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地方財政ダッシュボード

愛媛県久万高原町の財政状況(2017年度)

🏠久万高原町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

人口減少や47%を超える高齢化率に加え、基幹産業である農林業の低迷が依然として続き、財政基盤も弱く全国市町村平均や類似団体を大きく下回っている。歳出面では、職階の短縮、一般職5%給与カット、特別職の一部報酬減等による人件費削減、歳入面においては、分担金・負担金を見直すことや税・使用料の収納率の向上に取り組んできたが、今後においても、財政規模に応じた職員数の適正化や農林業の基盤整備による生産量の拡大に努め、「いつまでも住み続けたい、住んでみたいまちづくり」を展開しつつ、財政改善実行プランに基づき健全化を図る必要がある。

経常収支比率の分析欄

平成29年度は前年度から3.7%上昇し87.3%となった。普通交付税の減額によるもののほか、物件費や扶助費の増額が経常収支比率の上昇の主な原因として影響している。普通交付税は、対前年比で2億6千万円(-5.8%)減少し、物件費が7千9百万円(5.6%)、扶助費は3千5百万円(5.2%)の増額、投資及び出資金・貸付金が2億6千8百万円(-740.5%)減額となっている。人口は減少するものの今後必要となるコストは一定の規模を維持し続けるものと予想され、また施設の老朽化が深刻であり、将来にわたってコストの削減が図られるよう、公共施設等総合管理計画に基づいて施設の適正化を図っていく必要がある。さらに、経常収支比率の算定を大きく左右する普通交付税の段階的削減が実施されており今後の普通交付税が確実に減少していくため、より一層歳出規模の適正化を進めていかなければならない。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

主に人件費が要因となり、全国平均や県平均と比較しても約3倍の決算額となっている。また昨年に引き続き、類似団体の中でも高い水準に位置している。主な要因としては、町村合併に伴い一部事務組合から引き継いだ消防本部や養護老人ホームやごみ処理施設等の運営を町独自で実施することとなったため、職員数が増加したことに伴う人件費や、その施設の維持管理費が増加したことなどが挙げられる。さらに、過疎・少子高齢化等に伴う人口減少により、人口一人当たりの決算額数値を引き上げている。

ラスパイレス指数の分析欄

平成23年度より国の給与水準引き下げにより高水準となっていたが、国給与制限解除以降は低水準となった。前年度と数値は変わらず、類似団体平均値より低い値となっている。今後も人事評価制度の運用により、給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成16年8月に町村合併、翌年1月の一部事務組合解散による職員受入があったことから、職員数については、相当数の増となっていたが、一般行政職員の採用凍結の実施、定年退職等により減少を重ねてきたところであるが、依然として全国平均・県平均との比較では突出して職員が多く、人口1,000人当たり職員数は3年連続で類似団体の中では最も多く、平成29年度は28.82人となっている。県内最大面積の本町では、集落点在による行政効率が悪く、行政サービスの低下を招かないためにも多くの職員数が必要であるが、経常的固定経費の維持が財政硬直化の最大要因となることから事業規模に応じた定員適正化を今後においても進める必要がある。

実質公債費比率の分析欄

前年度比0.2%悪化した。要因としては、平成29年度から過去の大規模事業の償還が開始となったことが大きい。引き続き地方債の借入限度を設けるなど抑制を継続し比率改善を目指していく。

将来負担比率の分析欄

昨年度に引き続きゼロとなっている。主な要因としては、昨年度に引き続き地方債現在高、公営企業への繰入見込額が大幅に減少し、退職手当負担見込額の負担額、債務負担行為に基づく支出予定額についても減少した。充当可能財源等についても、基準財政需要額算入見込額が大幅に減額となっているが、前年度に引き続き充当可能財源額が将来負担額を上回り、将来負担比率は表れない結果となった。人口減少や合併後の縮減により普通交付税の削減が見込まれ、財政の硬直化が進むため、現状の財政規模を維持する場合は、地方債の発行額の増加や基金の取り崩しを行いながら維持しなければならないことが懸念されるため、中長期的に段階を踏まえた財政改善を進めることとしている。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

町村合併に伴い一部事務組合の職員の身分をそのまま引き継いだことにより、町の規模に対して職員数が増大し、経常収支比率を押し上げる要因となっている(32.1%類似団体平均22.8%)が、職員の定員管理や給与の適正化等に努めており、町村合併を行った平成16年度と比較して、職員数や職員給与費は着実に減少している。今後も引続き職員の適正な人員配置や定員の適正化を図り、人件費の削減に努める。

