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2011年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2020年度)
財政力
財政力指数の分析欄
本町は、進行する人口減少や全国数値を上回る高齢化率に加え、町内に産業の中心となる大規模事業者が極めて少ないこと等により、財政基盤が弱く、全国平均・県平均・類似団体平均のいずれをも下回る状況が続いている。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって日常生活・経済活動に制限が掛かる中、所得税、法人税割ともに微減となった。新築家屋の建築等により令和元年度に引き続き、固定資産税が増加したものの、今後、税収の大幅な増加は見込めないため、定員適正化計画等に基づく人件費の抑制、行政改革による物件費・補助費等の削減によって歳出の抑制を行うとともに、徴収専門員を中心とした徴収強化対策の実施による歳入の確保に努めることで、財政運営における健全性の確保を図る。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経常経費充当一般財源等は、物件費充当分、扶助費充当分が合計約2,400万円減少したものの、人件費充当分が約4億1,300万円と大きく増加し、全体では約3億6,700万円の増加となった。経常一般財源等では、町税が約2,500万円増加、地方消費税交付金が約6,600万円増加、普通交付税が約6,300万円増加するなど、経常一般財源等総額は前年度比で約1億1,800万円の増加となったものの、分子となる経常経費充当一般財源の増加幅が大きく、経常収支比率は3.9ポイント増加し、類似団体内平均値を5.6%上回る結果となった。主要因としては、会計年度任用職員制度の導入に伴う計上科目の変更によるものと考えられ、定員適正化計画に基づく人件費の抑制等を通じて義務的経費の抑制を図り、現在の水準を下回るよう努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
令和2年度は、児童・生徒用タブレットPCの購入など備品購入費や委託料が増加するも、物件費総額は約1億8,000万円の減となった。しかしながら、人件費の増加に加え、人口が165人減少したことで、人口1人あたり数値は23,036円の増加となった。これまで、定員適正化等により人件費を中心とする歳出抑制の取組を実行してきたものの、保育所数が多いこと(全て直営)等が影響し、人件費が類似団体に比べて以前から高い状況となっている。また、合併団体である本町は、非合併団体に比べて保有する施設量が多く、これまで保育所や学校の統廃合を着実に実行してきたものの、統廃合によって使用しなくなった空き施設を新たな事業に活用していることもあって、施設保有量の適正化による物件費の圧縮を十分に行うことができていない状況と言える。今後は、職員数の適正化等による人件費の抑制の取組をさらに推進するとともに、公共施設の適量化等による維持管理経費の抑制にも努めていく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
民生関係(保育所関係)の職員数の多さ等が影響し、人件費総額としては類似団体に比べて高い状況にはあるものの、給与水準の抑制を行っていることから、ラスパイレス指数は全国町村平均・類似団体平均のいずれをも下回る状況が続いている。職員数の抑制と併せて給与水準の適正化を今後も継続して推進し、人件費の抑制に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
本町は、町内に私立保育所が無く、直営の保育所数が多いこと(全て直営)等が影響して、他団体と比べて人口1,000人当たりの職員数が多い状況が続いている。過去、定員適正化計画に基づく職員数の削減を着実に行ってきたことにより、平成27年度には類似団体との差が0.74人まで縮まったが、その後は人口減少進行の影響を受け、人口1,000人当たりの数値としては2人程度の差がある状況が続いている。今後も、定員適正化計画に基づく職員数の適正化を継続して行うとともに、業務の効率化や機構改革、民間委託の推進を積極的に行い、人件費の抑制に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
令和2年度における元金償還本格化の影響は少なく、元利償還金が減少するとともに、上下水道特別会計の元利償還金が減少した影響により「公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還の財源に充てたと認められる繰入金」も減少となった。標準税収入額等は前年度より増加し、普通交付税等も増加したことで、標準財政規模が増加となった。全体としては、令和2年度の単年度数値が前年度比で減少したが、3ヵ年平均は0.1ポイントの増加となった。基準財政需要額への算入率が高い地方債が多いこと等が影響して、実質公債比率は近年横ばい状況にあるものの、近年実施した大型建設事業の地方債償還の本格化等の影響を受けるため、引き続き、適正かつ計画的な建設事業の実施とより有利な地方債の活用等により、実質公債比率の抑制に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
