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地方財政ダッシュボード

宮城県石巻市の財政状況(2016年度)

🏠石巻市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

東日本大震災に伴う人口減少等により落ち込んだ市税については、被災者の住宅再建や各種復興事業の実施により回復基調にあり、財政力指数は前年度から0.02ポイント上昇しているものの、類似団体平均を0.31ポイント下回る状況となっている。このため、特に通常予算については、歳出の徹底的な見直しと歳入確保に努めるとともに、行財政運営プランに沿った施策の重点化の両立を果たしながら、より一層の財政基盤強化に努めていく。

経常収支比率の分析欄

物件費及び維持補修費の抑制には努めているものの、補助費及び扶助費の増加が続き、経常的支出の抑制に努めることが難しい状況が続いている。平成28年度は、市立病院の開院に伴う経費や社会保障関係費の増大がその主な要因となっていることに加え、将来負担を見据えた借換債の未発行等により公債費の増加も経常収支比率悪化の一因となった。今後とも、さらなる事務事業の見直しを行うとともに、すべての事務事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進めるなど経常経費の削減に努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

震災に伴う復旧・復興事業により、平成23年度以降人件費や物件費が急激に上昇したことに起因しており、復興期間が完了するまでの間は一定程度の金額が上乗せされた状態で推移することが予想される。通常予算においては、民間でも実施可能な部分について指定管理者制度の導入など、積極的に事務事業の委託を進めてきたが、復興創生期間の終了を見据え、これまで以上のコスト削減について強く推進していく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

実施済の給与削減計画により類似団体の中でも低い水準にあり、引き続き縮減に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

各種公共施設の指定管理や事務の民間委託等の対策は講じてきているものの、人口減少や市の面積が広大であることもあり、類似団体と比較し、支所等を多く配置しなければならないことや、復旧・復興事業の推進のため、退職者の再任用や任期付職員の採用を進めている関係上、平均を約3.9人上回る状況となっている。復興期間が完了するまでの間は、ほぼ同水準で推移するものと思われるが、その後については、事務事業のさらなる民間委託や行財政改革の推進により、適切な定員管理に努めていくものとする。

実質公債費比率の分析欄

平成28年度の借換債の発行は見送ったことによる悪化要因はあるものの、東日本大震災以降、借換債の発行抑制に努めてきたことに加え、公営企業への繰出金が減少したことにより、対前年度比で1.87%減少したところである。しかし、類似団体の平均と比較すると、約2倍の比率となっており、厳しい状態であることが読み取れる。今後も、施設の老朽化対策・長寿命化等による起債額も多額となることが見込まれているが、緊急度・住民ニーズを的確に把握した中で、起債に大きく頼ることのない財政運営に努めていく。

将来負担比率の分析欄

東日本大震災以降、わずかな改善に留まっていたが、平成28年度については前年度比23.4%と大幅な改善となった。この要因としては、災害公営住宅の整備等により地方債現在高が上昇したものの、充当可能基金や充当可能特定財源が増加したことにより、将来負担比率の分子が減少したことによるものが大きい。今後も、地方債対象事業の適債性を再度検討し、地方債発行の抑制を図るとともに、行財政運営の見直しを的確に行いながら、健全な財政運営に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

復旧・復興事業の加速化のため職員を優先的に配置する一方、復旧・復興事業費総額としては減少傾向にあることもあり、人件費に係る経常収支比率は、悪化傾向を示している。類似団体の平均よりも3.7%高い数値を示していることから、復旧・復興事業を最優先にしつつも業務の見直し等を積極的に進め、各種手当を含めた人件費の削減・抑制に努めていくものとする。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率が類似団体平均を下回っているのは、震災により公共施設が被災したことにより、一時的に管理経費等が減となっていることが要因と考えられる。しかし今後は、施設の再開等により、管理経費や維持補修費が増となる見込みであることから、行財政改革への取組みを通じ、物件費の削減に努めていく。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、類似団体平均を下回っているものの、生活保護費や自立支援給付費の増加に加え、子育て支援の拡充に伴い上昇傾向にある。震災後の各種支援により減少した生活保護受給者数は、高齢化の影響もあり、今後増加していくことが懸念されているため、資格審査等を適正に実施するなど、財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努めていく。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、繰出金の増加が主な要因で、特に下水道事業特別会計への公債費繰出金について、借換えを行わず一括償還していることが割合を引き上げる大きな要因となっている。今後は、独立採算の原則に立ち返り、税収を主な財源とする普通会計の負担額減少に積極的に努めるものとする。

