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地方財政ダッシュボード

宮城県涌谷町の財政状況(2021年度)

🏠涌谷町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 農業集落排水 涌谷町国民健康保険病院


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

平成29年度から改善傾向であったが、令和3年度は前年度より0.2ポイント減少した。主な要因として、税収の減少があげられる。働き世代と言われる35歳から59歳の割合が約23%となっており、その人口減少による個人及び法人町民税が前年度と比較し3.6%減少。また、評価替により固定資産税が前年度と比較し1.6%減少している。類似団体と比較すると、依然として低い数値で推移しているため、企業誘致等を推進し、若年層の定住策を進め、税収の増加を図る。

経常収支比率の分析欄

前年度と比較して、10.4ポイント改善している。財政再建計画の推進による事業の見直しや、約1億2,000万円の公債費の減、新型コロナウイルス感染症による事業中止もあり支出が抑えられたことに加えて、普通交付税の追加交付等もあり、改善したものと考えられる。今後も財政再建計画のもと、自主財源の確保に一層力を入れ、更なる財政健全化を図っていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体よりも低い額で推移しており、前年度と比較しても、金額が13,995円減少している。人件費及び物件費を前年度と比較すると、人件費が約2.4%減少、物件費が約23.2%減少している。令和元年度台風で発生した災害廃棄物処理が完了したため、物件費に係る委託料が約2億4,000万円減額となったことが主な要因と考えられる。当町の財政状況を踏まえ、今後も必要経費の見極めを徹底し経費の削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

従来から類似団体と比較して3ポイント程度低い数値で推移している。令和2年度においては、前年度から1.5ポイント減少した。要因としては令和3年度採用者や令和2年度退職者の変動が主な要因と考えられる。しかしながら依然として全国平均を下回っていることから、今後も指数の変動要因を分析しながら引き続き給与水準の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均並みの水準といえる。職員数は、公営企業会計部門も含めた総数で前年度より12人減の322人となった。主な減の部門としては、病院事業が7人の減となっている。普通会計部門では昨年度同数の155人であるが、地方分権の推進や制度改正等による業務量増加や定年退職の増、断続的に発生する病休職員により、職員一人ひとりの負担は大きくなっている。さらに、財政再建計画において定員管理の見直しを行い、人件費の削減を推進していくことから、今後についても、多様な雇人材の活用や職員の柔軟な活用を図るなど、バランスを考慮した定員管理に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

前年度と比較すると1.8ポイント減少し、類似団体と比較しても0.6ポイント低い数値となっている。3カ年平均の入替年度である平成30年度と比較すると、公営企業に要する経費の財源とする地方債の財源に充てたと認められる補助金及び負担金が減額となったことが主な要因。下水道事業と病院事業への繰出金及び出資金の減額に加えて、元利償還金の減、満期一括償還地方債の償還完了も要因の一つと考えられる。今後も計画的な地方債の発行、償還に努めていく。

将来負担比率の分析欄

前年度と比較すると19.7ポイント改善している。要因としては、地方債残高及び公営企業債繰入見込額の減少と、充当可能財源等の増加が考えられる。充当可能基金増加の影響が大きく、町税や地方交付税の当初予算に対する上振れ分を財政調整基金等各基金に積立てた。今後も基金を取り崩すことのない財政運営に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

前年度と比較すると2.9ポイント向上し、類似団体との差が2.3ポイントとなっている。病院や3幼稚園、保育所の運営を行っているため類似団体と比較すると職員数は多いが、職員人事異動等による任期の定めのない常勤職員に係る基本給の減額や、市町村職員退職手当組合積立金の平準化により負担金が減額したことが主な要因と考えられる。今後も事業内容、必要経費のバランスを考えながら適正な定員管理に努める。

物件費の分析欄

類似団体との比較では1.3ポイントの差があり、前年度比較では、0.7ポイント減少している。前年度と比較すると、疾病予防対策事業経費に係る委託料の増加により、物件費に係る経常的経費が約600万円増額となった。しかし、経常一般財源である地方交付税が追加交付等により、約2億6,000万円の増となったため、0.7ポイント減の改善に繋がったものと考えられる。物件費に係る経常経費の見直しを行い、更なる改善を図る。