令和2年度は前年度に比べて建設事業費が増加し、地方債発行額が地方債償還額を上回ったため、地方債の現在高が増加したが、公営企業債残高の着実な減少等により、公営企業債等繰入見込額」が大きく減少した。また、退職手当負担見込額も減少となった。将来負担額全体では、約3億3千万円減少した一方、充当可能財源等が約4億8千万円と大きく減少し、比率は2.5ポイントの増加となった。比率が類似団体を上回る水準となっており、今後も職員数の適正化を継続して行うほか、建設事業においては適正かつ計画的な実施と地方財源措置の高い地方債の活用を行い、将来負担比率の抑制に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)
人件費
人件費の分析欄
これまで、定員適正化計画に基づく職員数の削減を着実に実施し、人件費抑制の取組を推進してきたところである。令和2年度は、普通会計ベースで任期に定めのない常勤職員数は減少し、職員の若年化等による影響で前年度比で減少したものの、会計年度任用職員制度の導入により、人件費全体が大きく増加した。本町は、町内に私立保育所が無く、類似団体に比して直営の保育所数が多い(全て直営)ため、人件費総額は類似団体と比べて高い状況となっており、今後も職員数の適正化等を行うとともに、民間委託の推進について検討を行い、人件費の抑制を図っていく。
物件費
物件費の分析欄
全国平均・鳥取県平均・類似団体平均のいずれも下回る状況が続いてはいるものの、合併団体である本町は、非合併団体に比べて保有する施設量が多いことが特徴となっている。これまで保育所や学校の統廃合を着実に実行してきたものの、新たな行政需要に対応するため統廃合によって使用しなくなった空き施設を活用してきたこともあって、施設保有量の適正化による物件費の圧縮を十分に行うことができていない状況にある。今後も継続した歳出抑制の取組を進めるとともに、公共施設の適量化による維持経費の抑制に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
補助事業では生活保護費(本町は福祉事務所設置町村)や自立支援事業費等の社会福祉費が、単独事業では医療費助成等の社会福祉費が類似団体と比較して高い状況となっている。扶助費については、法令等に基づく給付を確実に行う一方で、生活困窮者自立支援等の総合的支援や相談・啓発による未然防止対策等を推進することにより、近年増加傾向にある給付費の抑制に努める。
その他
その他の分析欄
他団体平均のいずれをも上回る状況が続いているが、本町は人口密度が低く、特に下水道事業の経営において収益性が低い地域であるため、公営企業会計への多額の繰出金支出がその要因として考えられる。今後、公営企業会計の公債費が増加する要素もないため、繰出金支出は抑制されるものと見込まれるものの、下水道の電気・機械設備更新事業の計画的な実施や下水道事業全体の施設統廃合による維持補修費の抑制を通じて、繰出金の圧縮を図るとともに、公共施設の適正かつ効率的な管理により、維持補修費の抑制に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
全国平均・鳥取県平均・類似団体平均のいずれの数値も下回る状況が続いているものの、特に民生関係や農林水産業関係において、単独で実施している補助交付金の水準が低いとは言えない状況にあるため、町単独の補助事業や国・県補助事業における嵩上げについて、行政としての本来の役割を十分に考慮した補助制度の見直し等を行い、補助費等の削減に努める。
公債費
公債費の分析欄
ほぼ横ばいの状況が続いているが、近年実施した学校・保育所適正配置に伴う施設整備事業等の大型建設事業に係る地方債償還が本格化することでの増加が予想される。今後も学校施設大規模改修等の大型事業の実施を予定していることから、引き続き、適正で計画的な施設整備事業の実施と地方財政措置の高い地方債の活用等を行い、将来実質負担額の抑制に努めるとともに、保有施設の適量化による更新経費の抑制を図り、公債費の圧縮に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外では、人件費・扶助費をはじめ、多くの費目で比率が増加し、前年度と比較して4.3ポイントの増加となった。特に令和2年度の人件費や扶助費については、類似団体平均を大きく下回っており、今後更なる抑制対策が必要となってくるため、職員数の適正化等による人件費の抑制を図るとともに、扶助費については生活困窮者が自立して生活するための総合的支援の実施等により給付費の抑制に努める。また今後も、公共施設の適量化等による物件費・維持補修費の抑制、補助制度の見直しによる補助費等の抑制に継続的に取り組む。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
目的別歳出の分析欄
