地域において担っている役割
地域医療支援病院として地域の医療機関等と密接に連携し、協力しながら、救命救急センター並びに総合診療機能を有する施設として、高度急性期医療を担っている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率が100%以上を維持して経常収益を計上できており、累積欠損金も発生していない。このことから、健全かつ効率的な経営が行えていると言えるが、類似団体の平均と同様、年々比率が下がってきており、より一層の経営改善の取り組みが必要と考える。収益では、病床利用率が低下傾向にあるが、平均在院日数が下がっているためによるもので、新入院患者、新外来患者は増加傾向にある。また、入院患者、外来患者1人1日当たりの収益も増加している。費用では、職員給与費対医業収益比率が上昇しているが、必要な職員数を揃えることで新たな施設基準の取得や診療体制の充実に繋がっている。材料費対医業収益比率は高額な診療材料および薬品(特に抗癌剤)の使用量増加により上昇したが、患者1人1日当たりの収益も増加している。
老朽化の状況について
昭和58年の開院以来、増築工事や改修工事を繰り返してきたが、施設の老朽化および狭隘化が進んでおり、現在新病院への建替えに向けて取り組んでいる。機械備品減価償却率については平均を上回っているが、新病院への移行を考慮しつつ、計画的に医療機器備品の更新および購入を行っている。
全体総括
医師・看護師をはじめとした職員の確保、医療機器の計画的な更新等により医療提供体制を整えてきたことで医療の質の向上につながり、結果として患者1人1日当たりの収益が上昇し、医業収益が伸びた。今後も職員給与費の増加や高額な材料および薬品の増加に伴う材料費の増加が見込まれるが、それを上回る収益を得られるよう、引き続き患者1人1日当たり収益の上昇、初診患者数や新入院患者数の増、病床利用率の上昇に向けた取り組みを行っていく。また、地域医療支援病院として病病連携、病診連携の関係強化を行うとともに、総合診療施設を有する高度急性期病院として救急患者の積極的な受け入れを行っていく。同時に、さらなる医療の質の向上のため、人材育成および設備の充実を図り、高度な医療に対応できる病院を目指していく。