経営の健全性・効率性について
・経常収支比率は、水道料金の改定によって改善したものの、100%を割り込んで推移している。浄水施設整備や水道施設の耐震化整備などの投資による減価償却費や企業債の利息負担が収益を圧迫するとともに、大口需要者の水需要の減少などにより、水道料金収入が想定以上に減少していることが主な要因である。また、料金回収率も、100%を割り込んで推移している。・近年の積極的な投資で、企業債残高対給水収益比率が全国平均及び類似団体平均を大きく上回っていることから、必要な投資資金を水道料金の改定により確保し、企業債の圧縮を図ることが必要である。・資金面では、年度末資金残高を給水収益の6カ月分確保している。なお、流動比率は100%を超えており、短期債務に対する支払能力に問題はない。・施設利用率及び最大稼働率が年々低下傾向にあり、将来の水需要の動向によって施設のダウンサイジングなど施設規模の最適化について検討が必要である。
老朽化の状況について
・有形固定資産減価償却比率は、全国平均及び類似団体平均より低い。しかし、個別資産でみると、電気設備及びポンプ設備については、ほかの資産と比べて償却が進んでいるため、今後、修繕費・更新費が増えていくものと想定している。・管路経年化率は全国平均及び類似団体平均より低い。平成37年度末の管路経年化率は36.6%(法定耐用年数で管路を更新しない場合)に達すると想定している。本市では、独自の更新基準年数を設定して、管路の長寿命化を図るとともに、年度ごとの更新費用を平準化して、計画的な管路更新を実施することとしている。
全体総括
・水道料金収入は、人口減少や節水器具の普及などによる水需要の減少に伴って、減少していくものと想定しており、引き続きコスト縮減に取り組む必要がある。この状況の中、高度経済成長期に整備した施設が今後、大量に更新時期を迎えることや施設の耐震化などに対応するための財源の確保が必要である。本市では、水需要の影響を受けにくい料金体系や適正な料金水準について検討することとしている。