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地方財政ダッシュボード

宮城県石巻市の財政状況(2022年度)

🏠石巻市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は前年度から横ばいとなっているが、単年度で見た場合は0.54ポイントで前年度比0.02ポイント改善している。これは主に市町村民税、固定資産税の増など収入面での改善によるものである。他団体と比較すると類似団体平均を0.23ポイント下回る状況となっている。このため、税率見直し・収納率向上等による税収の確保に努める一方、起債発行の抑制等を行い、基準財政需要額の削減を図っていく。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は前年度と比較し3.6ポイント悪化している。令和4年度は、支出面は子育て・高齢者対策等の扶助費が増加する中で、職員定員適正化による人件費の抑制や、病院事業の経営健全化により影響は少なかったが、収入面で地方財政計画に基づき臨時財政対策債が大きく減少し、数値が悪化した。令和3年度を除く推移をみると、毎年100%前後となっている。税収等の経常的収入を一層確保するとともに、施設統廃合や起債発行抑制、人件費の更なる抑制等による経常的支出の削減を進める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費・物件費については、物件費は施設の維持管理を外部委託したこと等により増加した一方、「職員定員適正化計画」の進捗等による人件費の削減により、合計では減少となっている。しかし人口が減少したことから、一人当たりの金額は増加した。今後は物価上昇や賃金引上げの影響で決算額が増加し、人口も引き続き減少すると見込まれることから、引続き「職員定員適正化計画」等に基づき人員の精査を行うなどし歳出の抑制に努めていくとともに、公共施設の統廃合等を進め、類似団体との差を縮小させていく。

ラスパイレス指数の分析欄

実施済の給与削減計画により類似団体の中でも低い水準にあり、引き続き縮減に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

市の面積が広大であることもあり、類似団体と比較して支所等を多く配置しなければならないことや、復旧・復興事業の推進のため、退職者の再任用や任期付職員の採用を進めていた関係上、平均を約3人上回る状況となっている。しかし、「職員定員適正化計画」に基づき、退職・採用及び職員の適正な配置を進めていることから、類似団体平均との差は徐々に縮小傾向となっている。今後も、同計画に沿って職員数の適正化を行い、類似団体平均との差を縮小させていく。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は前年度から改善しているが、これは分子を構成する「元利償還金の額」が、比率算定に影響する令和元年度と比べて減少したこと、及び「公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還に充てたと認められる繰入金」が、前年度から減少したことが要因である。しかし令和2年度以降「元利償還金の額」は増加傾向に転じており、依然として類似団体と比較すると高い状況にあることから、施設の統廃合推進や、緊急度・住民ニーズを的確に把握した施策展開で、起債に頼らない財政運営に努めていく。

将来負担比率の分析欄

令和3年度は公営住宅建設事業債の繰上償還を実施したことにより、地方債現在高が減少した一方で、公営住宅使用料の充当見込額も同様に減少したことで将来負担比率が大幅に上昇した。令和4年度は公営住宅建設事業債以外の地方債現在高が減少しており、一方市営住宅管理運営基金の積立により12.1ポイント改善した。今後当面の間、市営住宅管理運営基金の積立残高は増加することが見込まれるが、引続き地方債発行の抑制を図るとともに、行財政運営の見直しを的確に行いながら、健全な財政運営に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

「職員定員適正化計画」に基づき、退職・採用及び職員の適正な配置を進めていることにより、経常的人件費そのものについては減少している。前年度からの数値の上昇は、下水道・病院事業会計への補助費の減少が大きかったため、全体に占める人件費の割合が上昇したことによる。引続き、会計年度任用職員も含めて職員数の適正化や業務の改善に努めていく。

物件費の分析欄

物件費については、施設の維持管理経費等の増加により、前年度と比較し悪化しているが、類似団体平均との差は徐々に縮小する傾向にある。ただし、震災からの復旧・復興事業により建設した建物等や既存の老朽化した公共施設の維持補修対応等により、物件費の増大が懸念される。「公共施設等総合管理計画」に基づき、計画的な施設の管理・整備・統廃合を図っていく。

