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地方財政ダッシュボード

静岡県伊豆市の財政状況(2023年度)

🏠伊豆市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は類似団体平均を若干上回るものの、静岡県平均を大幅に下回る。人口減少などによる市税の減少により令和2年度以降逓減しているため、今後も財政力指数について注視し財政運営を行う必要がある。

経常収支比率の分析欄

令和5年度における経常収支比率は類似団体平均や静岡県平均を下回るものの、令和4年度以降逓増している。物価、人件費高騰による委託事業に係る物件費の増や公債費の増加に伴い増となっている。特に公債費については令和元年度に実施した新市建設計画に基づく大型建設事業に係る市債の元金償還が開始されたことに伴い増加となり、後年度も元金償還の増加による経常収支比率の増加が見込まれていることから数値に注視しつつ、収支の均衡を図り財政運営を行う。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

1人当たりの人件費・物件費等決算額は、類似団体平均、全国平均及び静岡県平均のいずれも上回っている。その要因として、保有している公共施設が多く、その維持管理に費用を要していることや、広い市域面積において住民サービスを維持するための支所の配置により、その人件費や維持管理費が発生していることに加え、窓口業務や施設管理業務の包括業務委託や新たな指定管理施設の発生により、物件費が増加したことが挙げられる。引き続き公共施設再配置計画等に基づく施設適正化を推し進め、人件費や物件費の削減を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

国家公務員に準じた55歳以上の昇給抑制措置の実施や、新卒以外の職員の採用、経験年数階層の変動により、類似団体、全国平均に比べ低い数値となっている。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たりの職員数は類似団体平均及び静岡県平均を上回り、年々逓増となっている。合併により広い市域面積を有していることで住民サービスが低下しないよう旧町地区ごとに支所を設置していることから、職員数が多い傾向にある。適正職員数については、今後も人口のみならず、面積や保有公共施設、業務特性などを考慮するなど、様々な視点で検討を行う必要があり、また財政状況と住民サービスとの均衡を勘案しながら適正な定員管理を行っていく。

実質公債費比率の分析欄

当市における令和5年度の実質公債費比率は、令和4年度と比較すると減少している。これは令和5年度市債を財源とする事業を令和6年度に繰越したことに伴い市債借入額が一時減少したことによるものである。市債については令和6年度まで大型建設事業が予定されており、実質公債費比率の増加が見込まれるため、今後の市債発行抑制などの取組みを行う必要がある。

将来負担比率の分析欄

令和5年度の将来負担比率は、類似団体平均及び静岡県内平均を上回るものの、令和4年度と比較すると減少している。これは令和5年度市債を財源とする事業を令和6年度に繰越したことに伴い令和5年度に借入を見込んでいた市債額が、翌年度へ繰越となったことなどにより、一時減少したことや退職手当組合負担金の減少などによるものである。市債については令和6年度まで大型建設事業が予定されており、将来負担比率の増加が見込まれるため、今後充当可能基金の取り崩し抑制や市債発行抑制などの取組みを行う必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人件費の経常収支比率は、類似団体平均、全国平均及び静岡県平均のいずれも下回っているものの、前年度に比べ、0.5%増加している。主な要因としては、令和5年度人事院勧告による経常一般財源が増加したことが挙げられる。

物件費の分析欄

物件費の経常収支比率は、前年度に比べ0.6ポイント増加し、類似団体平均、全国平均及び静岡県平均のいずれも上回っている。主な要因として、合併により多く保有している公共施設の整理が進んでおらず、施設の維持管理に経費を要していることが挙げられる。今後は公共施設再配置計画に基づく施設の適正化を推進し、物件費の縮減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費の経常収支比率は、全国平均及び静岡県平均のいずれも下回っており、前年度と同率となっているものの、障害福祉サービスの利用人数増に伴う給付費に係る支出が増加している。過去から逓増となっていることから、今後も支出額と経常収支比率と併せて注視していく必要がある。

その他の分析欄

その他の経常収支比率は、類似団体平均、全国平均及び静岡県平均のいずれも下回り、前年度と比べて0.6%減少している。主な要因として、介護サービス利用費の減による介護保険給付費の減に伴う介護保険特別会計繰出金の減少が挙げられる。今後も適正な保険料の設定を行い、特別会計への繰出金の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等の経常収支比率は、前年度と比べて0.4%減少しているものの、全国平均及び静岡県平均、類似団体平均のいずれも上回っている。主な要因として、これまで整備を進めてきた広域廃棄物処理施設が令和4年度に完成を迎えたことにより、廃棄物処理施設組合への負担金が減少したことが挙げられるが、依然として高い水準となっているため、今後は補助事業の見直しを進め、補助費の抑制に努める。

