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地方財政ダッシュボード

鹿児島県奄美市の財政状況(2017年度)

🏠奄美市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

・財政力指数(0.27)は昨年度決算と変わらないが,人口減少,高齢化や地域の産業低迷により財政基盤が弱く,依然として類似団体平均を大きく下回っている。今後とも,自主財源の確保に努めるため,地域経済の活性化を図る施策を展開しつつ,定員適正化計画に沿った職員数の適正化や,徹底した経費削減に取り組み,行政の効率化に努めることにより,財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

・経常収支比率(91.5%)は昨年度決算と比較すると,歳入の地方交付税が減少するとともに,歳出の人件費,扶助費,公債費がいずれも増加したため,1.1ポイント高くなったが,類似団体平均を下回っている。今後とも,自主財源の確保に努めるため,地域経済の活性化を図る施策を展開しつつ,定員適正化計画に沿った職員数の適正化,起債枠の遵守による公債費の抑制等により,経常収支比率の改善を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

・人口1人当たり人件費・物件費等決算額は昨年度と比較すると,庁舎建設や名瀬・住用地区給食センタ-整備事業に伴う物件費の伸びによって増えており,類似団体平均を上回っている。今後とも,公共施設の維持管理を含めて,積極的に指定管理者制度・民間委託を活用し,コストの低減を図っていく方針である。

ラスパイレス指数の分析欄

・ラスパイレス指数は,市の職員構成の変動が国に比べて大きいため,上回っている状況であるが,大量退職(平成25~30年度)時代を迎え,その差は縮小傾向にある。今後も大量退職を迎えるにあたり,年齢別職員構成の適正化と総人件費の縮減に努める。※参考「ラスパイレス指数」については,当該資料作成時点(平成31年1月末時点)において,平成30年地方公務員給与実態調査が未公表であるため,前年度数値を引用している。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

・人口千人当たり職員数は,名瀬地区,住用地区,笠利地区において総合支所方式を採用していることや,生活保護事務従事職員,空港管理事務所職員等を配置していることにより,類似団体平均を上回っている。今後とも,より効果的・効率的な行政サービスを提供するため,公共施設及び事務事業における指定管理者制度の導入や民間委託を積極的に推進し,より適切な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

・実質公債費比率は,庁舎整備事業や名瀬・住用地区給食センター建設事業に伴う地方債発行により,前年度と比べて0.2%高くなり,類似団体平均を上回った。引き続き,地方債現在高の縮減と,辺地債,過疎債,合併特例債などの有利な起債の活用を図り,同比率の改善に努める。

将来負担比率の分析欄

・将来負担比率は前年度と比較して0.4%減少したが,依然として類似団体平均を上回っている。主な要因は,設立法人の負債額等負担見込額や基準財政需要額算入見込額が減少したことなどである。公共施設の老朽化に伴う更新時期により,今後数年間は大規模なハード事業が続く見込みであるが,その後は起債枠の上限を堅持し,地方債現在高の縮減に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

・人件費については,給料,退職手当等の影響により,前年度決算と比べて50,834千円増え,経常収支比率も0.4%高くなったが,類似団体平均を下回っている。今後とも,定員適正化計画に基づき,本市において適正な職員数を維持し,総人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

・物件費に係る経常収支比率は,類似団体平均を下回っているが,前年度より0.2%増となっている。この要因は,前年度決算額に比べて、ふるさと納税事業関連経費(+193百万円)などが挙げられる。引き続き,本市において,平成19年度から実施している経常経費抑制策を継続し,各種経費の縮減に努める。

扶助費の分析欄

・扶助費については,前年度決算と比べて77,803千円増え,経常収支比率も0.2%高く,類似団体平均を上回っている。その要因は,生活保護費受給率が全国的にみても高く,また,介護給付等事業費(対前年比+114百万円)がサービス利用者増により,年々増加傾向にあるためである。今後とも,制度の適正な運用に努める。

その他の分析欄

・その他に係る経常収支比率は,前年度決算より0.1%低くなり,類似団体平均を下回っている。この主な要因は,維持補修費及び繰出金において,経常経費に充当した一般財源が減少したことによるものである。今後とも,各特別会計の事業の見直し等を含めて経費の節減に努め,繰出金の減少に努める。

補助費等の分析欄

・補助費等に係る経常収支比率は7.7%であり,前年度と比べて変わらず,類似団体平均を下回っている。今後とも,補助金等交付について見直しや廃止を含めた評価を行っていく方針である。