扶助費の分析欄

扶助費については、子ども医療費助成等の少子化対策、高齢者対策等により前年比で決算額が増加しており、経常的歳出に占める割合も上昇している。少子高齢化対策のほか、近年生活保護受給世帯数が増加傾向にあり、今後扶助費の上昇要因となることが予想されることから、扶助費全体として、財政への影響を捉え、各種受給資格の適切な審査等によって、抑制に努める。

その他の分析欄

令和4年度は、前年度からほぼ横ばいの数値となった。本項目には各特別会計への繰出金が含まれており、特別会計での事業等を精査し、改善に努めていく。

補助費等の分析欄

補助費等については、本市の場合、消防やごみ処理等に係る広域行政事務組合への負担金や市立病院・下水道事業への運営費補助金等が含まれているため、単純に類似団体と比較することは難しい。令和4年度においては、下水道事業で消費税の還付があったことや、市立病院の経営安定化に対する補助金を削減したことにより、補助費全体の決算額及び全体に占める割合は減少したものの、市民団体等をはじめとする各種補助金は例年多種多額となっており、補助金の整理統合・交付の適正化等について精査していきたい。

公債費の分析欄

臨時財政対策債及び合併特例債の元利償還金の増により、1.7ポイント上昇した。今後、人口減少に伴い財政規模が縮小していく中では公債費の負担が相対的に増加していくことが予想されるほか、金利の上昇も懸念されるため、新規発行の抑制に努める必要がある。

公債費以外の分析欄

経常収支比率が類似団体平均を上回っている状況が続いており、これは病院事業会計や下水道事業会計への補助金が大きな要因であると考えられる。また、類似団体の中では面積が広く及び高齢化率が高いことから、公立学校や保育所の施設数が多く、国民健康保険や介護保険への繰出金も多くなっている。このような市の特性からも、今後も「行財政改革推進プラン2025」等に基づき、一層の歳入確保や経費削減に努めていく必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体と比較して市の面積の広さや高齢化率の高さもあり、ほぼ全ての項目で類似団体平均を大きく上回る状況となっており、住民一人当たりのコストが高い状況が続いている。項目別にみると、総務費については、東日本大震災に係る基金積立の減少や、震災遺構整備事業の終了等により、類似団体との差が縮小した。衛生費については、新最終処分場の建設事業により令和3~4年度は類似団体との差が大きくなっていたが、令和4年度で事業が終了したことから、令和5年度は再び類似団体との差が縮小するものと考えられる。土木費及び災害復旧費については、令和4年度まで復旧・復興事業の繰越事業を行っており、これが終了した令和5年度以降は低下するものと考えられる。公債費については、前年度から大きく低下し、類似団体平均に近づいた。これは令和3年度に災害復興公営住宅整備事業債の一括繰上償還を行ったことで、一時的に金額が上昇していたためである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり約870千円となり、復旧・復興事業の進展に伴い、前年度から約262千円減少している。構成項目毎に見ると、人件費は平成23年度以降上昇傾向にあったが、復旧・復興事業の収束と近年の職員適正化計画の取組の進捗により令和2年度をピークに減少に転じている。しかし、類似団体平均と比較して以前高い水準にあるため、引続き取り組みを進め類似団体平均へ一層近づけていく。物件費及び維持補修費は、類似団体平均を上回る状況が続いている。これは市域が広いことで公立学校や保育所、公園等の公共施設が多いことに起因するものと考えられ、施設の統廃合等により抑制を図る必要がある。扶助費については、令和3年度に「子育て世帯臨時特別給付金給付事業」を実施したことで一時大きく上昇し、令和4年度は減少に転じたものの、少子高齢化対策等により令和2年度以前から増加傾向にあり、今後も増加していくことが見込まれる。普通建設事業費及び災害復旧事業費は、復旧・復興事業の収束により、令和4年度は大きく減少している。復旧・復興事業の繰越分がなくなる令和5年度は、より類似団体平均に近づくものと思われる。復旧・復興事業がほぼ収束したことにより、令和5年度以降は各項目が通常ベースとなるため、類似団体との比較を踏まえ、「行財政改革推進プラン2025」をはじめとした各種計画に基づき、歳出の精査に努めていくこととしている。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金残高は、現時点では標準財政規模に対して一定の残高を確保しているものの、今後老朽化した公共施設の整備更新、震災復興特別交付税の過大算定分や各種国庫補助の返還などが生じる可能性もあり、必要最低限の取崩とするべきであり、引続き財政健全化と財源の確保に努める。実質単年度収支については、令和3年度は、復興公営住宅建設事業債の一括繰上償還を行ったことから、一時的にプラスになったが、それ以外の年度は毎年度マイナスとなっている。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