○民生費の住民一人当たり決算額は全国平均・県平均・類似団体平均のいずれをも大きく上回る状況が続いているが、直営保育所数の多さ(全て直営)が大きな影響を与えており、民生部門において人件費や施設維持費等の物件費が多いことが大きな要因として考えられる。今後も、定員適正化計画に基づく職員数の適正化等を行い、人件費の抑制を図る。○農林水産業費が他団体平均のいずれをも上回っているのは、本町の面積の大部分を田畑や森林が占めており、農林業が主要な産業となっていることが一つの要因として考えられる。また、農業集落排水の繰出金が高い水準にあることも一つの要因として挙げられ、人口密度が低く下水道事業の経営において収益性が低い地域ではあるものの、公共下水道を含めた下水道事業全体の施設統廃合等による維持・更新経費の抑制を通じて、繰出金の抑制を図る。○教育費については、平成29年を除いたそれ以外の年度において、学校統廃合に伴う校舎整備や空調設備の新設等の臨時的事業を実施しており、全国平均・県平均水準を上回る状況となっている。○公債費の住民一人あたり決算額が全国平均・県平均・類似団体平均のいずれをも上回っているのは、人口密度の低さも要因として挙げられるが、財政力の低い本町が合併後の施設統廃合や新しいまちづくりに係る建設事業を着実に行うためには、その財源として地方債を活用せざるを得ないことが大きな要因である。今後も建設事業の実施に当たっては適正かつ計画的な実施に努めるとともに、地方財源措置の高い地方債の活用を行い、実質将来負担の抑制に努めるとともに、公共施設の保有量の適正化をさらに推進し、公債費や維持管理費の圧縮を図る。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
性質別歳出の分析欄
○人件費の住民一人当たり決算額は全国平均・県平均・類似団体平均のいずれをも上回る状況が続いているが、本町は中山間・過疎地域で人口密度が全国水準よりかなり低く、住民一人あたりの職員数が多いこと、また、保育所数が多く(全て直営)、民生部門の職員数が類似団体と比較して多いことが要因として考えられる。今後も、定員適正化計画に基づく職員数の適正化等を行い、人件費の抑制を図る。○物件費の住民一人当たり決算額についても全国平均・県平均・類似団体平均のいずれをも上回る状況が継続しているが、これは保有する施設量が多く、物件費の圧縮を十分に行うことができていないことが影響を与えている。○普通建設事業費については、適正かつ計画的な建設事業の実施により、合併後の施設統廃合関連の事業費が多い平成28年度や平成30年度を除けば、類似団体と同程度の水準に抑制することができている。○公債費の住民一人あたり決算額が全国平均・県平均・類似団体平均のいずれをも上回っているのは、財政力の低い本町が合併後の施設統廃合や新しいまちづくりに係る建設事業を着実に行うためには、その財源として地方債を活用せざるを得ないことが大きな要因である。今後も建設事業の実施に当たっては適正かつ計画的な実施に努めるとともに、地方財源措置の高い地方債の活用を行い、実質的な将来負担の抑制に努める。○繰出金については他団体平均のいずれをも上回っているが、本町は人口密度が低く、特に下水道事業の経営において収益性が低い地域であるため、公営企業会計への多額の繰出金支出が影響していると考えられる。今後は、下水道施設の更新事業の計画的な実施とともに、農業集落排水を含めた下水道事業全体の施設統廃合による維持・更新経費の抑制を通じて、繰出金の抑制に努める。
実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)
分析欄令和2年度は普通交付税の増加や職員数の適正化や職員の若年化等による人件費の抑制等により、実質収支は前年度比で1.42ポイントの増加となった。平成30年度は、学校の空調設備整備事業や災害復旧事業の実施により大規模な一般財源不足が生じ、翌令和元年度とともに実質単年度収支がマイナスに転じたが、令和2年度は、前年度比で4.71ポイント改善し、1.70%まで持ち直してきている。今後、社会保障経費の増大や公共施設の老朽化対策の実施等に伴う歳出の増大に備えるため、職員数の適正化等による人件費の抑制や、公共施設の適量化による維持・更新経費の抑制、また、相談・支援体制の充実等の総合的な対策による扶助費の抑制に努める。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)
分析欄一般会計では、交付税の増加や職員数の適正化や職員の若年化による人件費の抑制等により、前年度を上回る水準で黒字を維持している。介護保険特別会計においては、介護給付費が年々増加傾向にあったことから、財政基盤の強化を図るため平成27年度に介護保険料の見直しを行ったところであるが、これによって給付に対する保険料水準の適正化を図ることができ、令和2年度も黒字を維持することができている。また、全ての会計において、前年度と同様に令和2年度も黒字を維持している。令和3年度以降においても、職員数の適正化による人件費の抑制や、維持補修費・扶助費等の経常経費の抑制に努めていく必要がある。また、公共下水道・農業集落排水の各特別会計においては、人口密度の低さによる収益性の低さ等の影響で一般会計から多額の繰出金を支出しているため、長寿命化事業・統廃合事業による施設の更新経費・維持管理経費等の歳出の抑制に努めるとともに、料金水準の見直しによる歳入の確保を図る必要がある。
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実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄令和2年度はこれまでに実施した大型建設事業に係る地方債償還の本格化の影響も少なく、元利償還金が減少したほか、公営企業会計の公債費の減少等に伴って公営企業債元利償還金に対する繰出額も減少した。算入公債費等は、後年度の基準財政需要額に100%算入される臨時財政対策債の地方債償還全体に占めるウエイトが高いこと等が影響して高水準を維持しているものの、地方債元利償還金の減少に比例して前年度比では減少した。今後は、近年実施した大型建設事業に係る地方債償還の本格化等の影響で元利償還金が増加すると見込まれるため、引き続き適正かつ計画的な施設整備事業の実施を行い、実質公債比率の抑制に努めるとともに、公共施設の適量化に伴う更新経費の抑制を図り、公債費の圧縮に努める
