経営の健全性・効率性について
経営の健全性については、④企業債残高対給水収益比率が示すとおり企業債残高は少なく、平成27年度の③流動比率は昨年度より低下しておりますが、687.92%で、理想の200%を超えているため十分な現金等の資産があるという安定した経営状況です。また、川西市は約半分以上を県営水道から受水しているため、平成27年度の⑥給水原価191.26円/㎥は、類似団体の平均値に比べて34.97円/㎥高い状況ですが、⑤料金回収率(100.19%)は平成27年度に100%を上回ったことで、料金のみで必要な経費を回収できています。①経常収支比率は、平成17年度に料金改定を実施し経営改善を図ったことにより、それ以降は100%を超えており、経常利益が続いている状況となっています。経営の効率性については、主に老朽化した鉛管改良工事や継続して漏水調査を行っているため、平成27年度の⑧有収率は95.32%と、類似団体の平均よりも高く、効率よく事業運営を行っていますが、⑦施設利用率は年々減少傾向にある中で過大な施設となっていることが今後の検討課題となっています。
老朽化の状況について
本市水道事業では高度経済成長期の昭和47年から50年、また、40年前半より大規模団地の造成などにより、今後、多くの水道管が法定耐用年数の40年を迎え、これからは老朽化した管路が右肩上がりに増加していくと予想されます。厚生労働省等の研究で布設条件等の実態調査により、実使用年数について提案されました。そこで、本市では約80%がダクタイル鋳鉄管で、その実使用年数は60年から80年の耐用が可能とされ、阪神大震災における施設被害の状況等を考慮すれば、いまだに十分な耐用力があり、安全であると判断しています。しかし、今後管路更新事業が本格化していく中、アセットマネジメント手法を導入し、中長期的な視点に立った管路更新計画の策定を行います。また、配水池等施設については、耐震診断を行い、順次耐震改修、並びに水需要を見据えダウンサイジングを含めた築造工事を計画していきます。
全体総括
今後も内部留保等の資金を活用して、老朽化した施設の更新や耐震化等の事業を行い、少しでも長く今の料金体系を維持していきたいと考えています。経営戦略等の策定時には、企業債の活用、適正な時期の料金の見直し、固定費及び経費の削減など、更なる効率的・効果的な事業継続により、安心・安全な水道水の供給に努めていきます。