令和4年度決算も、前年度に引続き連結実質収支が黒字となった。一般会計では、標準財政規模に対する比率は7.27%となっている。また、全会計においても連結実質赤字比率は発生していない状況である。なお、下水道事業会計は大幅な黒字額の減少となっているが、これは令和3年度に令和2年度から繰越控除した管渠等復興建設事業の資金を流動資産に計上したことによるものである。一般会計を含むすべての会計において、各種経営(財政)計画等に基づき、持続的な経営・財政の健全化に努めていくものとする。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

元利償還金等(A)に関しては、合併特例債の償還等により令和4年度は増加した一方、公営企業債の元利償還金に対する繰入金が大きく減少した。また、算入公債費等(B)は、復興公営住宅整備事業債を令和3年度に一括繰上償還したことで、財源となる公営住宅使用料が特定財源から除かれたこと、公害防止事業債に係る基準財政需要額が減少したことから減少した。この結果、令和4年度は前年度比で若干数値が減少したが、今後も建設事業の厳選などにより起債発行を抑制し、公債費の抑制に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度は令和3年度から将来負担比率の分子は減少したものの、これは災害公営住宅家賃低廉化事業補助金及び東日本大震災特別家賃低廉化事業補助金を市営住宅管理運営基金に積立したことで当該基金の残高が増加したためであり、それ以外の基金残高は全体として減少している。よって、今後も地方債の発行抑制により地方債現在高を抑制し、職員定員適正化計画の確実な進捗により組合等負担や退職手当負担の低減に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)令和4年度末の基金残高は34,297百万円であり、前年度から1,964百万円増加した。残高の前年度比増減を基金区分別に見ると、財政調整基金が29百万円減少、減債基金が1,020百万円減少している一方で、災害公営住宅家賃低廉化事業補助金及び東日本大震災特別家賃低廉化事業補助金を市営住宅管理運営基金に積立てたこと等により、その他の特定目的基金が3,013百万円増加しており、基金全体として残高は増加した。(今後の方針)特定目的基金の残高が増加したが、財政調整基金及び減債基金の残高は減少傾向にあり、引続き財源確保・歳出抑制に取り組む。

財政調整基金

(増減理由)主な増減要因は歳計剰余金の積立と東日本大震災復興交付金の返還のための取り崩しであり、令和4年度末の財政調整基金残高は前年度末から29百万円減少した。(今後の方針)復旧・復興事業の収束に伴い、復興財源の精算により財政調整基金の取り崩しが発生することが見込まれる。その後は通常の予算規模及び財政調整基金残高となり、震災後の新たな公共施設の維持管理経費等が発生することから、財政調整基金残高の動きに注視するとともに、十分な財政調整機能が果たされるよう適切な基金の運用・管理に努めていく。