扶助費の分析欄

類似団体と比較すると0.3ポイント低く、前年度との比較では同数値となっている。令和3年度においては、障害者自立支援費等の増加により、扶助費に係る経常的経費が約1,400万円増額となった。しかし、経常一般財源である地方交付税が追加交付等により、約2億6,000万円増となったため、前年同値になったものと考えられる。

その他の分析欄

平成30年度より、類似団体と比較し低い値となっているが、前年度比では0.4ポイント増加している。要因としては、一部事務組合負担金としての特別会計への繰出金が約1,100万円増額したことと、国民健康保険事業会計及び後期高齢医療事業会計の人件費に係る繰出金を経常経費として一部見直したことによる増額が考えられる。今後も引き続き各会計とも健全化を推進し、一般財源の負担減に努める。

補助費等の分析欄

前年度と比較すると4ポイント減となり、改善しているが、類似団体と比較すると、6.9ポイント高い値となっている。要因としては、病院事業会計負担金の約1億1,000万円の減が大きい。しかし、依然として一部事務組合や公営企業への負担金の割合が大きく、類似団体よりも高い値となっているため、公営企業の経営改善等による健全化を図る。

公債費の分析欄

類似団体と比較し、低い数値で推移しており、前年度と比較しても3.2ポイント減少している。前年度より約1億2,000万円減少となっている。学校教育施設等整備事業債の平成7年度と平成12年度借入分や臨時経済対策事業債等の償還完了が主な要因と考えられる。減債基金の活用も視野に入れ、今後も借入と償還の調整を適切に行い、公債費の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

過去4年間は類似団体平均を下回っていたが、前年度比で7.2ポイント減少し、類似団体平均と同程度の数値となった。財政再建計画推進中のため、必要最低限の経費に抑たことと、経常一般財源である地方交付税が追加交付等により、約2億6,000万円の増額となったことが改善に繋がったと考えられる。今後も各経常経費の見直しに取り組み、更なる改善に取り組む。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

金額が増加した主な項目は、商工費、土木費、民生費となっている。商工費については、町内飲食店への新型コロナウイルス感染症の感染防止対策補助金及び感染症対応事業者支援金給付事業によるもの。土木費については、道路の維持補修・新設改良、除雪に係る経費によるもの。民生費については、非課税世帯及び子育て世帯に対する臨時特別給付金事業によるもの。金額が減少した主な項目は、総務費、農林水産業費、公債費となっている。総務費については、新型コロナウイルス感染症対策特別定額給付金事業の終了によるもの。農林水産業費については、水田農業構造改革対策事業経費補助交付金及び畜産振興事業費補助交付金が減額となったもの。公債費については、学校教育施設等整備事業債や財源対策債の減、加えて臨時経済対策事業債や満期一括償還地方債の償還完了によるもの。衛生費については、前年度と横ばいとなっているものの、一部事務組合への負担金が高額であるため、高数値で推移している。衛生費以外は類似団体と同等かそれ以下の金額で推移しているため、経費の見直しに一層力を入れ財政の更なる健全化を図る。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

金額が増加した主な項目は、扶助費、維持補修費、積立金となっている。扶助費については、社会福祉費及び児童福祉費が増額となっており、非課税世帯及び子育て世帯に対する臨時特別給付金事業を実施したことによるもの。維持補修費については、道路橋りょう、庁舎、小中学校等の老朽化に伴う修繕によるもの。積立金については、町税や地方交付税の当初予算に対する上振れ分を財政調整基金等各基金に積立てたことによるもの。金額が減少した主な項目は、補助費等、物件費、普通建設事業費となっている。補助費等については、新型コロナウイルス感染症対策特別定額給付金事業が終了したことによるもの。物件費については、令和元年度台風で発生した災害廃棄物処理が完了したことによる委託料の減額が大きい。普通建設事業費については、GIGAスクール整備工事完了によるもの。災害復旧事業費については、大きな災害が発生しなかったことによる減額が大きい。また、投資及び出資金、繰出金については、ほぼ横ばいとなっているものの、依然として高額で推移していることから、公営企業の経営改善が課題となっている。財政再建計画の推進中により、新規単独事業を実施しないこととしているため、補助事業活用による臨時的経費の影響が大きい。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

