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地方財政ダッシュボード

鳥取県岩美町の財政状況(2020年度)

🏠岩美町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 農業集落排水 漁業集落排水 個別排水処理 国保岩美病院


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

人口減少、少子高齢化により生産年齢人口が少ないこと、また、産業規模が比較的小さいことなどから、税収が少なく、地方交付税への依存度が高くなっており、財政力指数は類似団体平均を下回っている。引き続き、人口減少の抑制や産業の振興など、地域創生の取組を推進することにより、財政基盤の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

歳出では、地域活性化事業債(ケーブルテレビ網整備事業)等の償還終了に伴う公債費の減や、公共下水道事業における資本費平準化債の借入に伴う繰出金の減など、歳入では、普通交付税の増加などにより、経常収支比率は、前年度より2.9ポイント減少した。今後は、過疎対策事業債償還費の増により、再び公債費の増加を見込んでいるため、引き続き、経常経費の見直し・削減や財源確保に努める必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費は、会計年度任用職員制度の開始に伴い、給与費が物件費(賃金)から人件費(報酬)に振り替わったことなどにより、全体で250,938千円増加(20.9%増)した。一方、物件費については、会計年度任用職員制度への移行に伴う賃金の皆減や地籍調査事業の減少などにより、全体で166,735千円減少(15.4%減)した。引き続き、定員適正化計画に基づく適切な定員管理を行うとともに、業務の合理化・効率化による経常経費の抑制に努める必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

基本的に人事院勧告をベースにしながら給与改定を実施しており、年々減少傾向にある。引き続き、適正な給与水準を維持する。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

現状では、定員適正化計画にける定員を満たしていない状況であるが、人口1,000人当たり職員数は類似団体平均を1.59人上回っている。町勢や業務の内容を考慮すると、計画に沿って増員する必要があると考えられるが、併せて、機構改革や事務事業の整理、さらにはデジタル技術の活用等により業務の合理化・適正化を進める必要がある。

実質公債費比率の分析欄

元利償還額(-10.0%)及び準元利償還金(-15.2%)の減少により分子数値が減少し、分母となる標準財政規模が増加したことなどにより、単年度での実質公債費比率は対前年度比3.3ポイント減少し、3か年平均値では1.0ポイントの減となった。しかしながら、類似団体平均と比べると、依然として高い数値で推移しており、地方債残高の適切な管理と、公営企業の経営改善を進めるなど、公営企業も含めた公債費負担の適正化を進める必要がある。

将来負担比率の分析欄

地方債残高(-0.8%)や公営企業債等繰入見込額(-9.0%)が減少したほか、充当可能基金(+12.8%)や標準財政規模(+4.1%)が増加したことにより、将来負担比率としては、対前年度比12.3ポイントの減となった。数値としては、年々減少を続けているものの、依然として類似団体平均値よりも高い状況にあり、類似団体に比べて公債費や公営企業に対する負担が大きいことが考えられるため、引き続き、公債費負担の適正化と公営企業の経営改善に努める必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

会計年度任用職員制度の開始に伴う給与体系の変更と、物件費(賃金)からの振替え等により、対前年度比1.9ポイント増加した。業務の合理化、適切な定員管理等により、人件費の適正化に努める必要がある。

物件費の分析欄

会計年度任用職員制度の開始等により前年度比0.4ポイント減少し、概ね良好な水準を維持している。引き続き、業務の合理化、徹底した経費削減に努める必要がある。

扶助費の分析欄

医療費助成事業や児童扶養手当などの減少により、経常一般財源充当額が減少し、前年度比0.5ポイント減少した。引き続き、生活困窮者自立支援の充実等による扶助費の抑制や、健康増進の取組等による医療費の抑制に努める必要がある。

その他の分析欄

前年度比1.7ポイント減少したが、依然として類似団体平均を1.6ポイント上回っている。経常一般財源が増加したことに加え、公共下水道事業における資本費平準化債の借入れにより繰出金が減少したことによるものであるが、引き続き、公営企業の経営改善などにより、一般会計繰出金の軽減に努める必要がある。

