経営の健全性・効率性について
経営の健全性については、①経常収支比率は料金改定を実施し経営改善を図った平成17年度以降は100%を超えており、経常利益が続いている状況となっています。令和3年度は新型コロナウイルスによる影響から給水収益が増えたことに加え、県営水道料金の単価が減少したことによる費用の減により類似団体の平均値より高い値となりました。③流動比率は理想値である200%を超えているため十分な現金等の資産があり、④企業債残高対給水収益比率が示す通り企業債残高は少なく、安定した経営状況となっています。⑤料金回収率は102.06%となりました。これは、①経常収支比率と同様に県営水道料金単価の減等に伴い、⑥給水原価が185.37円と減少したことにより、100%を超えました。経営の効率性については、⑦施設利用率は給水人口の減少にともない令和3年度は58.33%で昨年度より1.28ポイント減少しております。また、主に老朽化した鉛管改良工事や継続して漏水調査を行っているため、⑧有収率は96.1%と類似団体の平均値より高く、効率よく事業運営を行っています。
老朽化の状況について
川西市水道事業では、昭和40年代前半からの大規模団地の造成や、昭和47~50年にかけて人口流入の増大に対応するために多くの管路を布設したため、既に、多くの水道管が法定耐用年数の40年を迎えています。厚生労働省等の布設条件等の実態調査により、本市の約80%を占めるダクタイル鋳鉄管の実使用年数は60~80年の耐用が可能とされています。さらに、阪神大震災における施設被害等の状況を考慮すれば、いまだに十分な耐用力があり、安全であると判断しています。しかし、将来訪れる耐用年数の超過を認識しており、管路更新事業が本格化していく中、アセットマネジメント手法を活用し、中長期的な視点に立った管路の更新を行っていきます。また、配水池等施設については、耐震診断を行い、順次耐震改修、並びに水需要を見据えてダウンサイジングを含めた築造工事を計画していきます。
全体総括
今後も内部留保等の資金を活用して、老朽化した施設の更新や耐震化等の事業を行い、現行の水道料金体系を維持していきたいと考えています。また、令和4年度に改定した経営戦略に基づきながら、さらなる経費の削減など、効率的・効果的な事業継続をめざしていくことで、安全・安心な水道水の供給に努めていきます。