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地方財政ダッシュボード

千葉県鴨川市の財政状況(2020年度)

🏠鴨川市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 国保病院


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

令和2年度決算における財政力指数は前年度と同様に0.53となり、類似団体の平均より高い値となっている。今後は少子化の進行や高齢化のピーク過による人口減少を受け、市税収入の減少が見込まれており、指数の低下が予測される。この状況に対応するため、平成30年8月に策定した「強い鴨川づくりに向けた財政等適正化基本方針」に基づき、市税の徴収強化や基金の債券運用等の拡充等に取り組み、財政基盤の安定化に努めるものとする。

経常収支比率の分析欄

令和2年度決算における経常収支比率は98.5%となり、前年度決算数値と比べて0.9%の減となった。この要因として、地方交付税や地方消費税交付金の増等が挙げられる。本市の経常収支比率は、類似団体、全国平均及び千葉県平均と比較すると5~6%程度高い数値となっているため、人件費が35.0%、公債費が20.0%と両比率が高い水準にあることを考慮し、定員管理適正化計画や公共施設等総合管理計画に基き職員数や保有施設の削減等に取り組むことで経常経費の縮減を図る一方、徴収強化などにより市税等経常一般財源の確保に努めるものとする。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和2年度決算における人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額は、類似団体の平均値より約14,600円低い数値となっているが、全国平均や千葉県平均と比較するとそれぞれ34,000円から48,000円程度高い数値となっている。この主な要因は人件費によるものであるが、具体的にはごみ焼却施設やし尿処理施設、認定こども園等の施設運営を本市単独で行っていること、総合運動施設をはじめ公共施設の管理委託が進んでいないこと等により、人口規模に比して職員数が多いことが挙げられる。今後は、業務の民間委託の拡大や施設の統廃合などで人件費のコスト縮減を図る取組を行っていく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

本市における令和3年4月1日現在のラスパイレス指数は、100.2であり、全国平均を上回る水準となっている。この主な要因として、経験年数階層の変動及び国家公務員と比較し最高号給が大きい級があることが挙げられる。今後も引き続き、より一層の給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

本市における人口千人当たりの職員数は11.58人であり、類似団体平均と比較すると高い数値となっており、この要因としては、清掃センター、衛生センター及び総合運動施設など市の規模に比して本市単独での直営施設が多くなっていることが挙げられる。このため、燃やせるごみの共同処理や民間委託を進めているところであるが、引き続きごみ・し尿の収集業務や運動施設等の運営・維持管理業務への民間委託導入等を積極的に図りつつ、業務内容を精査し、可能なものは再任用職員や会計年度任用職員を活用する等、策定した定員管理適正化計画に基づき、職員削減を進め、適正な定員管理に努めていくこととしている。

実質公債費比率の分析欄

令和2年度決算における実質公債費比率は10.3%であり、元利償還金の額等が増となったものの、普通交付税の増等による標準財政規模の増等により、減少した。本市の実質公債費比率は、類似団体平均、全国平均及び千葉県平均のいずれよりも高く、類似団体平均比では約1.1%、全国平均及び千葉県平均との比較では約4.6%程度の差が開いている。義務教育施設の更新や公共施設の耐震化、長寿命化に取り組んできたものの、以前老朽化の進んでいる施設も多いことから、公共施設等総合管理計画をはじめ各個別施設計画に基づき、公共施設の統廃合を進めつつ、残存施設については、計画的に長寿命化を行うこと等により、起債額の抑制や平準化を図るとともに、交付税措置率の高い起債を選択する等により、負担軽減に努めていく。

将来負担比率の分析欄

令和2年度決算における将来負担比率は98.5%であり、前年度決算数値に比して6.6%の減となった。この要因として、普通交付税の増等による標準財政規模の増、財政調整基金等の充当可能財源の増などが挙げられる。本市の将来負担比率は、類似団体平均や全国平均、千葉県平均のいずれと比しても高い水準にあるが、これは退職手当組合負担金が高止まりしていること、過去に実施してきた施設整備等の事業財源に地方債を積極的に活用してきたことが主な要因となっているものである。今後は、公共施設等総合管理計画をはじめ各個別施設計画に基づき、公共施設の統廃合を進めつつ、不要資産は積極的に処分していく。残存施設については、計画的に長寿命化を行うこと等により、起債額の抑制や平準化を図る。合わせて、財政調整基金等の充当可能財源の適切な確保に努め、財政基盤の安定化を図っていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