補助費等の分析欄

一部事務組合負担金の増加などに伴い、経常経費は増加しているが、分母である経常一般財源が増加したことにより、比率は横ばいとなっている。類似団体平均値に比べると低い数値を維持しているが、恒常的な補助金の見直しや公営企業会計の経営改善に努めるなど、引き続き、負担の適正化を図る必要がある。

公債費の分析欄

ケーブルテレビ網整備事業の財源として借り入れた地域活性化事業債の償還費の減少などにより、対前年度比2.1ポイント減少した。類似団体平均が増加傾向にある中、公債費の圧縮が図られているため、引き続き、公共施設の規模・配置の適正化により、建設改良費の増大を抑制し、公債費負担の更なる軽減に努める。

公債費以外の分析欄

前年度比0.8ポイント減少し、類似団体平均を下回る水準で推移している。普通交付税額に左右されやすい財政構造であるため、引き続き、歳出における経常経費の抑制や、歳入における町税収入の増加に向けた取組を強化することにより、財政基盤の強化を図る必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体平均を上回っている衛生費は、住民一人当たり82,144円となっており、前年度に比べて17,029円増と大幅に増加した。主な要因は、新型コロナウイルスワクチン接種費用のほか、冬季における発熱外来の混乱を避けるため、町民のインフルエンザ予防接種費用を無料にしたことによるものである。教育費については、中央公民館整備事業の終了とともに、普通建設事業が少なかったため、対前年度比45,013円減となっている。土木費については、地籍調査事業費などが減少している。全般的に影響が大きい新型コロナ関連のほかは、普通建設事業費の増減の影響が大きいものとなっており、将来的な更新費用の圧縮に向け、公共施設等総合管理計画に基づく適切な維持管理、適正配置に努める必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人あたり729,787円(前年度638,445円)のコストとなっており、前年度から91,342円増と大幅に増加している。これは、主に補助費等において新型コロナウイルス感染拡大に伴う経費が増大したためで、類似団体平均(763,909円)も同様に増えている。対前年度の主な増加要因としては、住民一人当たり10万円を給付した特別定額給付金等の新型コロナ対応に係る補助費等119,666円の増である。一方、中央公民館整備事業の終了などに伴い普通建設事業費が55,723円減少しており、類似団体平均よりも一人当たりコストが低くなっている。投資及び出資金については、主に病院事業会計への繰出金であり、交付税措置のある繰出基準を基本として負担しているため、恒常的に類似団体平均値より高い数値で推移している。積立金については、ふるさと納税寄附額の増加や新型コロナ対策のための基金積立てにより、前年度比19,593円の大幅増となっている。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

普通交付税の増などにより財源不足が圧縮され、財政調整基金の取崩し60百万円を中止したことにより、当該基金残高が維持できた。同様に、財政調整基金の取崩しがなかったため、実質単年度収支がプラスに転じている。実質収支額の増については、新型コロナの影響に伴う事業の中止等により予算残が生じたことが一因であると考えられる。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

本町においては、すべての会計で黒字(企業会計においては、資金剰余の状態)となっている。資金剰余額の標準財政規模費が最も大きい病院事業の令和2年度決算については、患者数の減少等により赤字決算となったものの、新型コロナ対応に伴う国・県からの財政措置により、資金剰余の規模が維持できている。水道事業会計については、一般家庭の使用水量が増加したことにより、利益幅が増加した。引き続き、各会計の経営改善に取り組むとともに、一般会計の財政負担の軽減に努める必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

実質公債費比率の分子は対前年度比94百万円の増、分母は対前年度比219百万円の増となった。地域活性化事業債等の元利償還金や公営企業債償還金に対する繰出金が減少したことに加え、普通交付税の増加などに伴い標準財政規模が増加したことにより、比率の低減につながった。一般会計債については、過疎対策事業債、緊急防災・減災事業債等の交付税措置率の高いものに置き換わってきており、今後も減少傾向が続くと見込まれるが、引き続き、公債費負担の適正化に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

