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地方消費税交付金が前年比で大きく増加したが、人口減少や少子高齢化等に伴う市税の減収や義務的経費である扶助費の増加により、財政力指数は前年度から0・01ポイント上昇したものの、依然として厳しい状況にあり、類似団体内順位においても下位に位置している。今後は、行財政運営にあたり、定員管理計画・行財政改革プラン・財政プラン等を着実に遂行し、歳入の確保・歳出の削減に努めていく。
経常収支比率は89.9%と、前年度と比較して1.2ポイント改善したものの、近年90%前後の高い比率で推移しており、財政構造の硬直化が続いている。人口減少や少子高齢化等に伴い市税や普通交付税収入が伸び悩む中、扶助費、公債費のほか、国民健康保険事業や介護保険事業等の社会保障関連の特別会計への繰出金等といった、義務的経費に充当される経常一般財源等の割合が増加傾向にあることが挙げられる。今後は、経常経費の圧縮に向け、行財政改革の取組による人件費等の減や事務事業の見直しなどの取り組みを継続していく。
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の一人当たりの金額は類似団体平均を下回っているが、これは定員管理計画に基づく職員数削減の取組みによる人件費の抑制や維持修繕費に含まれる除排雪経費が前年度と比較して減少したことが主な要因となっている。今後においても、行財政改革の取組による人件費等の減や事務事業の見直しなどの取り組みを継続していく。
国と比較して指数が低くなっている要因としては、給料表の級数が国と比較して少ないことが考えられる。しかし、本市においては、55歳超の職員の昇給について、標準成績であれば2号昇給としていることから、国に準じこれを改善し、さらに適正な給料月額の支給に努める。今後も、引き続き、市民理解が得られるような給与制度の運用に努めていく。
現在の定員管理計画(計画期間:平成23年度~平成27年度)においては、業務量が減らない中での人員削減は行わず、必要な退職者補充は行うことを原則としつつも、行財政改革プランの着実な実施、効率的な人員配置等により、適正な定員管理に努めてきたところである。また、この結果、計画期間の実績としては、5年間で57人減となり、目標を上回る削減がなされたもので、類似団体では最低水準を維持してきている。今後についても、住民サービスを維持し、安定的な行財政運営を行えるよう、これまでの定員管理に関する方針を継承しつつ、新たな視点も含めた次期定員管理計画を策定し、引き続き業務の効率化・見直しを進めながら、より適正な定員管理に努める。
これまで国の経済対策に呼応した公共投資の実施や大規模な施設整備事業の実施に際し、交付税措置のある比較的有利な市債の活用や公債費負担の平準化を図ってきたところであるが、単年度比でみると対前年度より1.3(平成26年度:13.7%、平成27年度:15.0%)ポイント増加し、前年度の算定値と比較すると0.4ポイント増の14.2%となった。今後においても、公共投資経費に充当する市債発行額を可能な限り抑制することなどを継続的に実施し、比率の抑制を図っていく。
地方債発行額が前年度を下回り、地方債現在高が減少したことや、退職手当負担見込額が減となったこと、また、交付税措置がある有利な市債の活用などにより、指標は前年度に比べ6.9%減の119.3%となっている。今後においても財政健全化のための取組みを推進し、比率の抑制を図っていく。
定員管理計画に基づく職員数削減の取組みにより人件費に係る経常収支比率は、類似団体の中で最も低くなっている。今後も、定員管理計画を基本としながら、青森市行財政改革プランに基づき、施設の管理体制の見直し、指定管理者制度の導入、アウトソーシングの活用などを更に推進し、人員の適正管理に努めることにより、人件費の抑制を図っていく。
物件費については、類似団体平均を下回っているものの、社会保障・税番号制度システム整備や庁内情報システム更新に係る経費の増などにより前年度と比較して0.5%増加している。また、近年においては増加傾向にあることから、今後も行財政改革プランに基づき、指定管理者制度の導入や各業務の外部委託の推進など、継続して経費削減に取り組んでいく。
扶助費のうち生活保護受給者数の減少や、臨時福祉給付事業の支給単価の減等により、扶助費に係る経常収支比率が前年度から1.1%減少している。しかし、全国平均よりも高い比率であることから、今後も高齢化社会の進展や、生活保護・児童福祉施策の課題に対して適宜対応していく必要があると認識している。
その他の経費の経常収支比率が類似団体平均よりも高い値で推移しているが、これは除排雪経費を含む維持補修費の高さが要因の一つとなっている。この除排雪経費については、毎年の降雪状況により、額の増減が大きいものの、契約方法の見直し等による経費抑制に努めていく。
補助費等については、前年度と比較して0.4ポイント減少しており、これは浪岡消防署の改築工事が終了したことや消防団車両購入が無かったことなどにより一部事務組合に対する負担金の額が大きく減少したことが主な要因となっている。また、年々減少傾向にあるが、これは行財政改革プランに基づく取り組みによる効果が現れてきたものであり、今後も行財政改革プランに基づき、経費削減に取り組んでいく。
国の経済対策に呼応した公共投資や新ごみ処理施設・小学校給食センターの整備などの大規模事業の実施に当たり市債を発行してきたことから、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を6.1%上回っている。今後も合併特例債事業や臨時財政対策債に係る償還もあることから、中期財政見通しにより、可能な限り将来的な数値を把握し、適正な公債費の管理に努めていく。
公債費以外の経常収支比率が類似団体平均よりも低い値となっているのは、継続して人件費の削減に努めていることが要因となっている。その一方で国民健康保険事業や介護保険事業等の社会保障関連の繰出金や物件費が増加傾向にあることから、その要因に着目し、削減可能な部分は削減する等の経費抑制に取り組んでいく。
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