公債費の分析欄

公債費の経常収支比率は、類似団体平均、全国平均及び静岡県平均のいずれも上回っており、前年度と比べて0.9%増加している。主な要因としては、令和元年度に実施した各大型建設事業等で借り入れた起債の元金償還が開始されたことが挙げられる。今後も新市建設計画に基づく大型事業の実施に伴い、公債費の増加が見込まれるため、事業計画の精査等により起債額の抑制を図る。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は、類似団体平均、全国平均及び静岡県平均のいずれも下回っているものの、前年度に比べて0.1%増加となっている。これは人件費や公共施設等の維持管理に係る物件費及び一部事務組合に対する組合負担金などの補助費が増加していることが挙げられる。特に保有する公共施設の維持管理費に係る物件費について公共施設再配置計画に基づく施設の適正化を推進し、物件費の縮減に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

主な構成項目のうち、衛生費は住民一人当たり109,484円となっており、前年度と比べて増額となっている。主な要因としては、新リサイクルセンター整備事業費の増や前年度より繰越となった公的病院移転新築事業費補助金の増によるものである。消防費は住民一人当たり47,113円となっており、前年度と比べて22,801円の減額となっているものの、類似団体平均及び静岡県平均と比較すると高い数値となっている。主な要因としては、松原公園津波避難複合施設整備事業に係る事業費の支出が挙げられる。教育費は住民一人当たり66,693円となっており、前年度と比べて44,708円の大幅な減額となっている。主な要因としては、令和6年度完成予定となる新中学校整備事業の建築工事の進捗に伴い事業費が減少したことが挙げられる。公債費は、一人当たり65,463円で令和元年度から逓増しており、今後も新市建設計画に基づく大型事業の実施により地方債残高が増加することが想定されるため、事業計画の精査等による起債額の抑制を図り、財政の健全化に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり762,210円となっており、前年度に比べて18,476円の減額となっている。主な構成項目である普通建設事業費(うち新規整備)については、令和4年度と比較すると減少しているものの、新市建設計画に基づく建設事業として、新中学校整備事業や松原公園津波避難複合施設整備事業の実施に加えて、新たなリサイクルセンター、日向公園整備事業の本格化により、一人当たり87,596円と類似団体平均及び静岡県平均を大幅に上回り、高い数値となっている。物件費についても一人当たり117,571円となっており、類似団体平均及び静岡県平均と比べ高い数値となっているが、その要因としては、合併以前から保有している公共施設が多く、維持管理に費用を要していることが挙げられる。今後も新市建設計画に基づく大型事業の実施が見込まれるが、事業計画の精査等により事業費の抑制を図るとともに、公共施設再配置計画に基づく施設の適正化や補助金の見直しなどに取り組み、財政の健全化に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

令和5年度は、前年度と同様、新市建設計画に基づく大型事業の実施に加え物価高騰対策による臨時財政需要があったものの、歳入歳出ともに前年比で減少となった。また、翌年度へ財源を繰り越す事業が多数生じたことから、標準財政規模に対する実質収支額の比率は11.08%となり、前年度より3.5%減となっている。また、前年度決算剰余金の増に伴う財政調整基金積立額の増加により、標準財政規模に対する財政調整基金残高の比率は49.08%となり、前年度と比べて0.67%増となっている。実質単年度収支については、単年度収支は赤字となり、普通交付税の増はあったものの、大型事業の財源不足に対し財政調整基金の取り崩しを行った結果、赤字となり、前年比について9.38%の減となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

国民健康保険特別会計は、保険事業費や基金積立金の減による歳出の減に比べて、被保険者数の減少に伴う国民健康保険税の減などによる歳入の減が大きいため、実質収支額は前年度に比べて減少したことで標準財政規模比は0.40%と前年度に比べて0.9%減少した。介護保険特別会計は、歳入において国庫支出金や県支出金、並びに繰越金が前年度より増加したものの、歳出ではサービス利用者の増に伴う保険給付費の増などが前年度を上回り、実質収支額が減少したことで、標準財政規模比で1.98%と前年度に比べて0.05%減少した。水道事業会計は、令和5年度簡易水道会計と統合されたが、流動負債の増と流動資産の減により、資金余剰額が前年度に比べて減少し、標準財政規模比で7.12%と前年度に比べて0.29%減少した。下水道事業会計は、流動負債の減により標準財政規模比で2.88%と前年度に比べて0.36%増加した。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