将来負担比率の分子は対前年度比362百万円の減、分母は対前年度比219百万円の増となっており、減少傾向が続いている。これは、地方債残高の減少に加え、公営企業債等繰入見込額(公営企業に対して繰り入れる見込みの額)が減少しており、さらには、充当可能基金残高(将来的に活用が見込まれる基金残高の額)が増加しているためである。引き続き、公債費の適正管理とともに、基金残高の維持・確保により、将来負担の軽減を図り、持続可能な財政運営に努める必要がある。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)当初予算編成時において、社会保障関連の給付費や老朽化等による施設の維持補修経費の増加により一般財源が不足しており、その補填財源として「財政調整基金」を取り崩している。また、下水道事業への繰出金に対して「福祉・環境整備基金」を、普通建設事業費のうち非適債事業費の一部に「公共施設建設基金」を充当しているところである。令和2年度は、予算編成時の補てん財源について、地方交付税の決定や事業費の精算見込みに伴い基金の取崩しが一部不要となったことから、基金残高全体が増加している。(今後の方針)建設改良費や下水道事業繰出金の財政負担に備え、「公共施設建設基金」及び「福祉・環境整備基金」の残高の維持に努めている。また、災害対応、公債費負担の適正化等を考慮すると、「財政調整基金」の残高も確保していく必要がある。

財政調整基金

(増減理由)予算編成時における独自施策に要する経費等に係る一般財源の不足額を補てんするために60百万円取崩しを見込んたが、普通交付税額の増などにより一般財源を確保することができたため、取崩しを取りやめた。また、令和元年度決算に伴う歳計剰余金積立てとして60百万円、条例に規定する毎年の積立額と預金利息合わせて38百万円と、積立てのみとなったため、残高としては、98百万円の増となった。(今後の方針)大規模災害などの緊急的な財政需要に対応するため、町税収入一年分に相当する10億円程度の残高を目標に積み立てる。この場合、標準財政規模比では、25%程度となる。

減債基金

(増減理由)定期預金による運用益の積立てと、住宅新築資金等貸付事業に係る不足財源の取崩しを行っている。(今後の方針)当面(令和3年度まで)は、住宅新築資金等貸付事業において、貸付金元利収入が町債償還費に不足する額を取り崩す。減債基金については、公債費負担の平準化、繰上償還等に対応するため、残高を確保している。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設建設基金:小・中学校、病院、ごみ焼却場、社会福祉施設、社会教育施設、情報通信施設その他これらに類する施設の建設費福祉・環境整備基金:高齢者の福祉増進施設、並びに下排水施設の整備に要する経費地域福祉基金:高齢者の保健福祉施策に要する経費ふるさと岩美まちづくり基金:ふるさと納税を財源として行うまちづくり全般に関する事業人材育成基金:国際交流の推進と岩美町の文化、スポーツ及び産業等の分野において、中核となる人材の育成に要する経費(増減理由)公共施設建設基金:教育施設、保育施設等の老朽化対策として一般財源を積み立てた。福祉・環境整備基金:下水道事業債償還費に対する繰出金に100百万円を充当し、今後の繰出財源として一般財源を積み立てた。地域福祉基金:高齢者ふれあい食事サービス助成事業に2百万円を充当した。ふるさと岩美まちづくり基金:ふるさと納税寄附額の増加に伴い133百万円を積み立て、そのうち80百万円を当年度事業に活用した。(今後の方針)公共施設建設基金:将来的に、各小学校、社会体育施設、保育所、光ケーブル網等の老朽化対応が見込まれるため、その財源として10億円程度を目指す。福祉・環境整備基金:集落排水処理事業及び公共下水道事業に対する繰出金の財源として、将来負担見込額の2~3割程度を目安に残高の維持を目指す。ふるさと岩美まちづくり寄附金:可能な限り当年度の財源として活用するが、ふるさと納税寄附額が伸びてくれば基金に残し、翌年度以降の事業に活用する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本町では、平成29年3月に策定した公共施設等総合管理計画において、原則として施設の新設はしないという方針を掲げており、老朽化した施設の廃止、集約化、複合化などを進め、人口減少等を見据えて施設の総量を制限することとしている。令和2年度における有形固定資産減価償却率は59.7%となっており、民間宅地造成による道路の寄附や県から道路施設が移管されたことなどに伴い、比較的新しい資産が増加したため、前年度から1.9ポイント減少した。

