香美町：公立香住病院【地方財政ダッシュボード】

経営比較分析表（2020年度）

地域において担っている役割

香美町全体が過疎地域に指定されており、山間へき地・離島など民間医療機関の立地が困難な過疎地等における一般医療の提供を担っている。また、高齢化が進み、在宅復帰が困難な患者が増えると予想されるため、在宅に向け十分なリハビリを実施することや介護老人保健施設、訪問看護等の在宅医療提供体制の充実を図ることで、地域包括ケアシステムを支える役割を担っている。

経営の健全性・効率性について

令和２年度は入院患者数が前年度より456人の増となり、病床利用率が増となった。収入では、入院患者数の増に伴い入院収益は増となったが、新型コロナの影響もあり、外来は患者数も収益も減少したことにより、医業収支比率は昨年度を下回った。また支出では職員給与費が増加したことから職員給与費対医業収益比率が増加した。また、昨年度は医業収支の大幅な悪化を見込んで一般会計からの繰出金を大幅に増やしたが、令和２年度は資金不足が見込まれなかったため操出金を減らした結果、経常収支比率は類似病院の平均値を下回った。

老朽化の状況について

平成3年に建設した病院本館は、すでに29年が経過しており老朽化が著しくなってきたため、令和３年度から一部改築を計画している。建物と共に整備した医療機器、器具備品等も同様に次々と更新時期を迎えている。有形固定資産及び機械備品の減価償却率はともに平均値を上回っているため、計画的な老朽化対策が必要となっている。また、1床当たり有形固定資産は平均値の2倍近くとなっているが、これは病院本館の建設時から比べて病床数を半分以下に減らしたことによるものである。

全体総括

医業活動における経営状況を判断する医業収支比率や、外来患者1人1日当たり収益などは、前年度（令和元年度）と比較して改善したことで、類似病院平均値を上回った。しかし、当院は類似区分の50床以上100床未満の中でも50床と最小の規模であるが、累積欠損金比率は全国及び類似病院平均から大きく離れており、病床利用率も類似病院の平均にまで至っておらず、決して経営状況が良いとは言えない。このため、新たな公立香住病院新改革プランを策定し、今後も更に経費節減、増収対策等の経営改善を行い、住民により良い医療サービスの提供に努める。

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