収益等の状況について
当該施設は、市役所に隣接しているという立地条件から来庁者による短時間利用が多い。令和2年度については、新型コロナウイルス感染症の影響により歳入が落ち込んだ上に、昇降機の大規模修繕を行ったため、売上高GOP比率やEBITDAが大幅に減少した。
資産等の状況について
当該施設敷地の地価については、周辺と比較しても大きな差はあまりない。設備投資については、平成27年度及び平成28年度に躯体に係る維持修繕を実施し、令和2年度には昇降機の大規模修繕を実施したため、令和3年度以降は当面の間、躯体に係る大規模な修繕は発生しない見込みである。
利用の状況について
当該施設は稼働率が類似施設平均値を大きく上回っており、この要因としては市役所に隣接しているという立地条件から、来庁者による短時間利用が多いことによるものである。平成30年度については、大阪府北部地震の影響により罹災証明等の手続きで来庁者が増加し、結果として当該施設の利用台数が増加した。しかしながら、令和2年度については、新型コロナウイルス感染症の影響による来庁者の減少や、市役所内の飲食店の営業休止により、当該施設の利用台数が減少した。
全体総括
当該施設の経営状況としては黒字であり、令和元年度までは類似施設と同程度の経営状況であったが、令和2年度は大規模修繕を行ったことで、収益的収支比率が類似施設平均値を下回った。令和3年度以降は躯体に係る大規模な修繕は発生しない見込みであるため、経営状況は改善すると考えれる。当該施設の利用の大部分は市役所への来庁者であり、平日の市役所の開庁時間帯は多くの利用がある一方で、土日祝など市役所の閉庁日には利用が少ない。立地条件や利用状況から今後も駐車場としての存続が望ましいことから、将来にわたって安定的に事業を継続していくための中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」の策定に取り組む中で、収支状況を注視しながら、施設のあり方を検討していく。