本市の人件費は、ごみ焼却施設、し尿処理施設、総合運動施設などを本市単独の直営方式で運営していることから、類似団体等に比べ多い状況となっている。令和2年度数値については、会計年度任用職員制度施行に伴い、前年度比で1.5%増加している。人件費の削減には、施設の統廃合の実施、業務の民間委託、民営化の推進が必要となるため、これらの取組を進め、費用の抑制に努める。

物件費の分析欄

物件費の経常収支比率については、類似団体平均や全国平均、千葉県平均を下回っている状況である。令和2年度数値については、新型コロナウイルスの影響による事業の縮減等により前年度比で減少しており、5か年の推移では横ばいであるが、施設管理・運営業務等の民間委託の推進により増加が見込まれることから、事務事業の見直し等により効率化を図り、支出の抑制に努める。

扶助費の分析欄

扶助費の経常収支比率については、類似団体平均、全国平均、千葉県平均いずれと比較しても下回っている状況であるものの、国全体の社会保障経費の増大に伴い、老人福祉や児童福祉に係る扶助費等が年々増加しており、上昇が見込まれる。今後も適正な給付に努める。

その他の分析欄

その他の経常収支比率については、類似団体平均を0.7%上回っており、全国平均や千葉県平均を1~2%程度上回っている状況である。5か年の推移では横ばいであり、今後は高齢者の増加に伴う給付費等の増額に伴い、特別会計への繰出金の増加が見込まれる。

補助費等の分析欄

補助費等の経常収支比率については、類似団体平均よりは低い数値、全国平均との比較では同程度であるが、千葉県平均よりは高い数値となっている。適正かつ効果的な運用を図るため、補助金等の公益性や必要性などを再評価し、定期的な見直しを図ることが必要となる。

公債費の分析欄

本市の経常収支比率における公債費の比率は19%前後の高い水準で推移している。地方債を財源に、義務教育施設の更新や公共施設の耐震化、長寿命化に取り組んできたものの、以前老朽化の進んでいる施設も多いことから、公共施設等総合管理計画をはじめ各個別施設計画に基づき、公共施設公共施設の統廃合を進めつつ、残存施設については、計画的に長寿命化を行うこと等により、起債額の抑制や平準化に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率については、類似団体平均と全国平均より高く、千葉県平均を下回っている状況である。推移を見ると増加傾向となっており、これは委託料の増等による物件費の増加等によるものであるので、今後も歳出削減や市税の確保等に努め、財政の健全化を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

歳出決算総額のうち、構成比が30.2%と最も高い総務費の住民一人当たりのコストは195,957円となっている。前年と同様に類似団体を下回っているものの、全国平均や千葉県平均より高い数値となっており、過去4か年の推移は横ばいであったが、令和2年度は新型コロナウイルス感染症対策のための各種備品・消耗品や特別定額給付金に係る経費等により増となった。今後は、令和元年度以前と同程度の数値に戻る見込みであるが、自治体DX化を控え、数値の急増を招かぬよう配慮が必要である。また、衛生費について、令和2年度は類似団体、全国平均及び千葉県平均と比較し、高い数値となっている。新型コロナウイルス感染症対策に係る経費や市立病院建設のための病院事業会計繰出金の増加等によるものである。今後は、一般廃棄物中継施設や6市1町広域廃棄物処理事業に係る経費等により、増加することが予想される。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額の住民一人当たりのコストは648,428円であり、前年度の500,794円と比較し、147,634円の増となった。主な増要因として、特別定額給付金をはじめとする新型コロナ関連の給付金・補助金等による補助費等の増、令和元年台風第15号等により被災した施設等の修繕による災害復旧事業費の増、病院建設に係る経費を計上した投資及び出資金の増などがあげられる。類似団体平均との比較において、人件費、投資及び出資金以外の数値については全て下回っているが、歳出構成比の約17.3%を占める人件費については、住民一人当たり112,173円と、11,996円程度上回っており、全国平均、千葉県平均と比較しても約33,000~42,000円と大きく上回っている状況となっている。この要因として、職員数が多いことが挙げられるが、ごみ焼却施設、し尿処理施設等の清掃関連施設を市直営で運営していることに起因する。今後は施設の統廃合、直営施設の民営化などの取組を進め、人件費の削減に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

平成28年度から令和元年度まで実質単年度収支のマイナスが続き、財政調整基金の取崩しにより補てんしてきたため、基金残高が大きく減少した。なお、令和2年度については、新型コロナウイルス感染症の影響による事業の中止、縮減等により、一時的に単年度収支がプラスに転じた。しかし歳出規模が歳入規模を超過する状況は暫くの間続く見込みであり、この対策が急務である。特に、市町村合併により旧団体ごとに設置されている施設の公共施設等総合管理計画に沿った整理や施設管理経費の縮減対策を早急に実施するほか、財政健全化計画の見直しを行い、実施していくこととする。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