分析欄:減債基金該当なし
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将来負担比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄退職者数と新規採用数の調整等による在職職員数の抑制や職員の若年化によって、退職手当負担見込額が減少したほか、公営企業会計地方債残高の減少により公営企業債等繰入見込額も減少した。また、令和2年度は大型建設事業が多く(可燃物処理場建設負担金等)、地方債発行額が地方債元金償還額を上回り、一般会計等に係る地方債残高が増加したものの、将来負担額全体では減少した。一方で、公営企業債の減少に比例して基準財政需要額算入見込額が大幅に減少したため、充当可能財源等も大きく減少したことで、将来負担比率は若干増加する結果となった。今後も職員数の適正化を行うほか、建設事業においては適正かつ計画的な実施と地方財源措置の高い地方債の活用を行い、実質的な将来負担額の抑制に努めるとともに、公共施設の適量化に伴う更新経費の抑制により、地方債残高の圧縮を図る
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基金残高に係る経年分析(2020年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)これまでは、人件費の抑制や経費節減等により生まれた決算剰余金等を活用し、財政調整基金や減債基金への着実な積立てを行うことができていたものの、令和元年度は普通交付税の減少等が影響して財政調整基金で1億円の取崩しを行ったため、財政調整基金・減債基金ともに基金利子を活用した積立てを行うにとどまった。令和2年度は基金取崩しを行わなかったものの、引き続き厳しい財政状況により、財政調整基金・減債基金ともに基金利子を活用した積立てを行うにとどまった。その他特定目的基金においては、各基金において基金利子分を中心とした積立てを行ったほか、今後実施する学校施設の建設事業の財源に充てるために設置している学校教育施設整備基金においては、令和3年度以降の学校施設建設事業の実施による活用を予定してる。基金全体としては、令和2年度は約6,900万円の増加となった。(今後の方針)今後は、合併算定替特例措置の終了(令和2年度)に伴う普通交付税の減少や公共施設の老朽化対策に係る経費の増大等による財源不足が予想されるため、中長期的には財政調整基金や減債基金が減少し、基金全体の残高も減少していく見込みである。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)普通交付税における合併算定替特例措置の終了や今後の公共施設等の老朽化対策に係る経費の増大等による財源不足に備えることを目的として、これまで人件費の抑制や経費節減等により生まれた決算剰余金等を活用した積立てを着実に行ってきたため、平成29年度末の基金残高は37億3,900万円となった。平成30年度は、学校の空調設備整備事業や災害復旧事業などの実施に伴う一般財源不足に対応すべく3億5千万円という大規模な取崩しを行ったため、基金残高は前年度末から約3億4,800万円の減少となった。また、令和元年度は、普通交付税の減少等による一般財源不足に対応するため1億円の取崩しを行い、基金残高は前年度末から約9,800万円減少したが、令和2年度は取崩しを行うことなく、基金利子を活用した積立てを行うことで基金残高は32億9,500万円となった。(今後の方針)今後は、普通交付税の合併算定替特例措置の終了や公共施設等の老朽化対策に係る経費の増大等による財源不足が予想されるため、中長期的には基金残高は減少していく見込みである。人件費の抑制等の行政改革をさらに推進し、今後の各年度における決算状況を踏まえ、可能な範囲での積立てを行うことにより、標準財政規模の20%程度を目安に基金残高の維持に努めることとしている。
減債基金
減債基金
(増減理由)普通交付税の合併算定替特例措置の終了や社会保障経費の増大等による町債償還財源の不足に備えることを目的として、これまで人件費の抑制や経費節減等により生まれた決算剰余金等を活用した積立てを行ってきたため、平成29年度末の基金残高は8億5,200万円となった。しかし、平成30年度からは厳しい財政状況が続いたことで、基金利子を活用した積立てを行うにとどまり、令和2年度の基金残高は8億5,300万円で前年度末から約60万円の増加となった。(今後の方針)今後は、普通交付税の合併算定替特例措置の終了等による町債償還財源の不足が予想されるため、中長期的には基金残高は減少していく見込みである。人件費の抑制等の行政改革をさらに推進し、今後の各年度における決算状況を踏まえ、可能な範囲での積立てを行うこととしている。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)【まちづくり基金】合併後の新しいまちづくりの振興と均衡ある地域の発展を図るための施策の推進。