債務償還比率の分析欄

前年度から51.6ポイント改善し、類似団体平均を5.4ポイント下回った。改善の要因としては、令和2年度において地方債償還額が新規借入額を上回ったことや、下水道事業及び病院事業の企業債残高の減少に伴って繰出見込額が減少していることなどが挙げられる。引き続き、地方債残高をはじめとする債務の規模が過大とならないよう、財政運営に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和2年度においては、将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに低下したものの、両比率とも類似団体平均と比較して高い数値で推移している。公営企業の企業債残高の減少や各施設の更新整備に伴い、当面は両比率とも減少傾向になると見込まれるが、公共施設等総合管理計画に基づき、計画的な老朽化対策や固定資産の縮減などに努めるとともに、地方債残高等の債務を圧縮し、適切な基金残高を維持していく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに減少傾向にあるものの、依然として類似団体平均よりも高い水準で推移しており、引き続き、新発債の抑制や基金残高の確保、公営企業のより効率的な運営等に留意していく必要がある。このため、公共施設の適正配置等により、新たな投資の抑制、維持管理経費の削減に取り組むとともに、下水道事業の法適化など、公営企業の効率化を進める。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

公営住宅(令和2年度:76.5%)の老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率が類似団体平均を12.2ポイント上回っている。特に、昭和55年以前に整備された旧耐震基準の住宅への対応が課題であることから、今後の人口推移を見据えながら、令和2年度に改定した町営住宅等長寿命化計画を基に建替えを進めていく方針であり、令和3年度には、今後10年間における建替実施計画を策定したところである。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