令和2年度は各会計とも黒字となったため、連結赤字比率の構成も全て黒字となっている。調査開始以来、いずれの会計においても赤字決算とはなっていないものの、それぞれが想定し難い要因により異なる結果となることを否定できないため、今後も各会計の状況を注視しながら、引き続き健全な財政状況を維持していく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度決算において、ごみ処理施設基幹的設備改良事業や地方道路等整備事業に係る元利償還金、組合に係る負担金の増を主な要因とし、実質公債費比率の分子は増となった。一方で、分母の標準財政規模は普通交付税の増等により増加し、実質公債費比率は10.3%となり前年度比で0.7ポイントの減となった。今後も地方債を発行する際に、地方交付税で措置されるものを優先するなど、実質公債費比率の増を招かぬよう努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度の将来負担比率算定における分子は、市立病院建替えによる公営企業債等繰入見込額の増があったものの、基準財政需要額算入見込額の増を主な要因として、減少した。なお、退職手当負担見込額は、過年度の支出超過に対する負担により、高い水準で支払が当面継続する。また、分母を構成する標準財政規模が普通交付税の増等により増加したため、将来負担比率は前年度比6.6ポイント減の98.5%となった。今後も財政調整基金等の適切な確保を図り、地方債を発行する際には地方交付税で措置されるものを優先するなど、将来負担比率の減少に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)令和2年度末の基金残高は、普通会計で約3,048百万円となっており、前年度から約99百万円の減少となっている。これは、財政調整基金残高が約148百万円増加した一方で、減債基金で約100百万円、地域振興基金で約102百万円など、市債の償還や病院事業会計への繰出財源としたことなど主な要因として、減少した。(今後の方針)自主財源の確保、歳出削減に取り組み、一定規模の財政調整基金を確保するよう努める。また、特定目的基金については主に寄付金を積み立てており、一部を除き増加を見込むことが難しいため、限られた残高を使途に応じて適切に活用していくこととする。

財政調整基金

(増減理由)令和2年度末の基金残高は、約862百万円となっており、前年度から約148百万円の増加となっている。社会保障関連費が年々増加を続けるなか、東日本大震災を契機とする公共施設や学校施設の耐震・大規模改修事業などの安全・安心なまちづくりに積極的に取り組んできた結果、本市の財政規模は拡大傾向にあり、合併算定替の段階的縮減期に入った平成27年度からは、財政調整基金を取り崩しながらの財政運営を余儀なくされており、このまま財政規模を縮減できなければ、基金の枯渇が懸念される。令和2年度においては、普通交付税の増等により積立が取崩しを上回ったため、約148百万円の積立を行うことができたことが増要因となっている。(今後の方針)財政調整基金は、災害等の想定外の支出等に備えるため、標準財政規模の10%以上を確保していくことが必要と考えられることから、令和5年度末において財政調整基金の残高を10億円以上確保することを目標としている。

減債基金

(増減理由)財源不足を補うべく、市債の償還財源として取崩しを行ったため、令和2年度末の基金残高は、約1百万円となっており、前年度から約100百万円の減少となっている。(今後の方針)本市では満期一括償還方式での借入れを行っていないため、現在積み上がっている基金は運用をしつつ、市債の償還財源として活用することとしている。

