経営の健全性・効率性について
本市の工業用水道事業は、平成22年3月23日旧城南町との合併により引き継がれました。平成6年に分譲が開始され、平成10年度から入地が始まり、現在10社に供給しております。規模が非常に小さいため、効率化を進めるには限界がある状態です。①経常収支比率は、100%以上を維持し、単年度収支は黒字で推移しています。②累積欠損金率は、0%を示しており、健全な経営状況であるといえます。③流動比率は、機械器具を購入したため減少しておりますが、依然として100%を上回っており、十分な支払い能力がある状態です。④企業債残高対給水収益比率は22%で類似団体平均値を大幅に下回っています。⑤料金回収率は100%を超えており、料金収入のみで給水に係る費用を賄えています。⑥給水原価は類似団体平均値を下回っており、今後も効率的な経営に努めていきます。⑦施設利用率は、工業団地において未分譲地があるため、配水量の伸び悩みにより類似団体平均値より低く推移しています。⑧契約率は、施設利用率と同様に、工業団地の未分譲地があるため、契約水量の伸び悩みにより類似団体平均値より低く推移しています。
老朽化の状況について
施設及び管路は、平成5年度以降に整備を行っているため、ほとんどの資産が法定耐用年数を超過していません。①有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値よりも低く推移しています。②管路経年化率、③管路更新率については、法定耐用年数を迎える管路がないため、更新を行っていません。
全体総括
給水事業所数が減少したものの、有収水量の増加により料金収入が増加し、維持管理費等の費用を賄うことができたため、一般会計からの繰り入れを受けることなく、純利益を計上することができました。今後も工業用水道を活用する企業の誘致について、引き続き関係部局との連携を図りながら、令和2年度から実施している「熊本市上下水道事業経営戦略」に則った事業運営に取り組んでいます。