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電力事業者等からの固定資産税収入の割合が大きく、昭和63年の原子力発電所への固定資産税の課税開始から財政力指数が1.00を超え不交付団体となっていたが、減価償却による税収入の減少などにより、財政力指数が1.00を下回り、平成22年度から地方交付税の交付団体となっている。全国平均や類似団体平均は上回っているが、日本原電敦賀1号機やもんじゅの廃炉決定による税収の減少傾向の影響等により、今後も指数の低下が見込まれる。健全な財政運営を維持するため、徹底した事業コストの削減、新たな財源確保の取り組みや市税等の最大限の徴収努力を行う。
本年度の経常収支比率は前年度と比較し7.1ポイント改善し、全国平均、県内他市と比較してやや良好な数値となっている。地方消費税交付金及び地方交付税の増により経常一般財源総額が増加したことに加え、人件費及び公債費の減によって経常経費充当一般財源が減となり、大幅な改善となった。しかしながら社会保障関係経費や老朽化が進む公共施設等の維持管理経費など、経常経費の増加傾向は続くと考えられるため平成28年度中に策定する第6次行政改革大綱に基づく取組を通じて義務的経費の削減に努め、現在の水準を維持する。
人件費、物件費及び維持補修費の人口1人当たりの金額が全国平均、類似団体平均を上回っているのは、主に物件費及び維持補修費が要因となっている。平成27年度決算においては、短期的には地方創生(先行型・消費喚起型)交付金を活用した事業の実施やマイナンバ―対応におけるシステム改修に費用がかかったため物件費の決算額が大きくなっている。しかしながら、業務の民間委託による効率化を進めていることから、物件費は増加傾向にあるが、人件費は職員数の減等により年々減少しており、今後も行政改革の推進に積極的に取り組み、人件費・物件費等コスト縮減を図る方針である。
国家公務員と同様の給与水準に合わせるため、平成25年度において給与減額支給措置を行った結果、ラスパイレス指数が100を下回っている。また、これまでの給与体系の見直しにより、類似団体平均を下回っていることから、今後も引き続き、職務・職責に応じた給与体系を継続する。
保育園に勤務する職員が多いことが、類似団体内平均を上回っている主な原因の一つとなっている。本市の定員管理の適正化の計画に基づく職員数目標は既に達成しているが、引き続き定数管理を行うとともに、民間活力の導入等により、人件費の適正化を図る。
実質公債費比率(単年度)について、前年度より1.1%改善しており、改善傾向である。平成27年度については民間最終処分場対策にかかる償還の終了により元利償還金が大幅に減少したが、今後は新市庁舎整備や北陸新幹線の整備関係、一般廃棄物最終処分場等大型プロジェクトによる公債費負担が平成30年度以降に増加する見込である。今後も健全化判断比率に配慮しつつ市債の発行を行う。
類似団体平均を下回っており、前年度の20.1%から大幅改善した7.9%となっている。数値が改善した主な理由は、福井国体や市庁舎の整備に対応するため、基金への積立を行ったことによるものである。したがって平成30年度の福井国体実施にあたって取り崩しが見込まれている。また今後の新市庁舎整備や北陸新幹線の整備関係、一般廃棄物最終処分場等大型プロジェクトのための建設事業債の発行により、地方債残高の増加が見込まれており、数値が悪化していくことが見込まれる。
人件費に係る経常収支比率は、全国平均、類似団体平均と比較して良好な数値である。これは、ラスパイレス指数からも明らかなとおり他団体と比較して給与水準が低いこと、相対的に非常勤臨時職員が多く物件費に計上されていることが主な要因としてあげられる。また、平成27年度は退職者の減により退職手当が減少しているが、平成28年度から平成30年度までは福井国体の実施に係る任期付き職員の配置により、人件費の一時的な増加を見込んでいる。
物件費に係る経常収支比率が全国平均、類似団体平均を上回っているのは、主に業務の委託経費や非常勤職員の賃金などが多額であることが要因である。前年度と比較しては、地方創生(先行型・消費喚起型)交付金を活用した事業の実施による単年度の影響があるものの、あらゆる経常経費の圧縮や消費増税の影響が落ち着いたことで前年度比でやや減少となっている。
扶助費に係る経常収支比率は、全国平均、類似団体平均と比較して良好な数値であり、概ね横ばいで推移している。しかし、主な要因としては臨時福祉給付金等の事業終了による臨時的な扶助費の減少と、自立支援給費や生活保護費等の経常的な扶助費の急激な増加が含まれており、今後も高齢化の進展や障害者サービスの充実により増加傾向は継続する。現在、市独自の手当給付等の見直しに鋭意取り組んでいる。
その他に係る経常収支比率が全国平均、類似団体平均を上回っているのは、特別会計、特に下水道事業や国民健康保険特別会計への繰出金が多額であることが要因と考えられる。本年度については介護保険特別会計の給付の増加、国民健康保険特別会計等の赤字幅の増加により、繰出金が増加傾向となっている。下水道使用料や国民健康保険税の改定、徴収率の向上など受益者負担を適正化することで繰出金の抑制を図る。
補助費等に係る経常収支比率が全国平均、類似団体平均を上回っているのは、主に病院事業会計への繰出金等が多額であることが要因と考えられる。病院事業会計については、経営健全化に努めているが、依然として厳しい経営状況であり、一般会計の負担は約9億円で推移し、財政面への影響は大きなものとなっている。本年度については一部事務組合への負担金の減少や、前年度と比較して約3億円の新規企業に対する立地補助金がなかったことから、補助費等総額では減少している。
公債費に係る経常収支比率は、過去からの起債抑制方針により、全国平均、類似団体平均と比較して良好な値となっている。今後、臨時財政対策債等の発行増に加え、避けられない大型建設事業による後年度への影響が平成30年度以降、平成34年度以降と段階的に膨らむと見込まれ非常に厳しい財政の見通しとなっている。平成27年度については経常一般財源の歳入見込が上振れたため、財政措置のない建設債の発行を抑制するなど、後年度負担の解消に努めている。
昨年度と比較し3.0ポイントの改善となったが、依然として全国平均、県内平均を上回っている。改善した主な要因は、地方消費税交付金や地方交付税などの経常一般財源の増加であると考えられる。
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