元利償還金については、令和元年度に実施した大型建設事業などで起債した地方債の元金償還開始に伴い増加した。また、下水道会計の借入金償還額が減少したことにより、繰入金が減少した。算入公債費等については、新市建設計画に基づく大型事業の財源として起債した合併特例債に係る償還費の増により増加となった。今後、新市建設計画に基づく事業の実施により地方債残高が逓増し、元利償還額も増加していくことが想定されるため、事業計画の精査等による起債額の抑制を図り財政の健全化に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担額は、広域廃棄物処理施設組合負担金や新中学校整備事業等に係る起債の増などにより、地方債現在高が増加したことに伴い、前年度に比べて192百万円の増額となった。一方で、充当可能財源等については、前年度決算剰余金の増による財政調整基金への積立金の増などにより充当可能基金が増加したことに伴い、前年度に比べて422百万円増額となった。今後は、新市建設計画に基づく事業の実施に伴う地方債現在高の増加に加えて、財源不足の補填による基金の取り崩しにより将来負担比率の分子が増加することが想定されるため、事業の精査による地方債借入額の抑制と事務事業の見直し等による基金取崩額の抑制を図り、健全な財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)令和5年度末の基金残高は、普通会計で9,913百万円となっており、前年度から160百万円の減となっている。決算剰余金やふるさと納税寄附金を積み立てるとともに、後年の公共施設解体や更新の財源として新たに公共施設等管理基金を造成し34百万円を積立てるなど基金全体の積立額は1,536百万円となった。前年度決算剰余金の増加に伴い財政調整基金に764百万円、ふるさと納税寄附額の増加により、ふるさと伊豆市応援基金に655百万円積立てた一方で、地域振興基金に係る起債の償還に充てるため減債基金を68百万円、ふるさと納税で寄附を受けた使途目的の事業に充てるためふるさと伊豆市応援基金を673百万円取り崩すなど、基金全体で1,697百万円を取り崩したことが主な要因である。(今後の方針)使途や目的となる各事業計画に基づき、基金の使途を明確化と、個々のその他特定目的基金への積み立てを実施する。

財政調整基金

(増減理由)令和5年度末の基金残高は、5,238百万円となっており、前年度から166百万円の増となっている。主な要因は、前年度決算剰余金の増加に伴い、決算剰余金の2分の1相当額764百万円を積み立てたことによる。(今後の方針)災害等不測の事態への備えのため、20億円程度の基金残高を維持することとしている。

減債基金

(増減理由)令和5年度の基金残高は536百万円となっており、11百万円の減少となっている。主な要因は、普通交付税の追加交付における臨時財政対策債償還基金費55百万円と基金運用による利子2百万円を積み立てたものの、平成30年度に造成した地域振興基金に係る合併特例債の元利償還金の財源とするために、68百万円を取り崩したことによる。(今後の方針)新市建設計画に基づく事業の実施により公債費の増加が見込まれるため、決算剰余金を積み立てていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域振興基金:市民の連帯強化又は地域振興に要する経費の財源に充てる。・ふるさと伊豆市応援基金:ふるさとへの愛着のある個人又は団体から寄附金を募り、その寄附金を活力に満ちた地域づくり事業の財源に充てる。・環境衛生施設整備基金:環境衛生施設整備に要する経費の財源に充てる。(増減理由)・地域振興基金:基金運用による利子8百万円を積み立てた一方で、地域づくり協議会への補助金等、地域振興に資する事業への充当により140百万円の減となっている。・ふるさと伊豆市応援基金:寄附額の増額により655百万円積立てた一方で、令和4年度の寄附金の一部である670百万円を寄附者の指定する事業へ充当したことによる取崩を行ったことにより、15百万円の減となっている。・環境衛生施設整備基金:新リサイクルセンター整備事業費の一般財源に充当するため、113百万円を取崩し112百万円の減となっている。(今後の方針)・地域振興基金:基金の運用益や借り入れた合併特例債の償還額の範囲内で地域振興に資する事業の財源に充てる。・ふるさと伊豆市応援基金:ふるさと納税に対する返礼品の拡充や寄附者に対する利便性の向上に取り組むことで積立金(寄附金)の増加を目指す。・環境衛生施設整備基金:今後、新たに発生する施設更新や施設整備計画策定と合わせ、必要な財源を確保を行うなど必要に応じた積立てを実施する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当市の有形固定資産減価償却率は、類似団体や静岡県内平均を下回っているものの上昇傾向です。今後はインフラ施設や公共施設の長寿命化や統廃合を進め、用途廃止した施設等の除却を計画的に進める必要があります。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体及び静岡県内平均を上回っており、令和3年度以降は上昇傾向です。主な要因は、大型建設事業の財源確保のため地方債を利用したことにより地方債現在高が増加したこと、元金償還金が増加したことなどが挙げられます。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