減債基金

(増減理由)地方債の償還に充てたことにより、前年度末から1,020百万円減少した。(今後の方針)令和5年度以降の臨時財政対策債の償還に備えるとともに、令和2年度に完成した複合文化施設など新たに施設を整備するにあたり財源とした地方債の償還に対応するため、残高の適切な管理に努めていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)市営住宅管理運営基金:市営住宅の管理・解体・大規模修繕等震災復興基金:復旧・復興事業公共施設等整備基金:施設の統廃合・大規模修繕等地域づくり基金:市民の連帯の強化及び均衡ある地域振興に資するための事業がんばる石巻応援基金:企業育成支援事業や定住促進住宅取得等補助事業など市の各種重点事業(増減理由)災害公営住宅家賃低廉化事業補助金及び東日本大震災特別家賃低廉化事業補助金を市営住宅管理運営基金に積立したことにより、市営住宅管理運営基金の残高が増加したことによる。(今後の方針)市営住宅管理運営基金及びがんばる石巻応援基金以外の基金は、残高が減少傾向にある。今後も減少が続くことが予想されることから、廃止や整理集約化を行い、適切な運用・管理に努めていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は緩やかに減少しており、類似団体と比較して低い水準にある。主な要因としては、東日本大震災により被災した施設を復旧・復興事業により整備したため、減価償却開始から間もない施設が多いことが要因として挙げられる。また、施設類型別で見た場合に低いものは、市民会館10.0%、公営住宅26.6%、消防施設28.3%となっており、類似団体内で上位の数値となっている。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率はほぼ横ばいから増加しており、類似団体と比較して高い水準にある。主な要因としては、類似団体と比較すると復旧・復興事業のために職員数が多く、経常的な歳出が高い水準にあることが挙げられる。今後は、令和2年度に策定した石巻市職員定員適正化計画において、令和6年度までに職員数を令和2年度比で222人(約14%)削減することとしている。また、行政評価を通じて事務事業の見直しを行い、経常的な歳出の抑制に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、昨年度よりも低下している。主な要因として地方債の発行抑制により地方債の現在高が減少したこと、市営住宅管理運営基金の積立額増加により充当可能基金が増加したことが挙げられる。有形固定資産減価償却率も、昨年度よりも低下しており、類似団体内平均値よりも低くなっている。東日本大震災により被災した施設を復旧・復興事業により整備したため、減価償却開始から間もない施設が多いことが要因として挙げられる。今後は有形固定資産減価償却率の上昇が見込まれるため、「石巻市公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の長寿命化や統廃合による総量の縮減を進めることで、将来負担比率と有形固定資産減価償却率の上昇を抑えるよう適切な財政運営に取り組んでいく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、昨年度よりも低下している。主な要因として地方債の発行抑制により地方債の現在高が減少したこと、市営住宅管理運営基金の積立額増加により充当可能基金が増加したことが挙げられる。実質公債費比率も、昨年度より低下している。主な要因として下水道事業会計に対する公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還に充てたと認められる繰入金が減少したことが挙げられる。将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体と比較して高くなっており、交付税措置の有利な地方債の活用など公債費負担の軽減に努めていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、港湾・漁港である。また、特に低くなっている施設は、道路、公営住宅、公民館である。港湾・漁港については、昭和50年度以前に整備した施設が多く、耐用年数である50年を経過しつつあり、高い有形固定資産減価償却率となっている。道路、公営住宅、公民館については、東日本大震災により被災した施設を復旧・復興事業により整備したため、減価償却開始から間もない施設が多いことが要因として挙げられる。特に公営住宅については、4,456戸の災害公営住宅を整備しており、今後、適正な維持管理に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館である。また、特に低くなっている施設は、市民会館、消防施設である。図書館については、昭和47年度に整備した施設であるため、耐用年数である50年を経過しており、有形固定資産減価償却率が100.0%となっている。市民会館、消防施設については、東日本大震災により被災した施設を復旧・復興事業により整備したため、減価償却開始から間もない施設が多いことが要因として挙げられる。特に市民会館について、東日本大震災で被災したことにから、新たな施設として複合文化施設を整備したことにより有形固定資産減価償却率が低くなっている。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等については、資産総額が前年度末から44,603百万円の減少(▲8.9%)となった。金額の変動が最も大きいものは事業用資産であり、31,649百万円の減少となっており、東日本大震災からの復旧・復興事業が収束したことに伴い各種公共施設に係る施設整備事業費の減少や仮勘定科目から建物等へ振替を行う際に内容を整理して計上したことによる。また、負債総額は前年度末から512百万円の減少(△0.6%)となった。金額の変動が最も大きいものは地方債(固定負債)であり、地方債発行額の減少が要因となっている。全体及び連結においても一般会計等の資産総額が前年度末から減少したことに伴い資産総額が減少しているが、全体に含まれる下水道事業会計での管渠等の整備によりインフラ資産が増加していることから、全体及び連結では一般会計等に比べ前年度比の減少額が小さくなっている

