本市の性質別住民一人当たりのコストは、扶助費が類似団体内平均を大幅に下回っているものの、人件費や貸付金が類似団体内平均を上回っている。・主な要因は、国の基準を上回る人数の保育士(会計年度任用職員を含む)を配置するなど、子育て施策の充実によるものである。・普通建設事業費(うち更新整備)は、類似団体平均を上回っており、これは、小坂田公園の更新整備や都市計画道路整備によるものである。・貸付金に関しては、商工業振興対策として中小企業への制度融資を継続的に行っている。既存の制度融資に加え、令和2年度から新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業に対する融資を新設したことなどから、類似団体内平均を大幅に上回っているが、中小企業の返済が進んできており、前年度と比較し減少となっており、今後も減少していく。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

令和5年度の財政調整基金残高は、国の財政措置を効果的に活用したことなどに伴い前年度より増加し、依然として本市が財政規律としている標準財政規模の20%を上回る水準を保っている。実質単年度収支は、財政調整基金等への積立などの影響により、前年度から1.3ポイント改善し、黒字となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

令和5年度は全会計が黒字で、介護保険事業特別会計や水道事業会計や下水道事業会計の黒字額が前年度に比べ増加していることから、連結ベースの黒字額についても増加した。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

道路整備事業等により、元利償還金が増加し、実質公債費比率の分子は前年度に比べ166百万円増加し、1,228百万円となった。今後は、公共施設の長寿命化改修などにより元利償還金の増加が見込まれることから、中長期的に地方債残高に目標値を設定することにより、公債費の減少を意識した財政運営を行う。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

一般会計当に係る地方債の現在高により将来負担額が1,103百万円減少したものの、基準財政需要額算入見込額が1,309百万円減少したことなどにより、将来負担比率の分子は前年度に比べ569百万円増加し、1,212百万円となった。今後も、中長期的に地方債残高に目標値を設定することにより、公債費の減少を意識した財政運営を行う。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金残高が299百万円増加したことに加え、基金運用益などによりその他特定目的基金についても増加したことから、基金全体では、8,971百万円となった。(今後の方針)本市が財政規律としている財政調整基金残高30億円を堅持するため、財政計画に基づいた健全な財政運営を図る。合併振興基金などの特定目的基金については、基金造成の目的を達成するため、引き続き計画的な運用や取り崩しに努める。

財政調整基金

(増減理由)・前年度決算剰余金の積立や運用による利子積立を加えたため増加した。(今後の方針)将来的には人口減少などにより市税や地方交付税など一般財源の確保が難しくなるとともに、高齢人口の増加や金利上昇などにより義務的経費が増加傾向で推移することが見込まれることから、将来にわたり持続可能な財政運営を行うため、標準財政規模の2割程度(30億円)確保を財政規律とし、計画的な運用に努める。