物件費の分析欄

物品(車両や消耗品等)や契約等の一元化に取り組み、コスト削減を図ってきたところである。平成29年度においては臨時職員の増加に伴う賃金増の影響等により、経常収支比率が0.4%増となっている。地理的要因により行政効率が悪いうえに、公共施設の指定管理者制度の導入やごみ処理等の委託業務によって、今後増加する要因も見込まれ、より経費節減に取り組む必要がある。

扶助費の分析欄

扶助費については、概ね横ばいに推移しており、平成29年度は前年度比0.2%増となっている。扶助費についてはその年度の需要によって左右されることが多い。全国平均と比較しても低い状況であるが、町の高齢化率から見れば、今後は医療扶助の増加は回避できず、今後も上昇が続くとも思われる。町単独扶助事業の効果検証を行うなどし改善を進める必要がある。

その他の分析欄

その他については、国民健康保険や介護保険や下水道事業など特別会計への繰出金が主なものである。平成29年度において0.7%増となったのは、特別会計等への繰出金が増加したことによる。今後も各事業において、効率的かつ合理的な経費削減に努めるとともに、公営企業については独立採算の原則のもと経営努力する必要がある。

補助費等の分析欄

補助費等については、徹底した補助見直し等により平成27年度までは全平均値よりも低い水準を保ってきた。平成28年度については公営企業繰出金を補助費等へ振り替えた影響により大幅に上昇したが、平成29年度は補助見直しを継続して進めていることにより0.6%の減となっている。今後も定期的に費用対効果を検証するなどして、廃止・見直し継続等のメリハリのある判断が必要である。

公債費の分析欄

町村合併時に整備した事業により地方債現在高が増加していたが、公債費適正化計画の着実な実行によって公営企業債の元利償還金に対する繰入金を合わせても類似団体の平均水準以下まで改善されてきている。今後も中長期を見据えた地方債の新規発行の適正化に努め、身の丈に合った規模の普通建設事業を進めることで、安定レベルの公債費負担を維持することとしている。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、類似団体平均と同水準でほぼ横ばいで推移している。比率を押し上げる要因としては、人件費、物件費が主なものである。普通交付税が歳入の大半を占め、財政的に脆弱な当町であるが、必要最小限の経費で最大の効果が得られるよう創意工夫し、住民サービスを低下させることなく質を高め、今後も経常的経費の削減に努めることはもちろんのこと、中長期的な視点で行財政運営の健全化に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費において高額となった要因としては、防災減災基金の積立金として7億円計上したことが挙げられる。民生費及び衛生費において住民一人当たりのコストが高額となっている要因としては、性質別の分析でも突出していた繰出金と同様の理由と分析される。民生費に関しては高齢化や子育て支援により社会保障分野経費の増額も影響があると考えられる。農林水産業費において、本町の特徴として農林業が基幹産業でありコストが高額となっている。基盤整備による生産量の拡大に努め、担い手の育成や6次産業化に向けて取り組んでいるところである。消防費において、消防本部新庁舎新築工事が完了したことにより類似団体平均との差は大幅に縮小したものの、依然コストが高額な状態にある。教育費において、平成28年度着工した学校給食センター改築工事が繰越されたこと及びえひめ国体開催年であったことにより開催経費が増となった。これらは一時的なものであるが今後も施設の更新及び修繕等が予定されており教育費の一人当たりのコストが高額となると考えられる。災害復旧費において、台風等自然災害の発生が多かったことによりコストが上昇した。また、公債費も大型事業の償還が順次始まるためコストが高額になってきており、今後しばらくこの傾向は続く見込みである。今後も年度によって、政策的な要因で目的ごとの決算額は異なるが、基本的な方針として、財政改善実行プラン等に基づき、事務事業の見直し、施設の統廃合など歳出の合理化等行財政改革を推進し、健全な行財政運営に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

