収益等の状況について
当該駐車場では、駐車場整備に係る地方債をH32年度まで償還することとなっているため、他会計補助金割合やその金額は類似施設平均値と比べて高くなっており、経常損益や売上高に対する営業総利益は類似施設平均値と比べて低くなっている。一方で、EBITDAに見る減価償却前営業利益はH28年度よりプラスの値に転じ、収益性が上昇した。これは、地方債償還額がH27年度をピークに減少していくことに伴い、繰入金が減少したことに起因するものであると考えられ、他の数値に関しても今後改善に向かうことが期待できる。
資産等の状況について
供用開始から約20年が経過し、施設の老朽化に伴い、多額の建設改良費や修繕費等が見込まれる。一方、企業債残高対料金収入比率で見る債務残高は年々減少し続けており、改善していると考える。今後は、駐車場としての需要の高さから、計画的に修繕を行うなど、より効率的な投資により、施設の長寿命化を図っていく必要がある。
利用の状況について
H25年10月に料金改定を行い、駐車料金を周辺の民間駐車場と同程度に値下げしたため、利用台数は大幅に増加した。H28年度の稼働率は、前年度に比べてやや落ち込んだものの、土、日、祝日は満車で入庫待ちが発生することもあり、駐車場としての需要は高いと考える。今後は、指標の一つの目安となる稼働率100%を継続的に達成するできるよう、比較的利用台数の少ない平日の利用台数を増加させる必要がある。
全体総括
駐車場整備に係る地方債の償還が完了するH32年度までは、各項目とも類似施設平均値を下回ると考えられるが、稼働率にみる駐車場としての需要は高く、企業債残高対料金収入比率に見る債務残高も年々減少し続けていくことから、経営状況は向上していくと期待できる。一方、施設の老朽化が進んでいくことで、必要となる建設改良費・修繕費が多く見込まれる。このため、指定管理者制度の導入も視野に入れつつ、精度の高い投資見込額の算出や計画的な修繕を行うなど、効率的な投資により長寿命化を図っていくことが必要である。