減債基金

(増減理由)基金運用益の積み立てにより微増した。(今後の方針)臨時財政対策債の償還に充当するため、計画的な取り崩しを予定している。

その他特定目的基金

(基金の使途)・合併振興基金:合併後の地域振興施策の推進を図るために要する費用の財源に充てる。・公共施設等整備基金:公共施設等の長寿命化、統廃合、除却等に関する事業の推進並びに公共施設等の計画的な更新及び活用に要する費用の財源に充てる。・未来につなぐ医療確保基金:産科医療に従事する医師の確保その他の地域医療の充実を図るために要する費用の財源に充てる。・森林環境保全基金:森林の保全及び森林の有する公益的機能の維持増進を図るために要する費用の財源に充てる。・知恵の交流基金:市民交流センターの施設、設備等の充実及び当該施設が目指す知恵の交流を通じた人づくりの推進を図るために要する費用の財源に充てる。(増減理由)・合併振興基金:合併目的に資する事業に充当するため50,000千円取り崩しを行ったこと等により減額となった。・公共施設等整備基金:教育文化施設整備基金、道路施設整備基金、市営住宅整備基金、土地開発基金を統合し、新設した。・未来につなぐ医療確保基金:医学生への奨学資金貸与事業に充当するため、取り崩しを行い減額となった。・森林環境保全基金:森林環境保全に資する事業に50,000千円取り崩しを行ったこと等により減額となった。(今後の方針)・合併振興基金:新市建設計画に位置付けられたソフト事業に充当するため、計画的な取り崩しを予定している。・公共施設等整備基金:公共施設の長寿命化や学校の大規模改修などに向け、運用益を積み立て残高確保を図る。・未来につなぐ医療確保基金:医学生への奨学資金貸与事業に充当するため、計画的な取り崩しを予定している。・森林環境保全基金及び知恵の交流基金:過去に受けたふるさと寄付金分については、寄付者の意向に沿った事業に充当するため、計画的な取り崩しを予定している。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、前年度から1.4%増加したものの、依然として類似団体内平均、全国平均及び長野県平均を全て下回っていることから、本市の施設は他団体と比較して老朽化は進んでいないと考える。今後も、公共施設等総合管理計画及び各施設の個別施設計画に基づいた計画的で予防的な修繕を行い、老朽化対策強化に努める。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、前年度から8.2%減少し、長野県平均より上回っている一方、類似団体平均よりも下回っている。令和5年度は、地方債現在高が減少したことなどにより、比率の改善につながったものと考える。今後は、公共施設等総合管理計画による普通建設事業費の平準化を図り、起債発行を抑制するとともに、交付税措置率の高い有利なものを選択することにより、起債残高の逓減に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については、地方債残高が減少したものの、充当可能な特定財源が大きく減少したことなどにより、3.6%増加したが、類似団体内平均値と比較すると下回る水準を維持している。有形固定資産減価償却率についても、類似団体内平均値をいずれも下回っているものの、上昇傾向が続いており確実に老朽化が進行している。今後は、公共施設等総合管理計画及び各施設の個別施設計画に基づき「予防保全・計画的保全」による長寿命化を促進し、ライフサイクルコストの縮減を図るとともに、引き続き起債発行額の抑制を図る。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については、一般会計以外の公営企業会計及び一部事務組合等の地方債残高が減少したことなどにより、類似団体内平均値を下回る水準となった。実質公債費比率については、令和4年度に発行した幹線道路整備や都市公園の整備に係る公共事業等債などの発行償還金の増加により、類似団体内平均値を上回る水準となった。実質公債費比率が増加傾向にありかつ、公共施設等の修繕・長寿命化に係る事業費は継続的に必要となるため、事業費の平準化による起債発行額の抑制と交付税措置の有利な起債を選択するものとする。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高い施設は学校施設であり、他の施設は類似団体と比較して低くなっている。全体的に老朽化が比較的進んでいないと考えるが、すべての施設で前年より有形固定資産減価償却率が上昇している傾向にあり、今後の推移を注視していく必要がある。一人当たりの資産量については、橋りょう・トンネル、公営住宅、学校が類似団体内平均を下回っている一方で、認定こども園・幼稚園・保育所、児童館、公民館は大きく上回っている。今後は、公共施設等総合管理計画及び各施設の個別施設計画の下で「予防保全・計画的保全」による長寿命化を実行するとともに、人口減少の中で必要なサービス水準を確保しつつ健全な財政運営を行うため、施設総量の適正化を図る。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は昨年度から引き続き、体育館・プール、市民会館、一般廃棄物処理施設、保健センター・保健所、庁舎だが、今年度そこへ福祉施設が新たに加わる結果となった。その中で特に、一般廃棄物処理施設(85.0%)を筆頭に体育館・プール(69.9%)、庁舎(64.6%)、保健センター・保健所(68.4%)はいずれも60%を超えており、今後の大規模修繕で多額の費用負担が予想される。一人当たりの資産量については、体育館・プール、福祉施設、市民会館、消防施設、庁舎が類似団体内平均を下回っている一方で、図書館、保健センター・保健所は大きく上回っている。今後は、公共施設等総合管理計画及び各施設の個別施設計画の下で「予防保全・計画的保全」による長寿命化を実行するとともに、人口減少の中で必要なサービス水準を確保しつつ健全な財政運営を行うため、施設総量の適正化を図る。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が112,474百万円となり、前年度比1,708百万円の減(△1.5%)となった。これは、道路工事等に係る資本的支出の増加に伴い工作物の資産額が増加(1,306百万円)した一方、事業用資産の除売却(908百万円の減少)や建物及び工作物の減価償却累計額の増(3,151百万円)によるものである。また、負債総額は33,000百万円で、前年度比1,166百万円の減(△3.4%)となったが、地方債の借入額が前年と比較し(641百万円の減少)となったこと、償還を進めたことにより期末の地方債が1,138百万円減少(△4.5%)したことによるものである。水道事業会計、下水道事業会計等を加えた全体会計では、資産総額は、167,857百万円となり、前年度比2,971百万円の減(△1.7%)となった一方で、負債総額は72,265百万円となり、前年度比3,014百万円の減(△3.9%)となった。これにより、全体の資産に占める負債の割合が、44.1%から43.1%に減少(△1.0%)した。第三セクターなどを加えた連結会計では、資産総額が、175,854百万円となり、前年度比3,637百万円の減(▲2.0%)となった。負債総額も75,610百万円となり、前年度比3,050百万円の減(△3.9%)となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、人件費の上昇(165百万円)や昨今の物価上昇等に伴う物件費の上昇(234百万円)などに伴い、経常費用が274百万円増加(+1.7%)したため、純経常行政コスト及び純行政コストは微増となった。今後、先行き不透明な世界・社会情勢や政策等による経常収益の減少も見込まれるため、行政DXの活用などによる業務の効率化と併せて行政評価による事業のスクラップを引き続き推進する。全体会計及び連結会計においても、一般会計等と同様の傾向にあった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計においては、税収等が502百万円増加(+2.6%)したものの、純行政コストが125百万円増加(+0.5%)したことや国県等補助金が1,060百万円減少(△14.2%)したことにより、本年度差額は前年度比683百万円減の△424百万円となった。本年度差額に寄付受納などによる無償所管換等を加えた本年度純資産変動額は△543百万円となったことにより、純資産残高は79,473百万円となり、前年度比543百万円の減(△0.7%)となった。全体会計においては、国民健康保険事業特別会計や介護保険事業特別会計等が含まれるため、一般会計等に比べ財源となる税収等が25,307百万円と前年度から509百万円多くなっており、本年度差額は161百万円となっている。第三セクターなどを加えた連結会計においては、比例連結割合の変更などに伴い、純資産残高が前年度比586百万円の減(▲0.6%)となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等における業務活動収支は3,442百万円、本年度末資金残高は571百万円となり前年度比131百万円の減(△18.7%)であった。投資活動収支は、日の出保育園の増築工事や旧楢川支所解体工事等を実施したことに伴い、△2,314百万円となった(前年度比△667百万円)。財務活動収支については、前述した地方債対象事業を始めとする地方債発行収入があるものの、地方債償還支出が前年度比147百万円の増(+5.1%)により、前年度比で787百万円の支出増となった。全体会計及び連結会計については、一般会計等と同様に施設整備等に伴い投資活動収支がマイナスとなっている一方で、財務活動収支もマイナスとなっていることから借り入れに対する償還が進んでいることを示している。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

