1.資産・負債の状況
・一般会計等においては、資産の総額は617,924百万円で、期首と比較して1,753百万円の減となっており、これは、復興事業の進捗に伴い、復興関連の基金が減少したこと等に伴い、投資その他の資産が5,551百万円減少したものの、震災復興土地区画整理事業区域内における道路改良等により有形固定資産が5,908百万円増加したことにより、固定資産が358百万円増加したが、現金預金が2,592百万円減少したことなどにより、流動資産は2,111百万円減少している。負債の総額は153,558百万円で、期首と比較して3,643百万円の減となっており、これは、計画的な市債残高の減少に努めてきたこと等により、地方債が2,348百万円減少した。・全体では、資産総額は期首と比較して767百万円増加しており、負債総額は、期首と比較して8,278百万円減少した。一般会計等に比べて、資産総額は、新病院建設に係る建設仮勘定等を資産計上していること等により、268,391百万円多くなっており、負債総額も新病院建設事業等に地方債(固定負債)を充当したことから190,667百万円多くなっている・連結では、資産総額は期首と比較して5,438百万円増加しており、負債総額は、期首と比較して7,333百万円減少した。一般会計等に比べて、連結対象企業等の資産(負債)計上により、資産総額は、273,062百万円多くなり、負債総額においても、191,611百万円多くなっている。
2.行政コストの状況
・一般会計等においては、経常費用は121,283百万円となっており、移転費用よりも業務費用のほうが多く、最も金額が大きいのは、除染事業の進捗に伴って増となった物件費(27,869百万円)であり、純行政コストの24.2%を占めている。・全体では、一般会計等に比べて、国民健康保険や介護保険の給付費を補助金等に計上しているため、移転費用が56,345百万円多くなり、純行政コストは62,361百万円多くなっている。・連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の人件費が11,785百万円多くなっているため、経常費用が145,873百万円多くなり、純行政コストは99,088百万円多くなっている。
3.純資産変動の状況
・一般会計等においては、税収等の財源(116,003百万円)が純行政コスト(114,920百万円)を上回っており、本年度の差額は、1,083百万円となっており、純資産残高は1,890百万円の増加となっており、今後も税収等の増加に努める。・全体では、国民健康保険事業特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が43,061百万円多くなっており、本年度差額は5,771百万円となり、純資産残高は9,180百万円の増加となった。・連結では、一般会計等と比べて国等補助金が60,728百万円多くなっており、本年度差額は5,804百万円となり、純資産残高は9,210百万円の増加となった。
4.資金収支の状況
・一般会計等においては、税収等の増により業務活動収支は12,640百万円となったが、公共施設等整備費支出が高いことから投資活動収支については、▲11,706百万円となった。財務活動収支については、▲3,817百万円であり、地方債償還等が11,303百万円であったのに対し、地方債の発行を抑制しているため、本年度の地方債発行収入が8,684百万円であったことによる。・全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より11,316百万円多い23,956百万円となっている。投資活動収支は、公共施設等整備費支出が高いことから、一般会計より4,773百万円赤字が増えた16,479百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、一般会計より222百万円赤字が増えた▲4,039百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から3,438百万円増加し、34,233百万円となった。
1.資産の状況
・住民一人あたり資産額(歳入額対資産比率)は、類似団体平均値を大きく上回っており、これは、保有する施設数が多いためである。・歳入額対資産比率は類似団体平均値をやや上回っているが、公共資産の形成に占める歳入の割合は、類似団体とほぼ同程度と考えられる。・有形固定資産減価償却費は、類似団体平均値をやや上回っており、公共施設の多くの老朽化が進み、更新時期を迎えていることが要因となっている。減価償却率が高い施設等の施設のあり方を検討する。
2.資産と負債の比率
・純資産比率は、類似団体平均値を上回っており、市が保有する公共施設が多いことが要因である。将来世代負担比率は、類似団体平均値を下回っており、現在まで新規に発行する地方債の抑制に努めてきたからであり、引き続き、今後の将来世代の負担の減少に努める。
3.行政コストの状況
・住民1人あたり行政コストは類似団体平均値を上回っており、これは復興関連事業に伴う事業費が嵩んでいる状況が考えられるため、今後、復興関連事業の収れんとともに、行政コストが低くなっていくものと考える。
4.負債の状況
・住民1人あたり負債額は類似団体平均値を上回っているが、将来的に、公共施設の施設更新等を行っていった場合は住民一人あたりの負債コストが増加していくことも考えられる。・基礎的財政収支は、業務活動収支がの黒字分を、投資活動収支の赤字分が上回っており、▲4,723百万円となっている。類似団体平均値を下回っており、投資活動収支が赤字となっているのは、清掃センター長寿命化事業等の公共施設の整備を行ったためである。
5.受益者負担の状況
・受益者負担比率は類似団体平均値を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合が比較的低くなっている状況である。