地域において担っている役割
勝浦町では唯一の医療機関(歯科診療所は2カ所あり)、また、勝浦郡内唯一の有床診療施設(平成29年度からは救急告示病院、令和元年度からはへき地拠点病院となっている)であり、本地域の地域包括システムの医療機能を担っている。地域住民のかかりつけ病院として、急性期医療機関や介護老人福祉施設など介護施設との連携、更には在宅医療の推進など、医療のみならず介護・保健・福祉等の各分野との連携も進めている。
経営の健全性・効率性について
令和元年度に、医業収支比率に改善がみられたが、新型コロナの影響で患者の受診控えもあり、令和2年度は過去5年間では病床利用率・医業収支比率が最低水準となった。コロナ対策としての補助などもあり、経常収支比率は100%台を維持したが、今後アフターコロナに向け経営改善が求められる。事業の外部委託については、直営で行っていた医事業務を外部委託し、安定した職員配置ができるようになったが、1年目であり、更にコロナもあって、その効果はわかりにくいが、直営職員が経営感覚を持ち業務を行うことで今後の経営の健全化を図る。
老朽化の状況について
昭和56年に現在地に移転改築し、築38年が経過している。施設全体の老朽化が進み、効率性や安全性、更には快適性に欠けた医療施設になっている。特に看護師詰所から遠い距離にある病床もあり、認知症症状のある患者などの入院が受けにくい状況にあり、地域からの要望に応えづらい施設となっている。令和2年に着工した改築(本体)工事が完了し、令和4年4月に新築移転する。今後外構等の工事は継続するが、新しい環境で患者サービスの向上を図る。
全体総括
経営状況は、令和元年度末からの新型コロナウイルス感染症の影響で、入院患者数は減少し、回復が遅れている。また、外来患者の減少も続いており、コロナの影響だけでなく、人口減少に伴う患者の減少と重なっている。新型コロナの影響や、人口減により患者数の増が多く求められない中、令和4年度からは病院施設が新しくなる。新病院では、公立病院改革に係る取組みとして病床削減(60床を50床)する。また、床利用率80%への取組みとして、令和元年度に設置した地域連携室の人員を増やし、周辺他病院(高次病院)や他施設と機能分化・連携を密にすることにより入院収益の増を図る必要がある。