当市の将来負担比率は類似団体平均を上回っており、また近年は上昇傾向となっています。これは新市建設計画に基づく大型建設事業を実施するため、自主財源で賄えない部分の財源に地方債を利用していることに因り、今後も将来負担比率の上昇が見込まれます。有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っています。これは新市建設計画に係る事業で新規の有形固定資産が増加していることが一因と考えらます。一方で有形固定資産減価償却率は上昇傾向で、有形固定資産減価償却率の高い有形固定資産の長寿命化等を計画的に進めて行く必要があります。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

類似団体の将来負担比率が令和元年度から令和4年度まで低下傾向にあるなか、当市の将来負担比率は逆行して上昇傾向にあり、令和5年度はやや低下していますが依然として類似団体平均を上回っています。要因としては新市建設計画に係る大型建設事業に対する地方債発行増などが挙げられます。実質公債費比率は類似団体平均を下回っていますが、大型建設事業に係る地方債の償還が増加するため、今後比率の上昇が見込まれています。なお、将来負担比率が類似団体平均を上回っているにもかかわらず、実質公債費比率が類似団体平均を下回っている要因として、地方債の借入時期が相対的に遅かったこと、据置期間を設定している地方債が多いこと、償還期間が長期の地方債が多いことなどが想定されます。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

全体的な傾向として、当市の人口減少に伴い一人当たりの道路延長、その他有形固定資産の面積、償却資産額は増加傾向にあります。「橋りょう・トンネル」の有形固定資産減価償却率が類似団体や静岡県平均と比べ高くなっており、長寿命化等の対策を講じる必要があります。「学校施設」の有形固定資産減価償却率についても類似団体や静岡県平均と比べて高くなっており、学校再編に伴う学校施設の新設や長寿命化等の対策を実施しています。なお、「道路」については、平成16年の旧町合併後に整備した道路台帳を基準に固定資産台帳を作成したことにより、取得年度が平成19年度としているため比較的新しい施設として有形固定資産減価償却率が低い数値となっています。また、「港湾・漁港」施設については「道路」に区分できる固定資産について施設分類を令和3年度において見直したことにより、有形固定資産減価償却率の大幅上昇及び一人当たり有形固定資産額は減少しています。「認定こども園・幼稚園・保育所」の有形固定資産減価償却率については、類似団体及び静岡県平均より低く、これは令和2年度に新たな認定こども園を整備したことによるものです。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