公債費の分析欄

・公債費については,庁舎建設事業の償還開始などにより,前年度と比べて7,700千円増え,経常収支比率も0.4%高くなっており,類似団体平均を上回っている。引き続き,大規模な事業が続くため,公債費は増加する見込みであるが,起債枠を考慮した実施計画に沿って事業を進め,健全な財政運営に努める。

公債費以外の分析欄

・公債費以外の経常収支比率は,類似団体平均,全国平均及び県平均を下回っているが,前年度より0.7%増加している。この主な要因は,物件費及びその経常経費に充当した一般財源が増加したことによるものである。今後とも,制度の適切な運用や各種経費の縮減に取り組み,健全な財政運営に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・総務費は,住民一人当たり124,936円となっており,引き続き,類似団体と比較して高い状況である。その主な要因は,庁舎整備事業費,ふるさと納税等活用事業費及び積立金(ふるさと応援基金,公共施設整備事業基金)の増加である。・民生費は,住民一人当たり292,593円となっており,類似団体と比較して高い状況である。決算額のうち,介護給付費に要する経費である社会福祉費が平成18年度から増加していることが主な要因である。これは,本市が障害福祉サービス事業に重点的に取り組んできたことによるものである。・労働費は,年々減少し,平成29年度には平成25年度の1/10程度となり,類似団体平均を下回っている。その主な要因は,緊急雇用創出事業臨時的特例基金事業の減少や,地方創生関連事業(総務費)への移行である。・商工費は,住民一人当たり32,158円となっており,近年において最も高い数値である。その主な要因は,奄美空港ターミナル整備事業,光ブロードバンド基盤整備事業や地域総合整備資金貸付事業の実施により大幅に増えたためである。・教育費は,住民一人当たり64,808円となっており,類似団体と比較して高い状況である。その主な要因は,名瀬・住用地区給食センター建設や金久中学校屋内運動場改築など教育関係施設建設による影響である。・災害復旧費は,住民一人当たり10,756円となっており,類似団体と比較して高い状況である。その主な要因は,平成29年に接近した台風被害(台風5号,18号,24号)や大雨被害によるものである。・公債費は,住民一人当たり91,226円となっており,引き続き,類似団体と比較して高い状況である。前年度決算より増加している要因は,庁舎整備事業など大規模なハード事業の当該年度元金償還開始によるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・物件費は,住民一人当たり60,778円となっており,前年度決算と比べて増加している。その主な理由は,ふるさと納税事業関連経費が伸びたことによる。・扶助費は,住民一人当たり215,618円となっており,類似団体,全国及び県平均を大幅に上回っている。その主な理由は,生活保護費受給率が全国的にみても高く,また,介護給付等事業費(対前年比+114百万円)がサービス利用者増により,年々増加傾向にあるためである。・普通建設事業は,住民一人当たり111,168円となっており,類似団体,全国及び県平均を上回っている。その主な理由は,庁舎整備事業や名瀬・住用地区給食センター建設事業による増加である。・災害復旧事業費は,住民一人当たり10,756円となっており,類似団体,全国及び県平均を上回っている。その主な理由は,平成29年に接近した台風被害(台風5号,18号,24号)や大雨被害によるものである。・公債費は,住民一人当たり91,226円となっており,引き続き,類似団体と比較して高い状況である。前年度決算より増加している理由は,庁舎建設など大規模なハード事業の当該年度元金償還開始によるものである。・積立金は,住民一人当たり29,806円となっており,前年度決算と比べて減少したが,類似団体と比較して高い状況である。その主な理由は,地方創生関連経費やふるさと納税等活用事業費の財源分の積立て,庁舎建設,平田浄水場整備及び名瀬・住用給食センター整備などの償還分の積立てによる。・投資及び出資金は,前年度決算に引き続き,類似団体と比較して高い状況である。これは,平成27年度から続く水道事業における浄水場建設事業への出資金による。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