【学校教育施設整備基金】学校教育施設の整備に必要な財源に充当。(平成30年度設置)【過疎地域活性化基金】過疎地域における住民の日常的な移動のための交通手段の確保、集落の維持及び活性化その他住民が将来にわたり安全に安心して暮らすことができる地域社会を実現するための施策の推進。【ふるさと活性化基金】ふるさと納税寄附者の社会的投資を具体化するための住民との協働のまちづくり(①生活安全、②健康・福祉、③コミュニティ、④環境保全、⑤農林水産業、⑥商工業、⑦教育・文化、⑧若桜鉄道運行、⑨その他必要と認める特定の事業)の推進。(増減理由)【まちづくり基金】これまで合併特例事業債を活用した積立てを行ってきたが、基金積立額の上限である標準基金規模の5割増までの積立てが完了しているため、近年は基金利子を活用した積立てのみを行っている。また、事業実施における基金活用も行っていないため、基金残高に大きな増減はない。【学校教育施設整備基金】平成30年度は、旧学校施設の転用(利活用)による補助金等の財産処分に伴い、2億4,900万円の積立てを行った。また、令和元年度も旧学校施設の転用による補助金等財産処分に伴って約220万円の積立てを行っており、令和2年度は基金利子を活用した積立てを行った。【過疎地域活性化基金】近年は基金を活用した積立てのみを行っており、事業実施における基金活用も行っていないため、基金残高に大きな増減はない。【ふるさと活性化基金】各年度において各分野の事業への基金活用を行っているものの、ふるさと納税額の増加に伴って、近年は基金残高も増加している。(今後の方針)【まちづくり基金】合併特例事業債の発行可能年限が令和6年度に延長されたこともあって、今後数年間は本基金を活用する予定はない。【学校教育施設整備基金】今後、小学校の大規模改修事業の実施を予定していることから、本事業に活用する予定である。【過疎地域活性化基金】過疎地域の活性化のための施策の実施においては、過疎対策事業債(ソフト分)を財源として行っていく予定ではあるが、今後、各年度に実施する事業費が増大する場合には、本基金を活用する予定である。【ふるさと活性化基金】ふるさと納税額の増減に応じて、各分野の事業への活用を行っていく予定である。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
令和2年度は前年度から1.5ポイント増加して67.9%に上昇し、数値は類似団体より若干高い水準にあり、かつ年々増加傾向にある。有形固定資産全体において、法定耐用年数に対して資産取得から6割超の年数が既に経過し、7割に迫る勢いであり、施設の老朽化が確実かつ継続的に進行している状況にあるといえる。今後、継続して使用する施設については適時・適切なメンテナンスや計画的な改修・長寿命化・更新を行うとともに、集約・有効活用・除却等による施設保有量の適正化にも併せて取り組んでいく必要がある。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還に充当できる一般財源に対する実質債務の比率を表す債務償還比率は、前年度比で49.6ポイントと昨年度に引き続き、大きく増加したことで、類似団体より高い水準に転じた。決算剰余金を活用した財政調整基金等への着実な積立てや職員数削減による退職手当負担見込額の減少等、これまでの取り組みによる実質債務の抑制を図っているが、人件費や物件費の住民一人当たりのコストは類似団体に比べて高い傾向あることからも、人件費の抑制や事務事業の見直し等に引き続き取り組むとともに、適正かつ計画的な施設整備の実施による地方債の発行抑制に取り組み、財政の持続可能性の確保を図っていく。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は、近年着実に減少して類似団体内平均値以下もしくは同程度と低い状態が継続している。これは、定員管理計画に基づく職員数削減による退職手当負担見込額の減少や、公営企業会計の地方債残高の減少による公営企業債等繰入見込額の減少などの影響で将来負担額が減少していること、また、決算剰余金を活用した財政調整基金等への着実な積立てによる充当可能基金の増加で充当可能財源等が増加していることなどが要因として挙げられる。一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を上回り、その数値jは7割に迫る勢いであり、施設の老朽化が確実に進行している状況にあるため、適時適切な改修・長寿命化・更新に取り組んでいく必要がある。これまで、学校・保育所の施設統廃合によってできた空き施設やその他の既存施設を活用した施設整備事業や施設の除却に取り組み、財政負担の抑制を図ってきたところであるが、今後も施設の集約・有効活用・除却等による保有量の適正化を行っていく必要がある。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は、職員数の削減による退職手当負担見込額の減少や公営企業会計の地方債残高の減少による公営企業債等繰入見込額の減少、また、決算剰余金を活用した財政調整基金等への着実な積立てによる充当可能基金の増加等によって近年着実に減少し、低水準を維持している。一方、実質公債費比率は、合併算定替特例措置の段階的縮減による普通交付税の減少等の影響でH29年度から増加しており、R1年度からは類似団体内平均値を上回っている。公営企業会計の公債費は増加しておらず公営企業債元利償還金に対する繰出額が抑制されており、また、後年度の基準財政需要額に100%算入される臨時財政対策債の地方債償還全体に占める割合が高いこと等により算入公債費等の割合は高い水準を維持していることから、今後、実質公債費比率も低水準で推移すること見込まれるが、引き続き、適正かつ計画的な施設整備の実施に努め、実質公債費比率の抑制を図っていく必要がある。