全体的な傾向として、当市の人口減少に伴い一人当たりの有形固定資産の面積、償却資産額は増加傾向にあります。「一般廃棄物処理施設」については、令和4年度に新施設が稼働し、新たに有形固定資産が増加したため、一人当たりの有形固定資産額が増加するとともに有形固定資産減価償却率が低下しています。「保健センター・保健所」は、令和5年度に遊休施設を民間企業に売却したため、一人当たりの面積が減少しています。「福祉施設」、「市民会館」、「庁舎」の有形固定資産減価償却率は類似団体平均、静岡県平均と比較して高く、今後施設のあり方を検討し必要に応じて長寿命化等の対応が必要になっています。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から△234百万円(△0.2%)となった。内訳としては、遊休公共施設の処分や減価償却による有形固定資産△734百万円、無形固定資産△10百万円、投資その他の資産△336百万円により固定資産が1,080百万円減少した。一方で、現金預金296百万円、、未収金384百万円、基金166百万円により流動資産が845百万円増加した。大型事業による地方債増加に伴う固定負債の増などにより負債総額は前年度末から572百万円増加した。水道事業会計等を加えてた全体会計においては、資産総額が前年度末から△559百万円(△0.4%)となった。一般会計等に比べ、新規投資の割合が少なかったため減少幅が大きくなっている。負債総額は、公営企業に係る地方債の償還が進んだこと等により△430百万円となった。駿東伊豆消防組合、伊豆市伊豆の国市廃棄物処理施設組合等を加えた連結会計では、資産総額が前年度末から△1,052百万円(△0.7%)となった。新規投資が少なく減価償却費が上回ったため、全体会計より減少幅が大きくなった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コストは17,771百万円となり、前年度比327百万円の増加(+1.9%)となった。主な増加要因は、ふるさと納税寄付額の増加に伴うシステム使用料の増や地方創生臨時交付金を活用した給付型商品券事業費の増による物件費519百万円(+8.5%)である。ふるさと納税は増加傾向のため今後もシステム使用料の増加は継続することが見込まれる。純行政コストは、遊休施設の処分に伴う資産除売却損が生じたため純経常行政コストよりも増加している。全体会計においては、水道料等が使用料及び手数料に加わること、国民健康保険特別会計及び介護保険特別会計の社会補償給付が加わることなどにより純経常行政コストは一般会計等と比べ7,358百万円大きくなっている。連結会計においては、静岡県後期高齢者医療広域連合の社会保証給付が加わることなどにより純経常行政コストは一般会計等に比べ11,660百万円大きくなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(17,394百万円)が純行政コスト(18,210百万円)を下回っており、本年度差額は815百万円となり、純資産残高は806百万円の減少となった。地方税の徴収業務の強化等により税収等の増加に努める。全体会計では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収当に含まれることから、一般会計等と比べ税収等が3,012百万円多くなっており、本年度差額は△110百万円と一般会計等と比べて減少幅は縮小しているが、依然マイナスである。連結会計では、静岡県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計に比べ財源が11,589百万円多くなっており、本年度差額は△398百万円と一般会計と比べ減少幅は縮小している。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は1,979百万円であったが、投資活動収支については、津波避難複合施設や新中学校の整備を行ったことから△2,371百万円となっている。財務活動収支については、津波避難複合施設等に係る起債額が地方債の償還額を上回ったことから681百万円となり、本年度末資金残高は前年度末から289百万円増加し、1,945百万円となった。令和6年度は、リサイクルセンター整備事業、新中学校整備事業、防災公園整備事業等により投資活動収支のマイナスの拡大と財務活動収支の大幅な増加が見込まれる。全体会計では、国民健康保険料、介護保険料、水道料金等が含まれることから、業務活動収支は一般会計等より643百万円多い2,622百万円となっている。投資活動収支は、水道施設、水道管、下水道管の更新等を実施したため△2,717百万円となっている。財務活動収支は、水道事業、下水道事業において、地方債償還額が起債額を上回り、一般会計等に比べ増加幅が縮小している。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は、合併前に旧町ごとに整備した公共施設があり、非合併自治体に比べ施設数が多い一方で、人口が減少していることから類似団体平均値を上回っている。歳入額対資産比率は、前述のとおり、資産合計が多いため類似団体平均値を上回っている。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を下回っているが、前年に比べて1.6%増えているため、今後も計画的にインフラ施設の長寿命化や更新を進めるとともに、老朽化した施設の処分を進めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均値と比べてやや高くなっているが、直近では地方債を起債して公共施設等の整備を行っているため純資産比率は低下傾向であり、類似団体平均値との差は縮小傾向である。将来世代負担比率は類似団体平均値を下回っているが、近年は地方債残高が増加しているため、将来世代負担比率は増加しており、今後も大型事業に係る地方債残高は増加する見込みのため、将来世代負担比率の増加が見込まれる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは類似団体平均値を上回っており、また、前年度に比べて増加している。これは遊休資産の処分に伴う資産売却損が生じ、純行政コストが増加したこと、人口が減少したことが要因である。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は類似団体平均値を上回っており、また令和元年から29.9万円増加している。これは大型事業に伴い、負債合計が増加するとともに、人口が減少しているためである。大型事業に伴う起債は令和6年度も継続し、令和6年度起債分の地方債償還が始まる令和10年度まで増加が見込まれる。業務・投資活動収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字を上回ったため、△478百万円となっている。投資活動収支が赤字になっているのは、新市建設計画に伴う大型事業を実施しているためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は低くなっている。前年度に比べ経常収益は増加しているが、経常費用の増加幅が大きく、今後は公共施設等の使用料の見直しによる経常収益の増加を図るとともに、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化を行うことにより経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,