・財政調整基金残高は,前年度剰余金等により,472,621千円積立を行ったため残高が3,971,172千円となり,前年度決算より標準財政規模(16,845,062千円)比0.46%増となった。・実質収支額は,翌年度に繰り越すべき財源(災害復旧事業費含む)144,336千円を除いた833,180千円となり,前年度決算より標準財政規模比0.51%減となった。減額要因には,翌年度に繰り越すべき財源が前年度決算と比べて増額になったことなどが挙げられる。・実質単年度収支は,単年度収支-93,360千円に積立金2,621千円を加え,積立金取崩額425,956千円を除いた-516,695千円である。前年度決算より標準財政規模比1.67%減となった。・今後とも,事務事業の見直しをさらに進めるとともに,歳出において経常経費削減等の行財政改革を推進し,歳入において税の徴収強化等を図り,単年度収支の改善に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

・国民健康保険事業特別会計(国保直営診療施設勘定特別会計を含む)の実質収支額は,前年度決算に比べて170,130千円上回り,標準財政規模比0.98%増となっている。この要因として,共同事業拠出金が前年度比約118百万円減少したこと,前期高齢者交付金及び療養給付費等交付金が増加したこと,前年度繰上充用金が減少したことなどが挙げられる。引き続き,医療費の適正化と国民健康保険税の適正な徴収に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

・実質公債費比率(分子)の主な増加要因には,前年度決算と比べて,元利償還金の額が78,662千円,公営企業債の元利償還金に対する繰入金が20,074千円それぞれ増え,元利償還金等(A)総計が88,935千円増額となったことが挙げられる。今後とも,公債費による財政負担の度合いを高めないよう努める。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

・将来負担比率(分子)の主な減少要因には,前年度決算に比べて,地方債の現在高が1,677,924千円,公営企業債等繰入見込額が251,785千円増えたことなどにより,将来負担額(A)総計が1,444,775千円増額となったが,一方で,充当可能基金が568,488千円,基準財政需要額算入見込額が858,056千円増えたことなどにより,充当可能財源等(B)総計が1,595,192千円増額したことが挙げられる。今後とも,公債費など義務的経費の削減を中心とする行財政改革を推進し,財政の健全化に努める。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)・基金全体の残高が前年度決算より増えた理由は,財政調整基金,減債基金及びその他特定目的基金のいずれの基金も,積み立て額が繰り入れ額を上回っており,745,261千円増えた。(今後の方針)・基金全体の方針として,基金の目的に沿った事業の財源として必要な額を繰り入れるとともに,引き続き,基金積み立てを図っていく方針である。

財政調整基金

(増減理由)・財政調整基金残高が前年度決算より増えた理由は,平成29年度中の台風や大雨被災による災害復旧等で,財政調整基金繰入額が425,956千円生じたが,前年度決算剰余金等を472,621千円積み立てたため。(今後の方針)・地方交付税の激変緩和期間後の一本算定に備えるとともに,災害対応等の財源を確保するため,引き続き,財政調整基金への積み立てを図る方針である。

減債基金

(増減理由)・減債基金残高が前年度決算より増えた理由は,庁舎整備事業等に係る地方債償還のために28,220千円を繰り入れたが,平田浄水場整備事業,名瀬・住用地区給食センター建設等に係る地方債償還財源分を確保するために129,391千円積み立てたため。(今後の方針)・当面の間,大規模なハード事業(名瀬・住用地区給食センター建設,市民交流センター建設事業等)が見込まれることから,引き続き,地方債償還財源を確保するために積み立てを図る方針である。

その他特定目的基金

(基金の使途)・庁舎整備基金は,奄美市庁舎の計画的な整備に必要な資金を積み立てるために設置された基金である。・合併まちづくり基金は,旧名瀬市,旧住用村及び旧笠利町の合併に伴う住民の一体感の醸成並びに個性ある地域・集落の活性化及び均衡ある発展に資するために設置された基金である。・地域振興基金は,奄美市の地域振興に要する経費に充てるために設置された基金である。(増減理由)・庁舎整備基金残高が前年度決算より増えた理由は,平成29年度の庁舎整備事業の財源及びその地方債償還分として76,673千円繰り入れたが,後年度の庁舎整備事業の財源及びその地方債償還分として200,062千円を積み立てたため。・地域振興基金残高が前年度決算より減った理由は,配当金など28,565千円を積み立てたが,地方創生関連事業及び世界自然遺産登録推進事業などの財源として328,260千円繰り入れたため。(今後の方針)・庁舎整備基金においては,引き続き,庁舎整備事業の財源及びその地方債償還分を確保するために積み立てるとともに,必要に応じて庁舎整備基金から繰り入れる予定である。・地域振興基金においては,地方創生を推進する期間(平成32年度末まで)の地方創生関連経費などの財源として繰り入れを見込むとともに,その財源確保のための積み立てを図る方針である。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本市では公共施設の老朽化が進んでおり有形固定資産原価償却率は他団体より高い水準にある。今後,将来の更新費用について財源を確保するため奄美市公共施設整備基金への積立を行っていくとともに各公共施設について点検・診断,長寿命化計画の策定をすすめ適正な施設管理に努める。