類似団体の住民一人当たりのコストと比較して人件費、物件費、災害復旧事業費、繰出金が大きく上回っている。人件費は、合併した1町3村の職員を、また一部事務組合の職員を引き継いでいるため、職員数が類似団体と比較して多くなっており、人口一人当たりの決算額が高い数値となっている。職員の計画的な採用により、職員数、職員給与費は着実に減少しているが、引き続き定員適正化に努める。物件費は、近年増加傾向にあり、指定管理者制度の導入やごみ処理の委託化等において一人当たりの物件費が高いものとなっているが、委託により人件費などの削減が見込まれるために今後も各事業のトータルバランスを判断していく必要がある。災害復旧事業費については、自然災害(台風等)の多発により被害が多くなりコストが上昇している。繰出金については、国の繰出基準に準じて特別会計及び企業会計へ繰出しを行っているが、この繰出金により特別会計の収支に均衡が保たれている現状であるため、早急な減額は難しいものがある。そのために各特別会計においては効率的かつ安定的な経営に取り組み、年間の繰出金が抑制されるように努める必要がある。特に公営企業に関しては、新公立病院改革プランや経営戦略に基づき、独立採算の原則のもと経営改善を図る必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

町村合併時より普通交付税の合併特例措置の縮減・終了を見据えた財政運営に取り組んでおり、標準財政規模に占める財政調整基金残高の割合は、平成19年度以降、増加してきたが、H29年度は7.89%減少した。また、実質単年度収支についても、黒字を保ってきたが、H29年度は大幅にマイナスとなった。これは積立金の取り崩しを10億5千万円行ったことによるものである。今後の財政状況についても厳しいことが見込まれるが、町の規模に見合った財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

特別会計は全13会計とも黒字決算となっているが、一般会計からの繰入金(全特別会計で総額14億3千3百万円)によって収支の均等が保たれているのが現状である。今後も安定的な運営を目指すべく、事業の効率化や利用料金の適正化等を検討していく必要性がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

実質公債費比率は、前年度比0.2ポイント増の11.1ポイントとなった。増加となった要因は、普通会計における元利償還金が前年度より37,967千円の増となったこと、普通交付税が260,743千円の減となったことが大きい。増加しているものの、現状は公債費適正化計画に基づき普通建設事業に係る地方債発行の抑制効果が数値に反映されている状況であると言える。今後は大型事業の償還が開始となり、地方債元利償還金が一時的に増額となるが、引き続き借入限度額を設けるなど抑制を継続し健全化に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

実質公債費比率と同様に、一般会計等に係る地方債の現在高が大きく減少しているのが主な要因となっている。この減少となる取り組みも実質公債費比率の構造で説明した内容と同様である。また、節減に努め、財源不足に陥らないよう財源を捻出し、充当可能基金を増額してきたことも改善が図れた要因としては大きいものと考えられる。今後は普通交付税の減少も確実であるため、充当可能基金については増加は見込めず、しばらくは緩やかに減少するものの将来的には悪化する恐れもあり注視が必要である。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)基金全体で、残高のピークがH28年度で、H29年度からは減少に転じている。これは、予算編成時の財源不足分がH29から生じ、その補填のために財政調整基金の繰り入れが必要となってきたことと、近年の自然災害の増加に伴う復旧費に基金を充てたためである。また、特定目的基金は国体開催、学校給食センター建築、消防施設整備、し尿処理施設延命化工事等の事業充当のため取り崩しを行っており、総額で減少してきている。(今後の方針)今後は、高齢化、過疎化により自主財源が乏しい上、町の主要財源の交付税が合併算定替えによる算定の終了と人口減少によって減収していくことから、厳しい財政状況が続くと見込まれ、基金による財源調整が必要となるため減少傾向が続く。特定目的基金を再編し、目的に沿った基金活用を行う。また、積み立て財源が予算内で確保できれば積み立てを行い、必要な事業執行が今後も続けられるように備える。

財政調整基金

(増減理由)増加の要因は、歳計剰余金の積み立てと基金の預金利息によるものが大きい。H29年度は、当初予算編成時の財源不足分の補填、台風5号・18号・21号・22号の災害復旧事業財源、防災減災基金の創設財源としての取り崩しを行った。(今後の方針)予算編成時の財源不足が年々顕著になっており、今後は財源調整のための取り崩し額が増加すると見込まれる。基金額は10年前のH19年度と比較して約30億円程増加したが、これは、近年増加している災害への備えと、合併算定替え終了後の普通交付税の減少を見込み、財源不足に陥らないように積極的な積み立てを行ったものである。今後の積み立ては、歳計剰余金のみとなる見込みだが、運用を定期預金に頼らず債権運用の額を増やすなどして少しでも積み立て財源の確保を行っていく。

