地域において担っている役割
地域医療支援病院として地域の医療機関等と密接に連携し、協力しながら、救命救急センター並びに総合診療機能を有する施設として、東葛南部地域において高度急性期医療を担っている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率は過去5年間とも100%以上を維持しており、累積欠損金も発生しておらず、毎年経常収益を計上できていることから、健全かつ効率的な経営が行えていると言える。収益の面では、平成30年度と比較して病床利用率、入院患者および外来患者1人1日あたりの収益が増加したことにより、医業収益が増加した。一方、費用の面では、平成30年度と比較して職員給与費が増加したものの、それを上回る医業収益の伸びにより、職員給与費対医業収益比率は減少した。ただし、平成30年度、令和元年度は職員給与費に計上していた臨時・非常勤職員の賃金をその他医業費用として計上したため、それぞれ48.6%、48.1%となっているが、従来と同様に計上した場合、平成30年度は52.5%、令和元年度は51.8%となる。材料費対医業収益比率は高額な診療材料および抗がん剤などの高額な薬品の使用量増加により上昇したが、同時に患者1人1日当たりの収益も増加している。
老朽化の状況について
昭和58年の開院以来、増築工事や改修工事を繰り返してきたが、施設の老朽化および狭隘化が進んでおり、現在新病院への建替えに向けて取り組んでいる。有形固定資産減価償却率及び器械備品減価償却率については平均値を上回っているが、新病院建設を控えているため、移行の可否を考慮しつつ、計画的な医療機器備品の更新および購入を行っている。
全体総括
令和元年度は平成30年度と比較して入院患者数が増加し、病床利用率も上昇したが、平均在院日数10日台を維持することができた。また、救急車の受け入れを積極的に行い、高度急性期医療を積極的に提供するとともに、地域がん診療連携拠点病院として緩和ケアセンターを設立し、医療の質の向上にも努めた。新公立病院改革プランについては、今後も引き続き目標の達成を目指し、患者1人1日当たり収益の上昇、病床利用率の上昇等に向けた取り組みを行うことで経営基盤のさらなる強化を図る。また、地域における当院の役割を果たすため、引き続き救急患者の積極的な受け入れを行うとともに、地域医療支援病院として他医療機関との連携を強化することにより、紹介率・逆紹介率の上昇や患者数の増を目指す。