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は106,287百万円となり、前年度比△13,497百万円の減少(△11.3%)となった。そのうち、人件費や物件費等の業務費用は47,330百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は58,958百万円となっている。最も金額が大きいのは補助金等で42,120百万円(前年度比+1,320百万円)、次いで物件費で17,566百万円(前年度比△6,253百万円)となった。補助金等は、下水道事業会計補助・負担金や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金対象事業等により前年度末から増加している。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源69,864百万円が純行政コスト104,656百万円を下回ったことから、本年度差額は△34,791百万円(前年度比+5,149百万円)となっている。併せて、無償所管替等が△5,669百万円(前年度比+15,900百万円)となったことから、純資産残高は44,091百万円の減少となった。無償所管替等については、復旧・復興事業により整備した事業の資産について、事業の完了に合せて仮勘定科目から建物等に振替を行う際に内容を精査したことに伴い、誤記載減少を計上したことによる。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支が△34,932百万円、投資活動収支が2,247百万円、財務活動収支が△627百万円となった。本年度末資金残高は前年度から33,313百万円減少し3,893百万円となった。投資活動収支では、基金方式で行っている復旧・復興事業の進捗に伴い、基金取崩収入が前年度から減少したことに伴い、黒字額も大きく減少している。なお、本市では復旧・復興事業の主たる財源である復興交付金について、基金方式により運用している。また、他事業との工事調整等により繰越しとなっている事業が多いことから、収入と支出の計上年度が異なる状態となっている。このことは、復旧・復旧事業が完了するまで続くものと推測される。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

有形固定資産減価償却率については、類似団体の平均を下回っている。これは、復旧・復興事業により新たに整備・更新したために施設に係る減価償却累計額が少ないことが要因となっている。今後は、人口減少や財政規模に見合った保有資産額となるよう努めていく必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率については、類似団体の平均を上回っている。これは、東日本大震災からの復旧・復興事業に係る財源として、復興交付金基金のほか復興関連の基金を保有していることや復旧・復興事業として地方債等の負債がなく多数の施設等の整備更新が行われたことによるものであり、復旧復興事業の完了と減価償却の進行により低下していくものと見込まれる。将来世代負担比率については、類似団体平均値より僅かに低いものの今後の人口減少を見据え、交付税措置が有利な地方債のみを発行するなど公債費支出抑制に取り組んでいる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストについては、類似団体の平均を大きく上回っている。これは、復旧・復興事業に関連した業務費用及び移転費用が高い水準となっていることが要因であり、復旧・復興事業の収束に合わせて低下していくものと見込んでいる。一方で、社会保障給付支出や新たに整備された公共施設の維持管理経費は年々増加することが見込まれるため、行財政改革への取組を通じて行政コストの縮減に努めていく必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額については、令和2年度までは年々増加していたが、令和4年度は前年度と同程度となっている。基礎的財政収支については、類似団体平均値を大きく下回っている。これは、東日本大震災からの復旧・復興事業に係る財源の多くが復興交付金基金ほか復興関連の基金を財源に実施していることが主な要因となっている。また、例年の予算編成においても財政調整基金からの多くの繰入金を計上しており、基礎的財政収支の黒字化に向けて歳入に見合った歳出予算の編成を行う必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率については、類似団体の平均を下回っている。これは、復旧・復興事業に関連した費用が高い水準となっていることが要因であり、復旧・復興事業の完了に合わせて類似団体平均値に近づいていくものと見込まれる。一方で、社会保障給付支出や新たに整備された公共施設の維持管理経費は年々増加することが見込まれるため、行財政改革への取組を通じて経常費用の縮減に努めていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,