減債基金

(増減理由)微増であるが、これは基金の預金利息による増加である。(今後の方針)現在繰上償還を予定しておらず、当面は積み立て、取り崩しともになく、現状維持の方針である。

その他特定目的基金

(基金の使途)町の事業執行に必要な特定目的基金がH29年度現在22基金ある。学校、福祉、農林、環境、防災などそれぞれの目的に沿った基金から、年間の予算に必要とする財源を繰り入れて活用している。(増減理由)H28に対前年度-144百万円となった要因は、えひめ国体準備基金(国体費用)-21百万円、消防基金(消防施設整備)-273百万円、環境保全基金(し尿処理施設延命化工事等)-81百万円及び30百万円の積み立て、学校教育施設整備基金の+100百万円の積み立てである。H29に対前年度+523百万円となった要因は、防災減災基金の創設+700百万円(防災情報伝達システムや公共施設の耐震化、除却を目的に創設)、学校教育施設整備基金の積み立て+126百万円及び取り崩し-165百万(学校給食センター建築)、環境保全基金の取り崩し-81百万円(し尿処理施設延命化工事等)、えひめ国体準備基金(国体費用)の取り崩し-31百万円であるその他の基金は、事業内で収入があった場合及び運用利息を積み立て、事業執行時に取り崩しをしている。(今後の方針)H30年度末に特定目的基金の再編を行い、22⇒17に整理する。今後の財政計画に沿った財源調整に活用するため各基金の取り崩し及び積み立て見通しを行い、計画的かつ適正な管理を行う。また、目的が終了した基金は適宜廃止していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成26年度に策定した公共施設等総合管理計画において、老朽化した施設の集約化・複合化や除却により施設総量を縮減し、将来の更新費用を削減することを目標としている。しかし、有形固定資産減価償却率は類似団体より高い水準にあり、今後は計画の進捗管理や見直しを実施することが必要である。

債務償還可能年数の分析欄

債務償還可能年数については、類似団体、県平均よりも低い数字となっている。今後については大型事業実施に伴う将来負担額の増加及び基金残高の減少等の要因により数値は上昇していく見込みであるが、引き続き健全な状態を維持できるよう努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

地方債の新規発行を抑制してきた結果、順調に将来負担比率が低下してきた。一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高く、上昇傾向にある。公共施設等総合管理計画に基づき、今後は老朽化対策に積極的に取り組んでいくことが必要である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は類似団体と比較して高いものの、将来負担比率はゼロとなっている。これは、公債費適正化計画に基づき普通建設事業に係る地方債発行の抑制効果が数値に表れている状況である。今後は、大型事業が続くこと及び償還が始まることから元利償還金が大きくなるが、引き続き健全化に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較してすべての施設において、有形固定資産減価償却率が高くなっている。特に工作物の道路・橋梁・トンネルはかなり減価償却が進んでおり、建物は公民館が80.2%と非常に高い。本町は林業の町であり、木造の建物が多く、特に学校等は木造化に進んで取り組んできた。木造の耐用年数が短いということも減価償却率が高い要因のひとつである。さらに、人口減少により一人当たりの面積も多い状況にあり、今後は公共施設等総合管理計画に基づき、保有施設の総量縮減、統廃合・複合化を推進し、更新整備に要する経費を抑制する必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