その他特定目的基金

(基金の使途)①地域振興基金:地域住民の連帯の強化及び地域振興に資すること②ふるさぽーと基金:市民福祉の向上と地域の活性化に資すること③教育振興基金:将来を担う子どもたちの教育に係る諸施策を促進し、広く教育の振興とその充実を図ること④三日月基金:高齢者福祉の増進、子どもたちの教育振興等、広く地域福祉の充実やまちづくりに資すること⑤まちづくり支援基金:市内の市民活動団体及び自治組織等が自主的かつ主体的に取り組むまちづくりの支援(増減理由)①病院事業会計への繰出財源としたことなどから、約102百万円の減となっている。②水道事業会計への繰出金や道路橋梁維持補修事業の財源としたことから、取崩額が積立額がを上回り、約62百万円の減となっている。③看護師等確保対策事業や図書・AV資料購入事業に活用したため、約14百万円の減となっている。④積立及び取崩しは行っていない。⑤市民活動に対する補助金の原資として活用したため、約0.5百万円の減となっているが、表示単位においての増減はない。(今後の方針)①基金の運用により積立を行いつつ、使途に応じ活用する。②ふるさと納税の推進を図り、積立を行いつつ、積極的に活用する。③使途に合致する事業の原資として、適切に活用する。④使途に合致する事業の原資として、適切に活用する。⑤使途に合致する事業の原資として、適切に活用する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は60.3%であり、類似団体内平均値とほぼ同水準にある。しかしながら、中には耐用年数を超過している施設もあり、こうした施設の老朽化対策が今後の課題である。今後は策定した公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画により、公共施設等の複合化、統合・再編等を進めるなど公共施設の適正管理に努める。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、令和元年度に台風災害等により基金を取り崩した結果、比率が大幅に増加した。令和2年度は、充当可能財源は微増、老朽化した病院の建替えのため、将来負担額が増加したことにより、令和元年度に比べ債務償還比率は減少した。しかしながら、1,035.3%と類似団体平均値と比べ、高い水準にある。財政状況が厳しい中、老朽化した公共施設等の更新を進めていくことが求められており、その財源として起債の活用が見込まれるが、過度な将来負担とならないよう、これまで以上に将来負担額、業務収入及び支出の適正化に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、平成30年度をもって鴨川市開発公社からの太海多目的公益用地買戻しが終了したことによりに一時的に減少に転じたものの、市立国保病院の建替えや一般廃棄物中継施設整備事業を実施していることから、当面は高い水準で推移することが予想される。また、有形固定資産減価償却率が60.3%と類似団体平均値とほぼ同水準であることを踏まえると、将来的に他団体と同水準の施設更新費用の発生が予想される。その財源としては起債の活用が見込まれるが、将来負担比率は類似団体内平均値との比較において依然として高い水準にあるため、過度な将来負担とならないよう十分に配慮するとともに、これまで以上に公債費の適正化や計画的な施設老朽化対策に取り組む予定である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は98.5%、実質公債費比率は10.3%と、類似団体と比較すると共に高い水準にある。実質公債費比率は平成29年度から平成30年度にかけて増加しているが、これは平成26年度に発行した大規模事業に係る地方債や臨時財政対策債の据置期間終了に伴い元金償還額が増えたこと等によるものである。財政状況が厳しい中、公共施設の更新等にあたっては起債の活用が見込まれるが、過度な将来負担とならないよう十分配慮しながら、これまで以上に公債費の適正化に取り組むとともに、計画的に施設の老朽化対策を進めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

施設類型別減価償却率では、類似団体平均値と比較し、学校施設、認定こども園等が低い割合となっている。これは、平成22年度に竣工した鴨川中学校をはじめ、近年行ってきた学校統廃合や耐震化事業に伴う校舎等の新増築、大規模改修によるものであり、認定こども園については、幼保統合による認定こども園化に伴う施設の改修によるものである。一方、学校施設の一人当たり面積は類似団体平均値と比べて高くなっている。これについては、施設の統廃合後、跡地施設の整理が進んでいないことによるものである。橋りょう・トンネルについては、類似団体平均値より高い水準にあることから、鴨川市公共施設等総合管理計画に基づく長寿命化計画を策定し、計画的に修繕を進めている。また、公営住宅については、類似団体平均値より約1.3倍高い水準にあり、老朽化が顕著であることから、市営住宅等長寿命化計画を策定し、団地毎に方針を決め、適正管理に努めている。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