新型コロナウイルス感染症拡大による地方税の減収があったが、影響は見込みより小さく、普通交付税の追加交付等もあり、歳入については上振れとなった。歳出についてはコロナ禍による事業の中止や縮減、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金内でのコロナ対策の徹底等、財政調整基金を取崩さず財政運営を行ったことなどから、引き続き実質収支は黒字となった。また、実質単年度収支については前年度と比較して大幅に改善した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

・国民健康保険病院事業会計:医業収支は内視鏡やPCR検査件数の増、医療機器売却等により、若干の改善は見られたが、医業外収益の一般会計負担金を基準内繰入れとしたことで、約1憶5,400万円減となった。純損失は約9,852万円を計上しており、経営基盤強化が急務となっている。・水道事業会計:前年度に新型コロナウイルスの経済対策として実施した水道料金半額減免措置を終了したことと、職員の減等、全体的な経費の削減により、改善したもの。今後も安定的な水道事業運営を図る。・下水道事業会計:一般会計負担金が減少しているが、雨水処理負担金収入が増額となったこと、処理場経費の減等により、約929万円の純利益となった。・介護保険事業勘定特別会計:被保険者の増等による保険料収入の増、老人福祉施設においてユニットを減少したこと等による保険給付費の減が改善に繋がった。・老人保健施設事業会計:利用者及び利用単価減による収益的収入の減、新型コロナウイルスによる介護材料増等により、0.6ポイント減少している。一般会計及び訪問看護ステーション会計からの出資金もあるが、経営状態の改善が必要となっている。・訪問看護ステーション事業会計:利用人数が増加しているが、新型コロナウイルス関連補助金が約1,178万円減額となったこと、老人保健施設会計への出資金が約1,038万円であることが経営負担になっている。・国民健康保険事業勘定特別会計:国民健康保険税の被保険者数減による税収の減に加えて被保険者の高齢化や医療の高度化に伴う医療費増額の影響により、数値が減少した。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

元利償還金については、平成29年度から令和元年度にかけて減少傾向となっていたが、令和2年度で辺地対策事業債や学校教育施設等整備事業債の元利償還金が増加したことにより増額した。しかし、令和2年度から令和3年度にかけては、臨時経済対策事業債等の減に加え、満期一括償還地方債の償還完了によって改善している。減債基金の活用も視野に入れ、今後も借入と償還の調整を適切に行い、公債費の抑制に努める。公営企業債の元利償還金に対する繰入金については、前年度と比較すると、病院事業会計への繰出金減の影響が大きく、その他経費減等による収益勘定繰入金の減に加えてその他経費皆減等による資本勘定繰入金の減が要因として考えられる。公営企業の経営状況について、連携を図りながら、更なる削減に取り組む。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

前年度と比較し、地方債残高が約9,600万円減少しており、加えて、公営企業債繰入見込額が約3億4,300万円減少したため、将来負担額が減少している。更に、充当可能財源等の金額が約5憶2,400万円増加しているため、将来負担額と充当可能財源等の差が減少し、将来負担比率の減少につながった。地方債残高の減少要因としては、突出して減少した地方債はなく、全体的な減少によるもの。公営企業債繰入見込額が減少した要因は、公共下水道事業及び農業集落排水事業の企業債残高が減少したことが大きいが、過年度の推移を見ると、令和元年度から例年約2億円ずつ減少しているため今回に限った減少ではない。また、分子である準元利償還金が前年度より約1,030万円減少しているのに対し、分母である元利償還金は前年度より約579万円増加しているため、単年度の繰入割合が減少となった。充当可能財源等の増額につながった要因としては、主に財政調整基金、減債基金、ふるさと涌谷創生基金の残高増による影響が大きく、町税、地方交付税等の当初予算に対する上振れ分を基金に積立てている。加えて財政再建中のため事業を絞っていることや、新型コロナウイルス感染症等の影響により事業の中止等も基金の増額に繋がった。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)令和元年度から令和5年度にかけ、涌谷町財政再建計画を推進している。計画に基づき、基金を取り崩さず、必要最低限の経費で財政運営を行うこととしている。そのため、令和元年度から令和3年度にかけては基金残高の増加が続いている。特に令和3年度に関しては、税収等の当初予算に対する上振れ分を積み立てた。また、計画推進中のために実施事業を絞っていることや、新型コロナウイルス感染症の影響による事業の中止等も基金の増額に繋がっている。(今後の方針)財政非常事態宣言からのいち早い脱却を第一目標とした上で、近年多く発生している自然災害や公共施設の老朽化等による臨時的に発生する経費に対応するためにも、今後も財政再建計画に基づき、財源確保と歳出削減に取り組み、より一層の基金積立額確保に力を入れていく。