施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、「橋りょう・トンネル」、「公営住宅」、「児童館」、「公民館」である。特に「公営住宅」は、令和2年度数値が前年度から1.0ポイント増加して94.1%となっており、類似団体内平均値と比較して27.1%も高く、施設の老朽化がかなり進行していることから令和3年度から改修事業に着手する。また、「児童館」については施設数や人口一人当たり面積は少ないものの、数値が90%を超える高い水準であり、今後、当該施設の使用状況等に応じた対策を講じる予定である。「橋りょう・トンネル」については、令和2年度の有形固定資産減価償却率が73.7%で類似団体内平均値と比較して11.7%高く、また、一人当たり有形固定資産(償却資産)額も高いことから、適時・適正で計画的な改修・長寿命化等を図っていく必要がある。「認定こども園・幼稚園・保育所」については、近年、有形固定資産償却率が類似団体に比べて低い水準にあるが、保育サービスの充実と施設の老朽化対策を推進するため、これまで保育所の適正配置に伴う施設整備事業(新増築)を年次計画的に実施してきた結果であり、令和2年度の数値は、類似団体内平均値を32.4ポイントも下回っている。一方で人口一人当たり面積は、令和2年度数値が0.392㎡で類似団体内平均値を0.143㎡上回っており、これは「行政サービスを提供する資産が多い」という反面で「維持管理や施設更新に係る経費負担も大きい」ということを意味しており、今後は予防保全も踏まえた適切な維持管理を行い、将来負担の軽減・抑制を図っていく必要がある。
施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)
施設情報の分析欄
ほとんどの類型において、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値と同程度か下回っているものの、「庁舎」については、令和2年度数値が70.1%で類似団体内平均値を19.5ポイント上回っている。既存施設の有効活用による財政負担の抑制、また、防災拠点としての機能維持や災害リスクの分散化等を図るため、合併以前に建設した旧3町の役場庁舎を現在も使用し続けていることが大きな要因として挙げられる。また、前年度と比較して数値が1.5ポイント増加していることから、施設の老朽化がさらに進んでいる状況にあるため、施設の改修・長寿命化・更新等の実施など将来的な対策について今後早急に検討を行っていく必要がある。「体育館・プール」、「保健センター・保健所」については、一人当たり面積が類似団体内平均値を上回っおり、これらの施設については合併以後、施設の統廃合を行っておらず、現在も継続して使用していることがその要因として考えられる。「体育館・プール」については、施設の利用状況に応じて除却の実施を検討しているものもあり、今後、必要性に応じた施設保有量の適正化に取り組んでいく予定である。「保健センター・保健所」は町民生活との密接度が高い施設であるため、各地域における必要性も非常に高い施設であるといえ、特に、比較的人口密度の低い本町にとっては一人当たり面積が他の団体に比べて高くなる傾向にあるものと考えられる。しかしながら、本町の「保健センター」は施設として規模が大きく、今後は、そのスペースや機能が十分に活用されているかどうか検証を行うなど施設の有効的な利用を進めていく必要がある。
財務書類に関する情報①(2020年度)
1.資産・負債の状況
○一般会計等においては、資産が前年度から9億9千4百万円余り減少した。資産全体に占める割合が高いものは有形固定資産(インフラ資産・事業用資産・物品)であるが、令和2年度は小中学校トイレ等大規模改修事業をはじめ、地域福祉施設改修事業や道路・橋梁の改良・長寿命化事業等の建設事業の実施により一定程度の資産の増加があったものの、合併団体である本町は保有するインフラ資産・事業用資産が非合併団体に比べて多く、減価償却による資産の減少が資産取得額を大きく上回ったことから、資産の額は令和元年度に引き続いて大幅に減少した。負債については、前年度から4億3千3百万円余り増加した。負債全体に占める割合が高いものは地方債であるが、令和2年度は前年度を上回る建設事業の実施により地方債発行額が地方債償還額を大きく上回り、負債の額が増加したものである。一般会計等に水道事業会計や下水道事業会計等を加えた全体については、ほとんどの水道管・下水道管が耐用年数を迎えていない本町では管路の更新事業費が僅少であるため、一般会計等と同様に減価償却による資産減少が資産取得額を大きく上回って資産の額は前年度比で15億2千2百万円余り減少し、令和元年度に引き続いて大幅な減少となった。負債については、地方債償還額が地方債発行額を上回り、前年度比で約5億円の減少となった。