施設類型別減価償却率では、類似団体平均値と比較し、福祉施設や市民会館が高い水準となっている。特に、市民会館は取得後40年が経過し、耐震性能の確保も難しいことなどから、平成30年度をもって休館とし、今後解体を予定している。当面は可能な限り、他の現有施設や地域の施設等を代用している。また、清掃センターの老朽化が顕著であることから、同様の状況にある周辺6市1町で新たな焼却施設を整備することとしており、その施設が稼働するまでの間は民間処理施設への外部拠出を予定している。それに併せて新施設及び民間処理施設への搬出の効率化を図るため一般廃棄物中継施設の整備を実施している。し尿処理施設についても老朽化が進んでおり、新施設の整備が必要な状況にある。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が2,075百万円の減少となった。この主な要因は有形固定資産の減価償却によるものであり、中でも道路、橋梁等のインフラ資産のエ作物において、既取得資産の減価償却累計額の増加額が取得額の増加額を上回ったこと等によるものである。資産総額に占める期末残高の割合では、インフラ資産の工作物が35.9%と最も大きく、次いで事業用資産の建物が19.6%、工作物が18.1%となっており、いずれも維持管理や更新等の将来的な支出が見込まれる。また、負債総額は128百万円の減少となった。主な要因は、地方債の償還額が新規発行額を上回ったことによるものである。今後も公共施設の更新等に伴い地方債の活用が見込まれるが、実質公債費比率は10.3%、将来負担比率は98.5%と類似団体と比較すると既に高い水準にあり、純資産比率も64.5%であることから、過度の将来負担とならないよう十分に配慮しつつ、計画的に今後の公共施設等の適正管理を進めていく。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、業務費用が対前年度比139百万円増の9,393百万円、移転費用が対前年度比4,332百万円増の10,695百万円、これらを合わせた経常費用は20,088百万円となり、純行政コストにおいても対前年度比4,728百万円増の19,376百万円となった。この主な要因は、移転費用における特別定額給付金給付事業による増加である。その他、新型コロナウイルス感染症対策経費、令和元年台風災害関連の補助金及び病院建替えに伴う病院事業会計への繰出金等が増加の要因として挙げられる。財源となる税収等、国県等補助金も増加しているが、純行政コストはそれを上回る増加となり、行政コスト対税収等比率が100%を超える結果となっており、義務的な経費である職員給与費、減価償却費、社会保障給付においても経常費用の39.7%を占めていることから計画に基づく職員の定員適正化に努めるとともに、より一層の事業見直しを進め、経費の削減・抑制を図っていく。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等では、純行政コストが19,376百万円だったのに対し、その財源となる税収等が10,527百万円、国県等補助金が7,106百万円にとどまり、本年度差額が△1,743百万円となったことから、純資産額は1,946百万円の減少となり、行政コスト対税収等比率も100%を超える結果となった。ふるさと納税の推進などの自主財源の確保に努めるとともに、事業見直し等により行政コストの抑制を図る。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は899百万円であり、投資活動収支は市道具渚大里線関連の工事や(仮称)小湊さとうみ学校整備等の公共施設等整備により△888百万円となった。また、地方債の償還額が3,107百万円だったのに対し、新規発行による収入は3,029百万円だったため、財務活動収支は△82百万円となり、本年度資金収支額は△71百万円となった。本年度末歳計外現金は微増となったため、本年度末現金預金残高は70百万円の減少となった。地方債の償還は進んでおり、基礎的財政収支もプラスではあるが、支払利息支出や基金積立・取崩を含めた収支では現金預金を取り崩している状況であり、全体会計においても、病院建替えに伴う投資活動支出が大幅に増加したことから基礎的財政収支がマイナスとなっている。こうした状況から脱却を図るため、ふるさと納税の推進などの自主財源の確保に努めるとともに、事業の見直しや公共施設の統廃合等を進め、支出の抑制に努める。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額では、類似団体平均値をやや下回っている。一方で、有形固定資産減価償却率はほぼ同水準となっていることから、類似団体と比較して、土地等の非償却資産や流動資産が少ないものと考えられる。これらの要因としては、病院建替えに伴う病院事業会計への繰出金を主な充当先とした基金の取り崩し等が挙げられる。固定資産においては、築30年以上経過している建物が約7割と施設の老朽化が顕著である。今後、公共施設の更新等による支出が類似団体と同じ水準で発生することが見込まれ、令和2年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の複合化、統合・再編等を進めるなど公共施設の適正管理に努めることにより支出抑制を図り、現金預金や財政調整基金といった流動資産の確保する必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率が類似団体平均値をやや下回っているため、資産形成に係るこれまでの世代の負担割合は類似団体よりやや低いが、将来世代負担比率は同水準となっているため、公共施設等の整備に係る負担については、類似団体と同程度に将来世代が負担することとなっている。しかし、純行政コストが税収等の財源を上回り、資産を取り崩している結果となっているため、将来に向け計画に基づく職員の定員適正化などにより経常費用の削減を図っていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

令和2年度は特別定額給付金、その他新型コロナウイルス感染症対策経費、令和元年台風災害関連の補助金及び病院建替えに伴う病院事業会計への繰出金などにより純行政コストが大幅に増加した。住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を大きく下回っているが、純資産比率や将来世代負担比率では類似団体と大きな乖離が無い。これは、厳しい財政状況の中、公共施設等の更新や長寿命化に資する事業を優先して実施したため、結果として修繕など資産に係る経費が抑えられたこと等によるものと考えられる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は平均値と同水準である。基礎的財政収支は、下回っているが、将来世代負担比率が同水準であることを鑑みると、類似団体に比べ業務活動収支が下回っていることが考えられる。今後は、業務活動収支を増加させるため、市税の確保やふるさと納税の推進など自主財源の確保に努めるとともに、人件費や物件費等の支出の抑制に努めていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率については、類似団体平均値の約1.5倍となっている。年々、経常費用が増加していることから、今後は、厳しい財政状況の中、経常収益の向上に努めると共に、老朽化の進む公共施設の維持補修費等により増加の見込まれる支出の抑制を図っていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,