経営の健全性・効率性について
地方債の元利償還金のピークは過ぎているため、収益的収支比率は徐々に改善されている。今後もこの傾向は続く見込である。企業債残高対事業規模比率では、平成26年度以降から減少し改善傾向にある。処理場の長寿命化計画を計画的に行っているが、ポンプ場は平成27年度から計画策定し、管渠などは平成29年度から計画策定予定のため、今後大幅な数値の改善は見込めない。経費回収率について、平成27年度は主に下水道計画策定事業の影響により数値が低下しているが、単年度事業のため、今後は99%前後の数値まで改善されると見込まれる。汚水処理原価については、有収水量はほぼ横ばいで推移している。そのため、今後も同程度の数値で推移していくと見込まれる。施設利用率については、例年ほぼ横ばいの状態である。新規の面整備は休止中であり、有収水量、人口推計から見ても大きく改善することは見込めない。そのため、農業集落排水施設の統合を検討しているところである。水洗化率については微増傾向にある。PRを定期的に行っているが、大幅な増加は見込めないのが現状である。
老朽化の状況について
供用開始から30年以上が経過し、老朽化が進んでいる。改築更新工事については処理場が平成24年度から平成30年度、ポンプ場が平成27年度から平成32年度、管渠が平成29年度から平成34年度にかけて実施する予定である。平成26年度に管渠の陥没事故が発生したことにより、平成27年度から汚水管内調査業務を行い、現状の把握に努めている。
全体総括
東金市の公共下水道の経営状況は比較的良好であると考える。地方債の元利償還金のピークは過ぎ、使用料単価は150円/㎥を超えているため、経費回収率も近年高い水準を維持している。施設の改築更新については、対応がやや遅くなっている状況にある。特に管渠は平成29年度から平成34年度までの実施となることから、実施までの期間は汚水管内調査、清掃業務を行い引き続き適正な管理に努める。平成32年4月から地方公営企業法の適用を予定しており、資産評価などに伴いより詳細で正確なデータを得ることで持続可能な下水道事業を運営する契機となることが期待される。