経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、単年度の収支が黒字であることを示す100%以上を維持していたが、給水収益の減少等により年々低下しており、令和3年度は96.95となり、黒字を維持することができなかった。③流動比率は、平成30年度より低下してきていたが、令和3年度はやや上昇したものの、全国平均値及び類似団体平均値を下回っている。④企業債残高対給水収益比率は、令和3年度はやや改善したが、給水収益の減少や水道施設の更新・耐震化に伴う企業債発行等により、増加傾向にある。⑤料金回収率は、100%を下回っており、給水に係る費用が給水収益以外の収入で賄われている状況が続いている。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた支援を目的として水道料金の減免を行ったことにより供給単価が低下し、給水原価が上昇しているため減少した。令和3年度は料金改定を行なっており、やや改善している。⑥給水原価は、総費用の増加等により増加傾向にある。特に令和2年度以降は、府営水道料金の改定による受水費の増により増加している。⑦施設利用率は、近年低下傾向にあり、令和2年度は1日平均配水量の増加等により上昇したものの、令和3年度は再び低下した。今後も、施設の効率的な運用や水道施設の再編成を進めていく。⑧有収率は、令和元年度・令和2年度は低下していたが、令和3年度は再び改善された。
老朽化の状況について
水道施設の老朽化の状況を示す有形固定資産減価償却率は、年々低下し、令和3年度には全国平均値及び類似団体平均値よりも低くなった。管路経年化率は、全国平均値及び類似団体平均値よりも高く、施設の更新・耐震化工事の早急な実施が必要である。管路更新率は、全国平均値及び類似団体平均値よりも上回っているが、全ての管路の更新には、長期間を要する状況である。
全体総括
平成28年度の水道料金改定により一定の改善は図られたが、平成29年度以降は経常収支比率が減少するなど経営状況は悪化している。令和3年度に再び料金を改定しており、経営状況の改善が見込まれる。また、水道施設の老朽化は、全国及び類似団体の平均的な状況より進んでいる。今後においても、給水人口の減少等による給水収益の減少傾向が見込まれる中、水道施設の更新・耐震化を促進するため、より一層、効果的で効率的な事業運営に取り組む必要がある。