○資産全体に占める有形固定資産の令和2年度の割合は、一般会計等が84.3%、全体が87.3%となっており、近年高い水準で推移している。有形固定資産は、住民に行政サービスを提供する資源であると同時に、将来の財政的負担(維持管理・更新等の経費)を伴うものであることから、公共施設等適正管理計画等に基づき、施設の適正管理と適量化を引き続き進めていく必要がある。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、純経常行政コストが前年度比で約22億8千5百万円と大きく増加しており、新型コロナウイルス感染症対策費に係る補助金等の増加が主な要因となっている。全体の純経常行政コストは、前年度比で23億4千3百万円余り増加した。一般会計等と同様に補助費等は増加したものの、維持補修費や物件費は減少している。○経常費全体に占める社会保障給付の割合は、一般会計等が9.9%であるのに対し、全体では27.7%となっており、医療・介護保険事業における給付費(社会保障給付)の大きさが数値として表れている。○令和2年度の純行政コストは、災害復旧事業費が皆減したが、新型コロナウイルス感染症対策関連経費の増加により、一般会計等全体ともに前年度より大きく増加している。○経常費用に占める割合が大きい費目をみてみると、一般会計等では補助金等(27.5%)、物件費(17.1%)、減価償却費(17.1%)となっており、令和元年度に引き続いて多くの有形固定資産を保有していることの影響が数値として表れている。全体では、割合が多い順に社会保障給付(27.7%)、補助金等(25.1%)、減価償却費(16.6%)となっており、医療・介護事業の給付費の大きさや上下水道事業における有形固定資産の保有量の多さが表れている。また、経常費用に占める経常収益の割合をみると、一般会計等で1.7%、全体では4.3%となっており、経常費用の大部分を受益者負担以外の収入(地方税・地方交付税・国県補助金等)で賄っていることが分かる。○社会保障給付については、今後のさらなる高齢化の進行に対応するため、介護予防事業や健康増進事業の推進等により給付費の抑制に努めなければならない。また、一般会計等と全体の双方において減価償却費の割合が高い状況にあるため、公共施設等総合管理計画等に基づいて施設の適量化や適正管理に努めていく必要がある。
3.純資産変動の状況
○一般会計等においては、純行政コスト(約126億8千4百万円)が税収等や国県等補助金の財源(約112億2千6百万円)を上回ったため、本年度差額が前年度比で約5億7千2百万円減の△14億5千8百万円余りとなり、純資産残高は14億2千8百万円余りの減で、令和元年度に引き続いて大幅な減となった。これは、合併算定替特例措置の縮減による地方交付税の減少で税収等の財源が減少したこと、また、保有する有形固定資産に係る行政コストである減価償却費が大きいこと等が影響していると考えられる。全体では、国民健康保険事業会計や介護保険事業会計等の保険税・保険料が税収等として取り扱われることから、一般会計等に比べて税収等が約15億円多くなっているものの、地方交付税の減少や減価償却費等のコストの大きさが影響して本年度差額が△15億1千8百万円余りとなり、純資産残高は約14億7千2百万円の減で、令和元年度に引き続き大幅減となっている。今後は、人件費や物件費、補助費等の縮減・抑制等の行政改革をさらに推進するとともに、介護予防や健康づくり等による社会保障給付費の抑制に努めなければならない。また、公共施設等総合管理計画等に基づいた施設の適量化や適正管理に努め、減価償却費の低減を図っていく必要がある。
4.資金収支の状況
○一般会計等については、業務活動収支が前年度比で6千8百万円余り増加し、+9億1千5百万円余りとなった。物件費等支出の減少(△約1億3千8百万円)、地方税収の増加等による税収等収入の増加(+約1億2千8百万円)、また、災害復旧事業費支出の皆減(△約3億1千2百万円)等が要因として挙げられる。投資活動収支については、公共施設等整備費支出が減少し、一般財源不足等の対応に係る基金取崩収入も約8千7百万円減少するなど、前年度比で約8千8百万円減の△9億3千万円となっている。財務活動収支は、建設事業費が増加した影響で地方債発行収入が地方債償還支出を上回ったため、前年度比で約3億3千8百万円増加して+約1億4千1百万円となった。本年度末資金残高は、前年度から約1億2千7百万円増加して8億1千1百万円となっている。全体においては、業務活動収支が前年度比で約9百万円増の+約15億3千4百万円、投資活動収支が前年度比で約1億3千6百万円減の△約11億3千8百万円、財務活動収支は一般会計等と同様に建設事業債の発行が増加したが、地方債発行収入が地方債償還支出を下回ったため、前年度比で約3億6千4百万円増加したが、△約3億2千4百万円となった。本年度末資金残高は、前年度から7千2百万円余り増加して約10億9千2百万円となっている。これまで、建設事業の実施に際して交付税算入率の高い地方債を活用してきてはいるものの、地方債償還支出がこの4年間で横ばいの状態となっているため、人件費や物件費、補助費等の縮減・抑制等の行政改革をさらに推進するとともに、公共施設等総合管理計画等に基づいた施設の適量化や計画的かつ適正な施設管理に努め、地方債償還支出の抑制を図っていく必要がある。
財務書類に関する情報②(2020年度)
1.資産の状況