補助費等の分析欄

補助費等については、本市の場合、消防やごみ処理等に係る広域行政事務組合への負担金や市立病院事業への運営費補助金等が含まれているため、単純に類似団体と比較することは難しい。しかし、市立病院の再開に伴う増加に加え、各種団体等への補助金が例年多額になっていることを鑑み、今後の補助金交付について、その交付の適正化について精査していく必要がある。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は平成27年度決算において大幅に下落したものの、平成28年度決算においては、前年度比3.9%上昇し、類似団体平均と同等の15.5%となった。近年の災害公営住宅整備等により、地方債現在高としては前年度を上回っており、今後は、当該公債費が増加していくことが確実となっていることからも、各種事業の重点化・適債性を再検討し、地方債発行の抑制に努めていく。

公債費以外の分析欄

その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、繰出金の増加が主な要因で、特に下水道事業特別会計への公債費繰出金について、借換えを行わず一括償還していることが割合を引き上げる大きな要因となっている。今後は、独立採算の原則に立ち返り、税収を主な財源とする普通会計の負担額減少に積極的に努めるものとする。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別に住民一人当たりのコストを見ると、最も割合が高いのが土木費で、720,145円となっており、類似団体平均41,603円よりも17倍も高い数値となっている。内訳としては、震災に伴う防災集団移転事業や、災害公営住宅の整備等に要した経費が大部分を占める。続いて、総務費が276,362円となっており、復旧・復興事業の財源となる復興交付金を一旦基金に積立てしていることによるものであり、依然として類似団体中の最上位となっているが、前年度と比較し268,011円、49.2%減となっている。また、農林水産業費についても、漁港荷捌き所施設整備事業が前年度で完了したこと等に伴い、住民一人当たり89,757円から37,324円に減少している。震災復興基本計画における復興期間は平成32年度までとなっており、それまでの間は、土木費に限らず、通常時よりも高水準で推移していくことが予想され、その後については減少に転じ、通常時の状態に戻っていくものと思われる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり約1,366,000円となり、復旧・復興事業費の縮小に伴い、前年度から533,000円の減少となっている。構成項目毎に見ると、人件費は、住民一人当たり81,709円で、平成23年度以降上昇傾向にあり、類似団体平均と比較して高い水準にある。これは、震災以降のマンパワー不足を補うため、職員採用数を増加させてきたことが要因で、各種事業が完了していく中で徐々に減少し、類似団体平均に近づいていくものと思われる。最も高い数値を示す普通建設事業費は、住民一人当たり523,042円となっており、前年度から235,013円、31.0%の減となっているが、依然として類似団体中の最上位となっている。震災に伴う復旧・復興事業の増加によるものであり、人件費同様、各種事業が完了していく中で徐々に減少し、類似団体平均に近づいていくものと思われる。また、積立金も類似団体平均から大きく突出しているが、これは震災による復旧・復興事業の財源となる復興交付金を一旦基金に積立てしていることによるものである。今後、復旧・復興事業の収束していく中で、公共施設等総合管理計画をはじめとした各種計画に基づき、事業の取捨選択を徹底して行い、事業費の減少に努めていくこととしている。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

財政調整基金は、中期的な見通しのもと、決算剰余金を中心に積み立てし、最低水準の取崩しに努めている。しかし、前年度に見られるように、既交付済の震災復興特別交付税の過大算定分返還が必要になる場合もあり、安定したものではない。実質単年度収支は、繰越関係事業費の年度間の上下動が激しいこともあり、平成28年度は再びマイナスに転じた。今後も震災復興特別交付税の精算や、復興関連施設の維持管理費増も懸念されるため、財政健全化と必要な財源確保に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

平成28年度決算は、前年度に引き続き連結実質収支が黒字となり、一般会計では、決算剰余金が多額であったため、標準財政規模に対する比率は29.34%と前年度よりも5.93%上昇、全会計においても連結実質赤字比率は発生していない。しかし、復旧・復興事業の収束に伴い、特定財源の減少が見込まれることから、連結実質赤字比率の算定に影響を与える可能性がある。今後も、一般会計を含むすべての会計において、各種経営(財政)計画等に基づき、持続的な経営・財政の健全化に努めていくものとする。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