体育館(令和2年度:99.5%)、福祉施設(令和2年度:93.2%)、一般廃棄物処理施設(令和2年度:73.1%)の老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率がいずれも類似団体平均を大きく上回っている。一般廃棄物処理施設については、鳥取県東部広域行政管理組合が新たな可燃物処理施設を建設中であり、令和4年度に完成する予定である。その他の施設については、公共施設等総合管理計画に沿って公共施設の再配置や長寿命化を検討していく方針である。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産については、建物、道路、基金等に係る固定資産が246億91百万円(前年度比+794百万円)、現金、基金等の流動資産が11億43百万円(同+1億54百万円)の内訳となっている。一方、負債については、地方債等の固定負債が76億84百万円(同76百万円)、地方債(1年以内償還予定)等の流動負債が7億87百万円(同+27百万円)の内訳となっている。一般会計等においては、資産から負債を差し引いた純資産が173億62百万円(同+9億96百万円)となっている。全体においては、主に、下水道事業(集落排水処理事業及び公共下水道事業)、水道事業、病院事業等の資産・負債が加わっている。また、連結においては、主に、鳥取県東部広域行政管理組合(一般会計)における消防施設、廃棄物処理施設等に係る岩美町分の資産・負債が加わっている。全体・連結ともに、設備改修・改良工事による資産の増加により固定資産が増加しており、地方債の償還が進んでいることにより負債もやや減少している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、人件費、物件費等に係る業務費用(35億22百万円)と補助金や社会保障経費などの移転費用(40億38百万円)を合わせた経常費用が75億60百万円(対前年度比+13億98百万円、+22.7%)となっており、使用料、手数料等の経常収益1億91百万円(同1億36百万円、41.6%)を差し引いた純経常行政コストが73億69百万円(同+15億34百万円、+26.3%)となっている。経常費用において、物件費等(20億64百万円)であり、小中学校のタブレット端末や新型コロナ対策物品等の購入により、前年度に比べて1億41百万円増加した。また、補助金等支出において、国の定額給付金事業等新型コロナ対策により前年度に比べて13億50百万円増加したが、これは一時的なものであり、令和3年度以降は減少する見込みである。また、臨時損失(24百万円)は、主に令和2年4月豪雨にかかる災害復旧費等である。全体においては、純経常行政コストに経常収益の少ない国民健康保険特別会計(14億90百万円)や介護保険特別会計(15億47百万円)などが加わり、純行政コストは104億20百万円(同+17億3百万円、+19.5%)となっている。連結においては、純経常行政コストに経常収益の少ない鳥取県後期高齢者医療広域連合(特別会計)などが加わり、純行政コストは120億43百万円(同15億65百万円、十14.9%)となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(73億91百万円)が純行政コスト(73億91百万円)と同額であり、本年度差額は0百万円となり、純資産残高は9億96百万円の増加となった。本年度差額は前年度に比べて1億22百万円圧縮されたものの、限られた税収等の中で行政運営を持続していくため、引き続き、純行政コストの圧縮に努める。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が10億95百万円多くなっており、本年度差額は▲43百万円(対前年度比+64百万円、+59.8%)となった。連結では、鳥取県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が49億8百万円多くなっており、本年度差額は2億55百万円(同+2億97百万円)となり、純資産残高は86億44百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は7億89百万円(対前年度比+2億9百万円、+36.0%)であったが、投資活動収支は、福祉環境整備基金等への積立を行ったため6億86百万円(同+1億38百万円、+16.7%)となった。財務活動収支については、同様の理由で地方債発行収入(5億72百万円)が地方債償還支出を下回り▲63百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から40百万円増加し、1億13百万円となった。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より5億30百万円多い13億19百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、4億62百万円となり、本年度末資金残高は前年度から1億24百万円増加し、15億78百万円となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額(229.1万円)は前年度よりも11.9万円増加したものの、依然として類似団体平均値(260.0万円)を下回っている。増加した要因は、主に人口減少によるものである。ただし、消防、廃棄物処理等の多大な資産を要する行政事務を、鳥取県東部広域行政管理組合にて広域的かつ効率的に実施しているため、類似団体平均を下回る傾向は続くものと考えられる。また、歳入額対資産比率(3.07年)についても、同様の理由により類似団体平均(3.24年)を下回っているものと考えられる。有形固定資産減価償却率(62.0%)については、類似団体平均値(62.6%)並みとなっている。減価償却率の高い施設の分類としては、体育館、福祉施設などが挙げられる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は前年度より1.4ポイント増の67.2%となっており、依然として類似団体平均値(73.0%)を下回っているが、これは、鳥取県東部広域行政管理組合が運営している消防署、廃棄物処理施設、霊場等が町の一般会計等の資産として計上されないためである。管理運営費については、一般会計等から当該組合へ負担金として支出しており、本町分の資産は、連結財務書類に計上されている。社会資本等形成に係る将来世代の負担を示す将来世代負担比率は前年度より0.4ポイント減の22.9%となっており、類似団体平均値(18.5%)を上回っている。有形・無形固定資産合計に対して地方債残高の割合が高いのは、平成22年度以降、過疎地域が特例的に発行できる過疎対策事業債を活用してきたことが原因と考えられるが、将来、当該事業債に係る元利償還金の70%は普通交付税に算入される予定である。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは前年度と比べて14.5万円増の65.5万円となっており、類似団体平均値(64.2万円)を若干上回っている。増加した要因は、経常費用において国の定額給付金事業等が増加したことが挙げられるが、これは一時的なものであり、令和3年度以降に減少する見込みである。今後も引き続き、介護予防、健康増進に係る取組を推進することにより医療費等の社会保障給付の抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は0.8万円増の75.1万円となっており、類似団体平均値(70.3万円)を上回っている。増加した要因は、新可燃物処理施設整備負担金の財源として過疎対策事業債を発行したことより、地方債の発行額が償還額を上回ったためである。負債の大半を占める地方債については、過疎対策事業債等の交付税算入率の高いものに絞って借入を行っている。基礎的財政収支は807百万円増の469百万円となっている。こちらは中央公民館整備事業が完了したことなどによる普通建設事業費の減により、投資活動収支の赤字が138百万円減少したことによる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は2.8ポイント減の2.5%となっており、類似団体平均値(5.0%)を下回っている。減少した要因は、経常収益において、令和元年10月から開始した保育料の無償化が通年になったこと、婦人の家移転補償費やコミュニティ助成金の減などが挙げられる。また、経常費用において国の定額給付金事業等が増加したことが挙げられるが、これは一時的なものであり、令和3年度以降に減少する見込みである。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,