日の出保育園増築事業などの資産の増加要因はあったものの、市有財産の除売却等により、市民1人当たりの資産額は1.3万円の減となり、類似団体平均値を5.3万円下回る結果となった。歳入額対資産比率は、前年度と比較した資産合計の減少幅よりも歳入総額の減少幅が大きく、当該地は前年度比で0.1年の増となった。有形固定資産減価償却率については、継続して類似団体平均値を下回っているものの増加傾向で推移していることから、長期的には施設の老朽化による修繕費等に多額の費用を要することが懸念される。公共施設等総合管理計画及び各施設の個別施設計画に基づき、予防保全による長寿命化を実施し、事業費の平準化を図るなど施設の適正な管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均値を若干下回る傾向が続いている。将来世代負担比率は、地方債残高が減少したものの、資産の除売却等による有形固定資産合計の減少が影響し、当該値は前年度比0.2%の増となった。ただし、類似団体平均値よりも下回っている状況に変化は無い。本市は純資産比率(現役世代の負担)は類似団体平均値を下回っているものの、将来世代負担比率においても類似団体平均値を下回っているため、資産と負債の比率は適正な水準にあると考える。ただし、大型の公共事業の実施により起債残高が上昇傾向であることを踏まえ、今後の動向を注視する必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、人件費の上昇や物価・エネルギー価格等の高騰により経常経費が増加したことにより、前年度比0.5万円の増となった。先行き不透明な世界社会情勢や政策等による経常収益の減少も見込まれることから、実施計画に基づく事業のスクラップや行政DXを始めとする業務効率化を徹底し、引き続き生産性の向上に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を上回る状況に変化はないものの、地方債の減少により当該値は1.4万円の減少となった。基礎的財政収支については、834百万円の黒字となり、前年比453百万円の増となった。これは税収等収入の増加(前年度比494百万円の増)や、公共施設等整備支出が減少(前年度比695百万円の減)であったことによる。本市では、総合計画や実施計画などの期間中における基礎的財政収支をトータルで黒字に保つよう努めていることから、引き続き計画的な財政運営に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、人件費の上昇や物価・エネルギー価格等の高騰による経常経費の増加が影響し、前年度比0.1の増となった。類似団体平均値を上回っている状況に変化は無い。類似団体平均値を上回っている状況の改善に向け、定期的に使用料、手数料及び補助金等の見直しを実施し、経常収益の向上及び経常費用の削減に努める。今後も適正な受益者負担となるように、定期的な見直しを継続する。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,