○人口が前年度比で209人の減となった一方で、減価償却による資産減少が資産取得額を上回ったこと等により資産合計額が約9千9百万円減少したため、住民一人当たり資産額は2.2万円減少した。合併団体である本町は保有する有形固定資産が非合併団体に比べて多く、住民一人当たり資産額が類似団体平均値を上回る状況が続いている。○歳入額対資産比率については、資産合計額が約9千9百万円減少した一方で、地方債発行収入や新型コロナウイルス感染症対策に係る国庫支出金の増加等が影響し、歳入総額が約19億9千万円増加したため、前年度比で0.73ポイントと大きく減少したが、この5年間で類似団体平均値を上回る状況が続いているため、歳入総額に対する資産額が比較的多い状態にあるといえる。○有形固定資産減価償却率は、この5年間で逓増していることから、公共施設等の老朽化が確実に進行している状況にあるといえる。○これまで、保育所や小・中学校の統廃合を着実に実施してきたが、保有する公共施設等の維持管理や更新等に係る将来の財政負担をさらに縮減・抑制していくためには、公共施設の集約化や統廃合、遊休施設の有効活用等をさらに進め、施設保有量の適正化を図っていかなければならない。
2.資産と負債の比率
○純資産比率は、類似団体平均値を上回る状況が続いており、前年度比で微減となっている。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消し、受益したことを意味するため、人件費物件費等の縮減、また、公共施設等の適量化による減価償却費の縮減等を進めることにより、行政コストの削減に努めなければならない。また、純資産の減少と資産合計額の減少が近年同規模で進行していることから、減価償却による資産の減少に比べて地方債をはじめとする負債の減少が進んでいない状況であるといえる。今後も、適正かつ計画的な建設事業の実施にさらに努めなければならない。O社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を表す将来世代負担比率は、前年度から1.2ポイント増加し、類似団体平均数値を上回る状況が継続している。これは、合併以前に建設した多くの公共施設等で老朽化が進行して減価償却による資産の減少が進んでいること、また、合併後に行った保育所・学校の統廃合等の大型建設事業の実施に伴う大規模な地方債発行により、減価償却に比して地方債の償還が進んでいないことが要因と考えられる。
3.行政コストの状況
○住民一人当たり行政コストは、新型コロナウイルス感染症対策関連経費の影響により前年度比で17.2万円と大きく増加し、類似団体平均数値を10.4万円上回り、ここ5年間で類似団体平均を上回る状況が続いている。合併団体である本町は類似団体に比べて住民一人当たりの資産額が多く、純行政コストの17.1%を占める減価償却費の多さが大きな要因になっているものと考える。また、人件費や物件費についても、類似団体に比べて住民一人当たりの支出額が多い傾向にもあるため、公共施設等の保有量の適正化とともに、行政改革の推進による経費の縮減に努めていかなければならない。
4.負債の状況
○住民一人当たり負債額は、前年度から3.6万円増加し、類似団体平均値を18.8万円上回っている。令和元年度は大規模建設事業が少なく、地方債発行も小規模であったが、令和2年度は建設事業費が増加したため地方債残高も増加し、更なる人口減少が数値の増加に拍車を掛けたものと思われる。類似団体平均値を上回る状況が続いていあるが、合併後に行ってきた保育所・学校の統廃合等の大型建設事業の実施に伴う地方債発行が影響し、地方債残高の減少が進んでいないこと等が要因として考えられる。保育所・学校の統廃合に伴う施設建設事業はH30年度に完了したものの、今後、統廃合を行わなかった小学校の大規模改修事業や可燃物処理施設の建築事業等の大型建設事業が計画される中、人口減少が今後も進行していく見込みであることから、住民一人当たり負債額は増加していくものと見込まれる。○補助金支出が大きく増加したものの、国庫支出金等の収入も増加したことで、業務活動収支が5千5百万円増加し、公共施設等整備費が減少し、投資活動収支が4千1百万円の減少となったため、令和2年度の基礎的財政収支は+1億1千1百万円となった。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率については、令和2年度が前年度比で0.4ポイントの減となり、5年間で類似団体平均値を下回る状況が継続している。本町は、行政サービスに対する住民等の直接的な負担割合が比較的低い状況にあるといえ、経常費用を受益者負担以外の収入(地方税・地方交付税・国県補助金等)で賄っている度合いが、類似団体に比べて高いことを表している。今後は、公共施設等の保有量の適正化とともに、施設使用料等の見直しを行い、受益者負担の適正化を図っていく必要がある。なお、令和2年度の受益者負担比率を類似団体平均値まで引き上げるためには、仮に経常収益経常費用のどちらかを一定とする場合、経常収益を2億2千百万円増加させるか、経常費用を63億2千7百万円削減する必要がある。
類似団体【Ⅳ-1】
帯広市
弘前市
金ケ崎町
涌谷町
美郷町
河北町
会津坂下町
会津美里町
矢吹町
三春町
城里町
大子町
那珂川町
川島町
吉見町
三鷹市
調布市
上市町
志賀町
中能登町
御代田町
辰野町
南箕輪村
神戸町
揖斐川町
御嵩町
森町
玉城町
久御山町
多可町
福崎町
香美町
八頭町
北広島町
まんのう町
みやこ町
長洲町
都城市