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財政力指数は,単年度及び3ヵ年平均ともに前年度より上昇した。この要因としては,市民税や固定資産税などの収入増加により基準財政収入額が増額となったことがあげられる。引き続き,自主財源の積極的な確保や,資産管理の適正化など,中長期を見据えた「行財政改革」の徹底を図るとともに,常にコスト意識を持って効果的・効率的な事業の執行に努める。
経常収支比率は,平成27年度から2.0ポイント上昇した。これは,歳入において地方消費税交付金の減に伴い,経常一般財源が減少し,歳入において扶助費の増に伴い経常的経費充当一般財源が増加したことがあげられる。引き続き,自主財源の積極的な確保に努めるとともに,生活保護費等における就労支援の取組などにより経常経費を抑制し,財政構造の弾力性の向上に努めることにより,本市の中期財政計画上の目標である80%台への向上を図る。
人件費は職員数の減少などに伴い前年度より減少し,物件費は固定資産税評価替準備費などにより,前年度より増加した。引き続き,定員の適正化などにより人件費を抑制するとともに,内部努力の徹底等による経費の抑制を図り,事業の効率化を図っていく。
年功的給与上昇の抑制等を目的とした給与構造改革及び地域間・世代間の給与配分の見直し等を柱とした給与制度の総合的見直しの実施など,給与制度の適正化に努めてきた。平成24年は,国家公務員の時限的な給与改定特例法による措置により,指数が大きく上昇したが,平成25年は同措置の終了により指数が低減した。平成26年は,給与制度の総合的見直しなどの実施により,指数が低減したが,平成27・28年は,国・本市ともに現給保障者が減少したことにより,給与制度の総合的見直し前の平成25年時の指数(102.3)に戻ってきている。今後とも,国や県並びに他市の制度との均衡を踏まえながら,適正な給与制度の構築に努めていく。
平成27年3月に策定した「組織整備・定員適正化に関する方針」に目標として掲げた平成32年度の職員3,250人体制に向け,定員の適正化に取り組んでいる。平成28年度は平成27年度の5.63人に比べ0.01人少ない5.62人となっており,順調に定員の適正化が図られている。今後も,外部委託等の推進,事務・事業の見直しの推進,職員配置の重点化・適正化,再任用職員の積極的な活用などに取り組み,定員の適正化を進めていく。
実質公債費比率は,過去の大型建設事業に係る市債償還の完了により,元利償還金が減少したことなどから,前年度と比較して0.3ポイント減少した。引き続き,公債費が将来の財政運営の大きな負担とならないよう計画的に市債の活用をすることで,残高の抑制に努めていく。
過去の大型建設事業債の償還終了により,市債現在高が減少した一方で,文化会館大規模改修事業などへ公共施設等整備基金を充当したことにより,充当可能な基金の残高が減少したことなどにより,前年度から4.6ポイント上昇した。今後は,複数の大型建設事業に対応するため,一時的に市債発行額が元金償還額を超えるが,計画的な市債の活用を図ることで残高を抑制していくとともに,財政運営の長期的な安定性を確保するため,基金の涵養に努める。
職員数や退職手当の減少等に伴い,総額で前年度比8億円減の296億円となった。類似団体平均を上回っていることから,組織機構のスリム化,定員の適正化などにより業務の効率化に取り組んでいく。
総額は前年度と同水準の238億円であったが,妊婦健康診査費の増加などに伴い,物件費に占める経常経費の割合は増加したため,前年度より0.4ポイント上昇した。今後も内部努力の徹底を図り,経費の縮減や事業の効率化を進めていく。
扶助費は臨時福祉給付金等給付事業や,保育園給付費の増により過去最大の決算額となり,経常経費に占める割合も1.3ポイント上昇した。引き続き,生活保護費等における就労支援の取組などを実施し,社会保障関係経費の抑制に努めていく。
その他に係る経費については,維持補修費が総額で前年同水準の22億円,繰出金が総額で前年度比1億円減の136億円となった。引き続き,介護予防事業の取組みなどを実施し,給付費の抑制に努めていく。
下水道事業会計への負担金の減などにより,総額で前年度比8億円減の102億円となった。引き続き,補助交付金については,必要性や効果などを継続的に検証し,見直しを図っていく。
公債費は過去の大型建設事業に係る市債償還の一部完了や元金償還額以内での市債の活用により,前年度と同水準の150億円となった。今後も計画的に市債の活用をすることで,残高の抑制に努めていく。
公債費総額の減と,公債費以外の経費総額の増により,1.7ポイント上昇している。公債費以外の経費では扶助費の増加が最も大きく,扶助費に充当している経常一般財源は11億増加した。
将来負担比率及び実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にあり,低下傾向となっている。これは,地方債の新規発行を元金償還額以内とすることで,地方債残高の抑制に取り組んできたためである。今後も地方債残高の抑制に努めていくことから,いずれの比率も低下していくものと想定される。
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