財政調整基金

(増減理由)令和3年度は前年度に引き続き、財政再建計画に基づき、財政調整基金を取り崩さず、財源確保と歳出の抑制に取り組んだ。加えて、新型コロナウイルス感染症による税収の減収を見込んでいたが、影響が見込みよりも小さかったことで当初予算に対する税収の上振れ分が発生した。また、新型コロナウイルス感染症の影響により中止や縮減となった事業が発生した。以上の要因により基金残高が大幅な増額となった。(今後の方針)一般的な財調基金残高の目安とされる標準財政規模比の10~20%に加え、病院会計へ一時貸付している4億円を加算した金額を目標金額と設定しており、財政再建計画終了まで目標金額に達成するべく、今後も引き続き経費の抑制に努めていく。大きく増加する場合は,その他特目基金への積み替え等の検討を行っていく。

減債基金

(増減理由)令和3年度は、普通交付税追加交付の内、臨時財政対策債償還基金費分を積立てた。また、誘致企業の周辺環境整備に充てた地方債の、後年度償還金に備え増額した。(今後の方針)今後は企業誘致に係るインフラ整備事業等が見込まれることに加え、近年、自然災害の発生が多くなっているため、災害復旧に係る地方債の発行も見込み、計画的な積立てを行っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)ふるさと涌谷創生基金:地域創生事業に充当震災復興基金:東日本大震災復興事業に充当公営住宅用地取得基金:公営住宅建設用地取得及び建設事業に充当新型コロナウイルス感染症対策中小企業等支援基金:新型コロナウイルス感染症対策に係る中小企業等支援経費に充当ふるさと水と土保全基金:集落共同活動事業に充当(増減理由)その他特定目的基金のうち、積立額が最も多い基金はふるさと涌谷創生基金である。当該基金は充当する事業が多いことに加えて、今後予定される圃場整備の非適債事業や誘致企業の周辺整備などの歳出に備え増額した。震災復興基金については、中小企業振興資金利子助成事業、地域防災計画更新事業等へ充当するため約830万円取り崩したことにより減額した。新型コロナウイルス感染症対策中小企業等支援基金については、中小企業振興資金利子補給事業等に充当するため、約540万円の増額した。(今後の方針)財政調整基金や減債基金と同様に、積立金総額は大幅な増額となったが、財政再建計画推進中であるため、今後の事業経費と各基金残高や使途を十分に精査し、計画的な積立て、取崩しを行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当町の有形固定資産減価償却率は、類似団体平均と比較すると、16.7ポイント上回っており、前年度比1.4%上昇している。庁舎等公共施設の老朽化が進んでおり、築50年程度経過している施設もあることから、策定した公共施設等総合管理計画に基づいた個別施設計画を確実に推進することが、これからの課題である。

債務償還比率の分析欄

当町の債務償還比率は、類似団体平均と比較すると高い数値となっているが、差が7.4ポイントと、前年度と比較すると大幅に差が縮小している。令和元年度から、財政再建計画に基づいた取組みを行ってきたことで、将来負担比率は徐々に減少している。今後も継続して財源確保に取組み、地方債残高等の将来負担額の抑制に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

