地域において担っている役割
当院は、平成26年7月に救急科を開設、平成27年3月には救急・外来棟を開設するなど「断らない救急」を目指し、救急医療に力を入れている。1また、心臓血管センター・脳血管センターを設置し、心臓血管疾患、脳血管疾患の患者を24時間体制で受け入れており、第二種感染症指定機関として、感染症病床10床を備え、新型インフルエンザ等の感染症発生時における入院治療なども実施している。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率及び②医業収支比率は、過去5年間、類似病院平均値を下回っている。③累積欠損金比率の増加は、新病棟の改築中であり人員体制の強化に見合った増収が得られていない事が要因の1つであると考える。また、④病床利用率は、平成29年度には類似病院平均値を下回っているが、これは新病棟整備に伴う病棟改築工事による影響等が要因であると考える。救急搬送件数及び手術件数は増加しており、⑤入院患者1人1日当たり収益及び⑧材料費対医業収支比率は、類似病院平均値を上回っている。
老朽化の状況について
平成26年度の救急・外来棟の開設に伴い、更新年度を迎えていた老朽機器等の更新が図られ、①有形固定資産減価償却率及び②器械備品減価償却率は、類似病院平均値を下回った。1また、③1床当たりの有形固定資産は、平成26年度に救急・外来棟の開設に伴い大きく上昇したが改善傾向にある。今後は、新病棟の整備に伴い医療機器等を導入する計画なので、適切な更新を進めていく。
全体総括
平成26年度の救急・外来棟の開設に伴い施設・設備や人員体制を充実させたことにより給与費、経費及び減価償却費が増加した一方、投資に見合うだけの収入を確保出来ていないことが収支を悪化させている要因の1つであると考える。1今後はこれまでに投資した施設・設備や人員体制を活用することにより、収益の確保に取組むと同時に、平成28年度より着手した新病棟の整備を着実に進め、安定した経営のもと、地域における必要な医療提供体制の確保を図り、高度・専門医療等を提供する役割を継続的に担っていく。