平成9年3月に建築された図書館は町内に1つであり木造の建物であるため、耐用年数が短く減価償却率が88.2%と非常に高い。また、福祉施設の1つである入野福祉館は木造であり、耐用年数を超えていることから、非常に高くなっている。福祉施設であるもう1つの養護老人ホームも、鉄筋コンクリート造ではあるが昭和57年3月に建築されたため、減価償却率が高くなっている。消防施設は、消防庁舎を平成28年度に建て替えを行ったため、減価償却率が58.4%から17.7%へと低下した。庁舎においては、今後、支所の老朽化により面河支所、柳谷支所が既存施設へ移転している。引き続き公共施設等総合管理計画に基づき、保有施設の総量縮減、統廃合・複合化を推進し、更新整備に要する経費を抑制する必要がある。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産総額は前年度から556百万円の減少となっている。変動額の大きいものは財政調整基金であり、防災減災基金の積立財源として7億円を取り崩したことが要因となっている。一方で、建物の老朽化は高い水準で推移しており、令和2年度末までに策定予定の個別施設計画を見据え、優先順位を決めて、施設の維持管理方針を検討していくこととしている。負債については、259百万円の減少となっており、減少額の内訳については、地方債の減少(△110百万円)及び1年内償還予定地方債の減少(△92百万円)が主な要因となっている。地方債の減少は、臨時財政対策債△125百万円、学校教育施設等整備事業債△95百万円、財源対策債△53百万円が主な要因である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の経常費用の内訳としては、人件費が1,960百万円、物件費等が3,280百万円、その他の業務費用が119百万円、移転費用が2,817百万円であった。現状は物件費等が割合としては最も高くなっているが、今後高齢化が進むにつれて扶助費等の支出割合も増加する事が考えられる。そのため物件費等のコストの縮減等を検討する必要がある。また減価償却費は平成28年度決算で1,366百万円に対して、平成29年度決算では1,475百万円と約8%増加している。施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努めることとする。経常費用8,177百万円に対して経常収益は544百万円であった。経常コストから経常収益を差し引いた純経常行政コストは7,633百万円であった。全体の経常費用の内訳としては、人件費が2,977百万円、物件費等が4,405百万円、その他の業務費用が325百万円、移転費用が4,548百万円であった。連結の経常費用の内訳としては、人件費が3,278百万円、物件費等が4,692百万円、その他の業務費用が395百万円、移転費用が6,085百万円であった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(7,340百万円)が純行政コスト(7,790百万円)を下回ったことから、本年度差額は▲450百万円となり、純資産残高は298百万円の減少となった。純行政コストが増加し、税収等を主とした財源が減少したこと等が純資産の減少の主な要因となっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等は、投資活動収支が△491百万円となっている。投資活動収支については前年度と比較して投資活動支出、投資活動収入ともに大幅に増加している。増加の原因については基金積立金支出は防災減債基金を新設して7億円を積み立てたこと、基金取崩収入は学校教育施設整備基金を取り崩して久万学校給食センター建設事業費に充当したこと等によるものである。全体の投資活動収支は△250百万円となっている。一般会計等と比較すると、収支のマイナス額は減少しているが、病院事業における医療機器整備事業や、老人保健施設あけぼのでの空調及びボイラーの更新により投資的経費が発生している。連結の投資活動収支が△174百万円と支出が大きく上回っている主な要因は、各団体で資産の取得や基金の積み立てを行ったことが考えられる。業務活動収支については、前年度と比較して一般会計・全体・連結全てで減少している。投資活動収支については、一般会計・全体・連結全てで増加傾向にあり、財務活動収支は一般会計・全体・連結全てでほぼ横ばいの傾向であった。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

資産額合計は前年度と比較して減少しているが、人口減少により住民一人当たり資産額は前年度より増加している。しかし、老朽化した施設が多く、将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、平成26年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、今後40年間の取組として公共施設等の集約化・複合化を進めることにより、施設保有量の適正化に取り組む。有形固定資産減価償却率については、昭和40年代頃に整備された資産が多く、整備から約50年が経過して更新時期を迎えていることなどから、類似団体より高い水準にある。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均をやや下回っている。負債の大半を占めているのは、地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債である。また、市町村合併に伴い必要となった施設の整備を合併特例債を財源として進めたことで、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率が、一時的に類似団体平均と比べて高くなっていたが、起債総額の抑制を実施したことにより地方債残高は減少傾向にあるため、前年度と比較して横ばいとなっている。なお、資金調達に当たっては、地方財政措置の有利な地方債を充てているため、実質的な将来世代の負担は軽減される見込みである。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を下回っている。しかし、前年度と比較では、純行政コストの増加と人口の減少により増加している。市町村合併により保有する施設数が多いことから、物件費等、特に減価償却費が大きいことが、住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっていると考えられる。公共施設等の維持管理経費及び老朽化に伴う大規模改修・更新費用を確保することは困難であり、すべての公共施設等を将来にわたって維持することは不可能な状況であることから、長期的な視点で適正配置に取り組む。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っている。平成17年の市町村合併以降発行している合併特例債の影響が大きい。合併特例債は、元金及び支払利息の70%が地方財政措置により地方交付税として後年度に手当される有利な財源となっていることから、実質的な負担額はより小さいものとなる。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため、164百万円となり、類似団体平均を上回っている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、久万学校給食センター改築事業など公共施設等の必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体よりも高くなっている。経常費用の中でも減価償却費の占める割合が大きく、今後は維持補修費の増加も見込まれることから、公共施設等総合管理計画や今後策定予定の個別施設計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化を行うことにより、経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,