当町では、将来負担比率は年々減少しているが、有形固定資産減価償却率は80%台に上昇した。どちらも類似団体平均値を上回っている状況である。将来負担比率については、基金の取崩しを抑え、積立てを行ったことと、公共下水道事業及び農業集落排水事業の地方債の減少が主な減少要因となっている。有形固定資産減価償却率については、法定耐用年数に近づいている公共施設等の資産が多く、老朽化の進行に長寿命化等の改修が追い付いていないことなどから、80%台に上昇した。将来的には、公共施設等の長寿命化に伴う費用の増加も見込まれ、これに伴い、地方債等の増加も見込まれるため、将来負担へ向けた対策が必要となる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

当町では、将来負担比率、実質公債費比率ともに平成29年度以降年々減少している状況である。特に将来負担比率においては、財政再建計画を開始した令和元年度以降は10%以上の減少が続いている。将来負担比率の減少要因としては、基金の取崩しを抑え、積立てを行ったこと、また、公共下水道事業及び農業集落排水事業の地方債の減少が上げられる。実質公債費比率の減少要因としては、下水道事業の収益勘定繰入金のその他の経費に対する実繰入額が大きく減少したこと、また、病院事業の建設改良(企業債元金償還分)に対する一般会計からの負担金及び出資金の減少が上げられる。引き続き、将来負担となる経費削減に取組み、財政健全化に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

当町の有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較すると全体的に高い数値となっている。要因としては、庁舎・学校・保育所等の事業用資産や、道路・橋りょう等のインフラ資産の老朽化によるもので、築50年程度経過している施設が多くなっている。上記の項目のうち、「道路」、「橋りょう・トンネル」、「認定こども園・幼稚園・保育所」、「学校施設」、「体育館・プール」、「消防施設」、「庁舎」が類似団体平均値を大きく上回る数値となっている。いずれも国庫補助金、地方債、基金等を活用し長寿命化を進めており、将来負担額の増加を抑えつつ、公共施設等総合管理計画に基づいた個別施設計画を確実に推進し、改善を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

前ページ記載のとおり。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

令和3年度一般会計等について、本年度末資産合計は、前年度比2億4,778万円減少の290億4,388万円となった。「資産の部」を前年度と比較すると、固定資産のうち、有形固定資産のうち建物で1億5,830万円増加したが、建物減価償却累計額で3億9,255万円減少したことにより、結果として事業用資産が2億5,141万円減少した。また、インフラ資産は8億3,981万円減少した、そのうちの工作物減価償却累計額が10億5,122万円の減少が主な要因となっている。「負債の部」においては、1年内償還予定地方債等で4億502万円減少等により流動負債が3億3,985万円減少したが、退職手当引当金、長期未払金、地方債等の増加によって固定負債が5億8,858万円増加したことで、負債総額は、2億4,873万円増加した。純資産合計は217億6,155万円となり、前年度比4億9,651万円減少した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

令和3年度の一般会計等の純行政コストは前年度比20億3,241万円減少し、79億6,767万円となり、令和元年度並みとなった。経常費用のうち、移転費用の減少が最も大きく、17億880万円減少している。主な要因は補助金等の減少によるものである。次いで、業務費用が1億2,829万円減少した。物件費、人件費に係るコストの減少によるものである。そのため、経常費用は18億3,709万円減少した。一方で経常収益は1,403万円増加しており、結果として、経常費用を経常収益から差引いた純経常行政コストは、前年度比18億5,112万円減少した。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等の令和3年度末純資産残高は前年度比4億9,651万円減少し、217億6,155万円となった。財源については、税収等が3億4,322万円増加したが、国県等補助金が13億3,027万円減少したため、前年度比9億8,707万円減少の74億6,349万円となった。その他についても1億4,399万円減少している。財源と本年度末純行政コストの差額が5億417万円下回っている状況となっているが、純行政コストも前年度比20億3,241万円減少しているため、本年度差額は10億4,535万円縮まっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等については、本年度末資金残高は前年度より6,324万円減少し、1億2,469万円となった。業務活動収支において、前年度比9億719万円増加の13億5,527万円となった。人件費物件費等支出の減少により、業務費用支出が4億2,900万円減少、また、補助金等支出の減少により、移転費用支出が17億880万円減少したことで、業務支出は前年度比21億3,780万円減少の62億6,733万円となった。加えて、国県等補助金収入の減少により、業務収入は前年度比14億494万円減少の76億2,973万円となった。投資活動収支においては、前年度比11億5,966万円減少の△13億2,285万円となっている。投資活動支出が基金積立金支出等の増加により、7億4,367万円増加の15億5,535万円となった。投資活動収入は基金取崩収入を抑えたことで、4億1,598万円減少の2億3,251万円となった。財務活動収支においては、前年度比1億4,041万円増加の△9,566万円となった。支出・収入ともに地方債に係る経費となっており、財務活動支出は4億1,217万円減少の5億1,906万円となり、財務活動収入は2億7,176万円減少の4億2,340万円となった。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