債務償還可能年数の分析欄

債務償還可能年数については本庁舎建設事業,名瀬・住用地区給食センター建設事業等の大型事業に伴う地方債発行による地方債残高の増加もあり,他団体平均を上回っている状況である。「奄美市財政計画」による地方債発行枠(36億円)を堅持し債務償還可能年数の縮減に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については退職手当負担見込額の減少,基準財政需要額算入見込額の増加などにより昨年度より0.4ポイント改善している一方,有形固定資産減価償却率については公共施設の老朽が進んでおり他団体平均より高くなっている。今後,本庁舎建設事業など大型公共施設の着工や将来の公共施設の更新に係る地方債の発行額が増加することにより将来負担比率の上昇が見込まれ,地方債の償還財源,更新費用の財源を確保するため奄美市公共施設整備基金,奄美市減債基金,奄美市庁舎整備基金への積立を行っていくとともに各公共施設について点検・診断,長寿命化計画の策定をすすめ適正な施設管理に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については退職手当負担見込額の減少,基準財政需要額算入見込額の増加などにより昨年度より0.4ポイント減少した。実質公債比率は昨年度より公営企業に関する繰出金の増加,臨時財政対策債発行可能額の増加等により0.2ポイント増加した。本庁舎建設事業等の大型公共事業が着工したことにより地方債の発行額及び償還額が増加する見込であり,将来負担比率・実質公債比率共に上昇することが予想されるが,奄美市第2次財政計画で定めた起債発行枠を遵守することにより将来負担比率や実質公債比率の低減に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が60%を超えている公民館,児童館,公営住宅,橋りょう・トンネル,認定こども園・幼稚園・保育所については,優先的に更新の計画を策定する必要がある。このうち公民館においては減価償却率が94.8%かつ一人当たり面積が類似団体の平均を下回っているため,とくに更新の緊急性・必要性が高いと考えられる。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が約70%を超える保健センター・保健所,福祉施設,市民会館,体育館・プールについては優先的に更新計画の策定が必要と考える。保健センター・保健所においては耐用年数を過ぎ,一人当たり面積も平均より著しく低く,とくに更新の緊急性・必要性が高いと考える。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては,資産総額が前年度末から3,149百万円の増加(+1.9%)となった。増加額の主なものは事業用資産であり,庁舎整備事業等の実施による資産の取得額が,減価償却による資産の減少を上回ったこと等による。負債総額が前年度から1,339百万円の増加(+3.1%)となったが、増加額の主なものは地方債の増加(1,678百万円)である。特別会計を加えた全体では,資産総額が前年度末から6,173百万円の増加(+3.4%)となり,負債総額が前年度から1,130百万円の増加(+2.2%)となった。一部事務組合等を加えた連結では,資産総額は前年度末から7,897百万円増加(4.2%)し,負債総額は前年度末から2,885百万円増加(5.5%)した。今後,庁舎建設事業等の大型事業が継続することから資産・負債ともに増額が見込まれるため,「奄美市財政計画」による地方債発行枠(36億円)の堅持,将来の償還財源の基金への積立,経常的経費の削減など,健全な財政運用に努める。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において経常費用は25,786百万円となり,前年度比125百万円の減少(△0.5%)となった。そのうち人件費等の業務費用については10,941百万円,社会保障給付等の移転費用については14,845百万円であり,移転費用の方が業務費用よりも多い。最も金額が大きいのは社会保障給付の8,129百万円であり,純行政コストの23.9%を占めている。全体では水道料金を使用料及び手数料に計上しているため,一般会計より経常収益が1,205百万円多くなっているが,国民健康保険や介護保険の給付費を補助金等に計上しているため,移転費用が9,354百万円多くなっている。連結では全体と比較し経常収益が905百万円多くなる一方,経常費用が5,773百万円多くなった.。また臨時利益が33百万円,臨時損失が3百万円多くなったことにより純行政コストは49,085百万円となった。今後も高齢化の進展などにより、介護給付等事業費等のサービス利用者増加が見込まれることから,介護給付適正検討委員会等によるサービス給付の適正化や事業・制度の適正な運用に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計においては、税収等の財源(26,533百万円)が純行政コスト(33,965百万円)を下回っており,本年度差額は△7,431百万円となるが,資産の無償所管換等による10,696百万円の増があったことから,純資産残高については前年度末と比べ1,810百万円増の128,547百万円となった。全体では,国民健康保険特別会計,介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから,一般会計と比べて財源が10,551百万円多くなっており、本年度差額は△7,162百万円となり,純資産残高は136,796百万円となった。連結では一部事務組合等の歳入が含まれることから,全体と比べて財源が4,820百万円多くなったものの、純行政コストが△4,838百万円となったことから本年度差額は△7,179百万円となり、純資産残高は139,651百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては業務活動収支は2,405百万円であったが,投資活動については,本庁舎建設事業,給食センター建設事業等の事業を行ったことから,投資活動収支は△4,008百万円となった。財務活動収支については1,619百万円で,地方債の発行収入が5,398百万円,地方債償還支出が3,720百万円となった。全体では,一般会計等と比較し業務活動収支は434百万円多い2,839百万円となっている。投資活動収支では、簡易水道事業,下水道事業等の事業を行ったことから△4,863百万円となった。財務活動収支は1,925百万円となった。連結では,全体と比較し業務活動収支は1,265百万円少ない1,573百万円となっている。主なものとして移転費用支出における社会保障給付支出6,061百万円増えるなど、業務支出の増が大きかったことによる。投資活動収支は△3,789百万円となり,財務活動収支は3,733百万円となった。今後,財務活動収支について本庁舎建設事業,給食センター建設事業,市民交流センター建設事業等に係る地方債の償還額の増加により財務活動支出の増加が見込まれるところであり,奄美市減債基金,奄美市庁舎整備基金への積立を行い償還財源の確保に努める。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

