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財政力指数は、類似団体の平均となっており、前年度より0.02ポイント上昇している。基準財政収入額が企業の撤退等による法人税の減少等により減少したものの、基準財政需要額において、平成27年国勢調査の結果での人口減少やトップランナー方式の導入に伴い減少したことから良化傾向にある。今後も歳出の徹底した経費削減をするとともに、税収増加等による歳入の確保に努め、健全な財政運営に努めていく。
経常収支比率は、類似団体平均を下回っているが、前年度比と比較して2.5ポイント上昇している。これは、歳出においては扶助費が増加したこと、歳入においては地方消費税交付金及び普通地方交付税の減少が主な要因である。今後については、市税の収納率の向上等による更なる歳入の確保に努めるとともに、事務のカイゼンによる効率化、民間委託の推進及び維持補修費の平準化等により歳出全般にわたる経費削減に努め、経常収支比率90.0%を超えないことを目標とする。
人口1人当たり人件費・物件費等は、類似団体平均を大きく上回っているが、これは東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い放出された放射性物質の除染事業によるものである(全国平均と福島県平均の差を参照)。除染事業はピークを超えたが、除去土壌等の搬出事業、未除染道路等側溝堆積物撤去・処理事業、ため池放射性物質対策事業等に移行しており、平成32年度までこのような異常値が続く見込みである。なお、物件費については以上の理由から前年度比4.3%増加しているが、人件費については事務のカイゼンによる効率化等により前年度比0.4%減少している。
ラスパイレス指数は、平成24年人事院勧告に基づき、55歳超職員の昇給制度の見直しを実施したこと等により、0.3ポイント減少したが、類似団体平均及び全国平均も上回っていることから、今後も福島県人事院勧告に準じた給与改定を行うとともに、より一層の給与適正化に努めていく。
人口千人当たり職員数は、類似団体平均及び全国平均を下回っているが、業務量が増加していること等から採用人数を増加したため、前年度と比較して0.05ポイント上昇している。これまでも、行財政改革大綱実施計画に基づく定員適正化及び民間委託の推進等、業務のアウトソーシングに取り組んできたところであるが、引き続き、市民サービスの低下を招かぬよう適正な人員の配置及び事務の効率化の向上に努めていく。
実質公債費比率は、類似団体平均及び全国平均を下回っているが、前年度と比較して0.5ポイント増加している。これは、普通交付税、臨時財政対策債発行可能額及び標準税収入額が減少したことに加えて、元利償還金及び公営企業債の元利償還金に対する繰入金が増加したことが主な要因である。元利償還金のピークは平成29年度、公営企業債の元利償還金のピークも平成29年度を見込んでいる。財政措置が見込まれる起債の活用を原則とすることを今後も維持し、一定の水準を保てるよう努めていく。
将来負担比率は、下水道事業をはじめとする公営企業債に対する繰入見込額の減少及び地方債現在高の減少等により前年度よりも良化しており、前年度に引き続き、将来負担算出されない(マイナス値)となっている。しかしながら、将来負担比率の減少要因だけでなく、公共施設の長寿命化及び継続の大型事業による、地方債現在高の増加、震災復興基金及びその他特定目的基金の取崩し等、増加要因もあることから、今後も計画的な地方債償還と財源確保を図り、将来負担の軽減に努めていく。
人件費は、類似団体平均及び全国平均を下回っているが、前年度と比較して0.3ポイント上昇している。これは、退職手当の増加による影響等が現れているものである。今後も、行財政改革への取り組みを通じて、定員及び給与の適正化に努める。
物件費は、類似団体平均及び全国平均を上回っており、前年度と比較して0.3ポイント上昇している。これは、退職者不補充により学校用務員や学校給食調理員の民間委託を推進する等、人件費等から委託料(物件費)へのシフトが起きているためである。最小の経費で最大の効果を上げられるよう、今後も順次民間委託を進めていき、費用対効果の向上に努めていく。
扶助費は、全国平均及び類似団体平均を下回っているが、前年度と比較して1.3ポイント上昇している。現在、待機児童解消のため保育施設の整備等を推進しており、また、高齢化の進展により、扶助費のさらなる増加が予想されるところである。扶助費の増加は本市に限らず、社会情勢上やむを得ない面もあるが、単独事業の見直しを図る等、引き続き適正な水準を保てるよう努めていく。
その他は、類似団体平均及び全国平均を上回っており、前年度と比較して0.3ポイント減少している。これは、平成28年度については維持補修費が0.5ポイント減少したためであるが、施設の老朽化の進展から今後の維持補修費は増加要因であるため、公共施設等総合管理計画に基づき最適化を図る。また、高齢化の進展から介護保険特別会計に対する繰出金も増加要因であるため、特別会計の収入確保及び経費節減に努めていく。
補助費等は、前年度と比較して0.2ポイント上昇しており、類似団体平均及び全国平均を上回っている状況が続いている。これは、下水道事業会計や広域消防組合への負担金が多額となっているためである。下水道事業会計については平成29年3月に経営戦略を策定したところであり、また、平成31年度から全庁的な補助金等見直しを実施する予定であり、より一層の適正化・最適化に努めていく。
公債費は、類似団体平均及び全国平均を下回っているが、前年度と比較して、0.7ポイント上昇している。これは、臨時財政対策債の元利償還金の増加によるものである。計画的な償還を継続し、地方財政措置の厚い起債の活用を原則とすることを今後も継続し、良好な水準を保てるよう努めていく。
公債費以外については、前年度と比較して、1.8ポイント上昇し、類似団体平均及び全国平均を上回っている。これは、主に物件費及び補助費等の影響によるものである。物件費については民間委託の推進により今後さらなる増加が見込まれる。補助費等については全庁的な見直しにより今後適正化を図るところである。扶助費については、現時点では平均を下回ってるが、子育て施策の推進及び高齢化の進展により今後増加が見込まれる。
当市では、平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画において、今後10年間において公共施設の延床面積4.5%に相当する更新費用の削減を目標に掲げ、具体的な取り組みを推進するため、現在個別計画を策定中である。有形固定資産減価償却率は類似団体より低い水準にはあるが、老朽化が急速に進行する見込みであり、今後は個別計画に基づき長寿命化並びに施設の最適化を推進していく必要がある。
将来負担比率は、下水道事業をはじめとする公営企業債に対する繰入見込額、債務負担行為に基づく支出予定額等が減少したことにより、将来負担比率が算出されない(マイナス値)結果であり、今後も計画的な起債償還と財源確保を図り、将来負担の軽減に努めていく。また、有形固定資産減価償却率は類似団体より低い水準にはあるが、施設等を多く保有しているため、更新及び維持補修等に要する経費が多額となることが見込まれ、今後は個別計画に基づき長寿命化並びに施設の最適化を推進していく必要がある。
実質公債費比率は類似団体平均値を下回るとともに、将来負担比率は、3年連続で将来負担比率が算出されない(マイナス値)結果となっている。今後も財政措置が見込まれる起債の活用や高利債の借換え等を積極的に行うとともに、計画的な起債償還と財源確保を図り、将来負担の軽減に努めていく。
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