経営の健全性・効率性について
①経常収支率収益は、工事負担金としての一般会計繰入金の減少が影響し総収益は減少しました。費用は、減価償却費や資産減耗費は増加しましたが、修繕費等の減少により総費用は減少しました。その結果、1.42ポイント減少しましたが、類似団体等と比べ良好な数値となっており、安定した経営が行われています。しかし、減価償却費は年々増加しており、今後も高い水準の傾向が見込まれることから経常収支比率の増加は見込まれません。③流動比率水道料金収入等の未収金は僅かに減少したため流動資産も僅かに減少しましたが、工事代金等の未払金の減少により流動負債は大幅に減少したため同比率は177.85ポイント増加しました。類似団体等を上回っています。④企業債残高対給水収益比率近年新たに企業債を借り入れておらず、類似団体等と比べて低いものとなっています。⑤料金回収率令和2年度は4か月分の水道料金基本料金免除を実施しましたが、令和3年度は実施しなかったためは12.38ポイント増加し再び100%を上回りました。⑥給水原価有収水量及び費用の減少により1.63円減少しました。⑦施設利用率⑧有収率類似団体等を上回っており、効率的な施設運営が行われ、収益に反映されたものと考えられます。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率②管路経年化率定期的に施設、管路の更新を行っており、類似団体等よりも低く抑えられているものの、上昇傾向であり、今後も管路の計画的な更新に取り組む必要があります。③管路更新率翌年度繰越の布設替工事が前年度と比較して多く、0.54ポイント減少し類似団体等と同等となりました。管路の更新にあたっては、実質的な使用可能年数に基づいて更新時期を定め、老朽化した管路の計画的な更新を図っていきます。
全体総括
令和3年度は、令和2年度の新型コロナウイルス感染症対策であるステイホームによる有収水量の増加傾向は薄れ、有収水量は減少しました。しかし、令和元年度より有収水量は増加しており安定した収益が確保でき、財務バランスは健全な状態が維持されています。今後、収入面は大きな給水収益増加が見込めない一方、費用面は減価償却等が増加する見通しです。また、管路経年化率は毎年上昇し続けており、引き続き施設・管路更新に多額の費用が見込まれるため、次年度以降も投資額が高水準で推移する見通しです。新水道ビジョンで定めた施策目標の達成と適切な事業運営を継続していくため、効率的な運営に努めるとともに、公民連携拡大の検討や、施設管路の更新整備を計画的に実施していきます。平成30年度に策定された経営戦略は令和5年度に見直し予定です。