「住民一人あたり資産」については,類似団体平均を上回る結果となった。資産額が増えた主な要因としては、施設の老朽化を抱えていることから,施設の長寿命化・改修等を実施したためであり、前年度末に比べて住民一人当たりの資産額は11.4万円の増加となった。「歳入額対資産比率」については,類似団体平均を上回る結果となったが、前年度と比較すると歳入額対資産比率は△0.1年減少することとなった。「有形固定資産減価償却率」については,老朽化した公共施設等に対し長寿命化・改修を実施したこと等により,前年度より△2.1%となっているものの、更新時期を迎えた施設が多いことから類似団体と比べ高い水準にある状況となっている。今後、将来の更新費用について財源を確保するため奄美市公共施設整備基金への積立を行っていくとともに各公共施設について点検・診断,長寿命化計画の策定をすすめ適正な施設管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

「純資産比率」については類似団体平均値を上回っているものの、前年度と比べ△0.3%となった。また,「将来世代負担比率」については類似団体平均値を下回っている。今後,予定している大型事業(本庁舎建設事業・給食センター建設事業・浄水場建設事業)に伴う地方債残高の増加により,「純資産比率」の減少及び「将来世代負担比率」の上昇が見込まれるため、「奄美市財政計画」による地方債発行枠(36億円)の堅持,将来の償還財源の基金への積立,経常的経費の削減など,健全な財政運用に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

「住民一人当たり行政コスト」については類似団体平均値を上回っており,主な要因として純行政コストのうち24%を占める社会保障給付によるものと考えられる。今後,社会保障給付のうち介護給付等事業費がサービス利用者増により年々増加することが見込まれるため,介護給付適正検討委員会等によるサービス給付の適正化をすすめ、制度の適正な運用に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

「住民一人当たり負債額」は類似団体を上回っており,前年度と比べ4.2万円増加している。今後,計画的な起債及び償還によって,地方債残高の減少に努める。「基礎的財政収支」については投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったことから,△591百万円となった。主な要因として,区画整理事業や本庁舎建設事業等の整備を行ったことによる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

「受益者負担比率」については,類似団体平均値を上回っている状況であり,経常費用の減価償却費は2,226百万円となっている。今後,経常費用のうち維持補修費等の増加が見込まれることから,各公共施設の点検・診断,長寿命化計画の策定をすすめ適正な施設管理に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,