当町の資産の構成割合は事業用資産が57.3%、インフラ資産が42%、物品が0.7%となっている。一般会計等の資産の状況を見ると、資産合計は前年度比2億4,778万円減少し、290億4,388万円となった。資産減少の大きな要因は、インフラ資産の道路等の工作物減価償却累計額が前年度比10億5,122万円増加したことが主な要因としてあげられる。資産、人口ともに減少しているが、資産の減少幅が前年度より少額であるため、住民一人当たりの資産額も増加したが、類似団体平均と比較しても低い数値となっている。また、歳入額対資産比率においては、前年度より改善しているものの、類似団体平均と比較しても、低い水準となっており、約3.4年分の歳入に相当する資産が蓄えられている状況である。加えて、有形固定資産減価償却率は81.3%となっており、法定耐用年数に近づいているため、資産の老朽化が進んでいる状況である。策定した公共施設等総合管理計画に基づいた個別施設計画を確実に推進することが、これからの課題と考えられる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均と比較し、ほぼ同数値となっているが、資産合計が減少し、負債合計が増加しているため、改善はなされていない状況である。将来世代負担比率は類似団体平均と比較して低い数値となっているが、前年度比0.4%上昇している。分母の有形・無形固定資産が前年度比1,141万円減少しているが、分子である地方債残高が前年度比約43万円の減少と、分子の下がり幅が少額になったことが要因と考えられる。資産の老朽化が進行しており、将来的に負債が増加していくと考えられるため、資産と負債のバランスに注視していく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

純行政コストについては、業務費用1億2,829万円の減少と、移転費用17億880万円の減少により、経常費用は18億3,709万円減少した。経常収益及び臨時利益も増加しており、純行政コストは、前年度比20億3,241万円減少した。住民一人当たりの行政コストは類似団体平均より若干低い数値であるが、平均並みと言える。人口が前年度より366人減少しているが、純行政コストの前年度差額が大きいため、前年度自団体値と比較して11.8%減少した。経営が悪化している涌谷町国保病院の改善が移転費用の減額につながると考えられるため、経営改善に向けた取組みを推進することが重要である。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

1年内償還予定地方債等からなる流動負債が3億3,985万円減少したが、地方債等からなる固定負債が5億8,858千円増加したことにより、負債合計は2億4,873万円増加し、72億8,233万円となった。それに伴い、住民一人当たりの負債額も前年度比2.8%上昇した。業務活動収支は、税収の増加と移転費用支出の減少により、9億719万円増加し、13億5,527万円となった。対して、投資活動収支は、公共施設等整備費支出等の増加と国県補助金収入の減少により、11億5,966万円増加の△13億2,285万円となり、類似団体平均を大幅に上回る数値となった。今後、働き世代の人口減少などによる税の減収や、資産の老朽化による維持整備に係る経費の更なる増加が懸念されるため、人口減少対策や、計画的な地方債の活用と公共施設のマネジメントが課題となっている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値と比較すると、1/2の数値となっている。令和3年度の一般会計等を前年度と比較すると、経常収益は1,403万円増加の1億9,101万円となっているのに対し、経常費用は18億3,710万円減少の81億5,875万円となった。2~8%が平均的な値で、当町は平均値と言えるが、財政非常事態宣言中であることから、今後も適正な負担の徴収が課題となっている。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,