経営の健全性・効率性について
平成29年度の経常収支比率は、100%を超えているものの、受水費の増加により、前年度と比べて6.14ポイント減少し、100.83%となっています。平成29年度に阪神水道企業団からの受水を開始し、平成30年度に浄水場2カ所を閉鎖しますが、浄水施設の完全撤去には複数年を要するため、今後数年間は浄水場閉鎖の経費と受水費の両方が発生し、経常収支比率の低い状況が続くと見込まれます。この影響は、料金回収率や給水原価にも表れており、料金回収率は前年度と比べて7.08ポイント減少し、給水原価は12.35円増加しています。また、阪神水道企業団からの受水開始のための管路整備に企業債を借り入れたため、企業債残高対給水収益比率が前年度と比べて37.12ポイント上昇しています。類似団体平均値と比べると55.1ポイント高い水準です、今後、管路更新を積極的に進めるのに資金が必要であり、財源を企業債に頼れば更に企業債残高対給水収益比率が悪化するため、企業債残高や借入利率を勘案して、将来を見据えた適正な借入額とする必要があります。
老朽化の状況について
管路経年化率が類似団体平均値と比べて10.55ポイント高い27.15%となっている一方、管路更新率が類似団体平均値と比べて0.45ポイント低い0.20%となっており、類似団体と比べて、管路の経年化が進んでいるにもかかわらず更新が進んでいない現状が見て取れます。平成29年度は阪神水道企業団からの受水開始に係る工事を優先させたため管路更新率は低い数値となりましたが、平成30年度以降は、積極的に管路更新を行います。
全体総括
平成29年度は、阪神水道企業団からの受水を開始した年度であり、経常収支比率や料金回収率、給水原価、企業債残高対給水収益比率といった各指標が前年度と比べて悪化する結果となりました。今後は、更なる費用削減を実現する等して、各指標の数値の改善に努めます。また、管路更新については、「宝塚市水道ビジョン2025」や「宝塚市水道事業経営戦略」で目標とした1.25%の更新率となるように更新を進めます。