元利償還金は平成28年度借換債の発行を見送ったものの、震災以降、極力償還を優先し借換えを控えてきていたこともあり、元利償還金が対前年度比で223百万円増加に留まる一方、公営企業債の元利償還金は492百万円減少となったことから、(A)は前年度比307百万円の減となった。また、特定財源となる住宅使用料等が増加したこともあり、(B)は前年度比140百万円の増となり、分子((A)-(B))は444百万円の減となった。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

地方債の発行額については、総額108.8億円と前年度比2.2億円ほど減少したものの、復興事業の進展に伴い、公営住宅事業債で約39.9億円、旧合併事業特例債で約40.6億円発行するなど、償還額を上回る発行額となっていることから、地方債現在高としては、約20.0億円の増加となったが、公営企業債等繰入見込額の減少(33.3億円)等により、将来負担額(A)は約24.3億円の減少となった。また、将来負担額から減ずることとなる充当可能基金額が増加(約29.1億円)したことと、同様に将来負担額から減ずることとなる充当可能特定歳入(主に復興公営住宅の住宅使用料)が大幅に増加(31.8億円)したことにより、将来負担比率の分子としては、前年度と比較して約62.6億円減少することとなり、将来負担比率が減少したものである。今後とも、繰上償還や新規発行の抑制により、財政の健全化に努めていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

震災の影響もあり、実質公債費比率、将来負担比率ともに類似団体の平均を上回っているが、将来負担比率は減少傾向にある。この主な要因としては、充当可能基金額の増と、充当可能特定歳入(主に復興公営住宅の住宅使用料)が増加したことによるもの。また、実質公債費比率については震災以降、極力償還を優先してきたため上昇傾向にあったが、平成28年度においてはその成果もあり減少に転じたもの。今後も各種大型事業や施設の老朽化対策等もあり、今後も地方債発行額が増大する可能性があるが、繰上償還や新規発行の抑制を行うことで、公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が期首時点から40,816百万円の増加(+7.5%)となった。金額の変動が大きいものは事業用資産と基金であり、事業用資産は、復興事業の進展による復興公営住宅等の資産の取得額が、減価償却による資産の減少を上回ったこと等から55,312百万円増加し、基金は、各種復興事業の実施のために取り崩したこと等により37,563百万円減少した。また、全体貸借対照表の中で、特に市街地開発事業特別会計においては、資産総額が期首時点から5,683百万円の増加(+13.8%)となった。これは、復興事業の関係で新市街地の造成を行ったためである。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、、経常費用は89,704百万円となっており、そのうち、人件費等の業務費用は38,735百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は50,969百万円であり、移転費用の方が業務費用よりも多い。最も金額が大きいのは物件費等(23,476百万円)、次いで他会計への繰出金(22,630百万円)であり、純行政コストの50%を占めている。また、全体においては、一般会計等に比べて、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が23,599百万円多くなり、純行政コストは43,168百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(130,168百万円)が純行政コスト(92,177百万円)を上回ったことから、本年度差額は37,991百万円となり、純資産残高は39,431百万円の増加となった。特に、各種復興事業の関係で、東日本大震災復興交付金や震災復興特別交付税、災害復旧費国庫補助金等を受けて各種施設整備等を行ったため、財源に当該補助金の額が計上される一方、当該施設取得による行政コストの計上は減価償却により徐々になされるため、純資産が増加していることが考えられる。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支が8,419百万円、投資活動収支が2,817百万円であり、財務活動収支については、地方債の発行収入が償還額を上回ったことから1,659百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から12,895百万円増加し、51,365百万円となった。いずれも単年度の収支としては支出を収入が上回っているが、これは主に復興事業に係る翌年度以降に繰り越す財源(支出は翌年度以降の決算となる)を含んでいることが要因となっている。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は合併前に旧市町村毎に整備した公共施設があるため、保有する施設数が非合併団体よりも多く、また、東日本大震災の影響により、施設の再建等を行っておりそれらの施設については減価償却が進んでいないため、有形固定資産減価償却率も類似団体平均を下回っている。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率、将来世代負担比率ともに、類似団体平均と同程度となっている。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を大幅に上回っているが、これは各種復興事業のため予算規模が震災前と比較して3倍程度に膨らんでいることが影響している。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っているが、これは復興事業の関係で復興公営住宅建設事業債や災害援護資金貸付金等の復旧・復興分の地方債を発行しているためである。また、基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったため、▲30,177百万円となっている。類似団体平均を下回っているが、投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して復興公営住宅整備事業や学校施設老朽化対策事業など公共施設等の必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率については、類似団体平均と同程度となっている。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,