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主力法人の業績低迷に伴う法人税割の減少により平成24年度までは指数が悪化していたが、平成25年度以降改善傾向にある。これは、基準財政需要額の社会福祉費、保健衛生費及び高齢者保健福祉費などが増加したものの、基準財政収入額が市町村民税の法人税割、固定資産税、地方消費税交付金などを中心に増加したことによる。継続的な税の収納率向上対策(平成22年度に債権管理課を設置し、市税をはじめ、各種公金についても一元的な未収金対策に取り組み、一定の成果を挙げている)を中心とした取り組みを進めていくことにより、歳入の確保に引き続き努める。また、平成24年度に財政健全化室を設置し、さらなる経費の削減、歳入の確保はもとより、事務事業の見直しや公共施設の適正配置等の取り組みを通じて、財政基盤の強化に努めている。
各年度を通して、扶助費の増加や特別会計に対する繰出金、公債費などが多いことなどにより、類似団体平均より悪い値となっている。平成27年度においては、地方消費税の増税に伴う増収分の平年度化等による地方消費税交付金の増などにより、経常一般財源が2.9%増加した一方で、公債費の減などにより経常経費充当一般財源が0.2%減少し、経常収支比率は前年度より2.8ポイント改善して91.1%となった。今後も、扶助費及び繰出金が依然として高い水準で推移することが見込まれるため、人件費の抑制やその他経常経費の徹底した削減などにより、経常収支比率95%未満を維持していく。
従前から職員数の削減などによる人件費の抑制や事務事業の総点検など経常的な経費の節減に取り組んでおり、平成26年度以降は類似団体平均より若干低く推移している。内訳としては、物件費は類似団体平均を下回っているが、類似団体より給与水準が高いこと、地域手当の支給率が高いことなどから、人件費は前年までに引き続き類似団体平均を上回っている状況である。平成26年度以降の10年間で、「正規職員1,800名体制」の実現及び「総人件費を-20億円削減すること」を目標に、業務の見直しや、民間委託の一層の推進などに取り組んでおり、また、事業のスクラップ・アンド・ビルドを行いながら、行政の効率化に努めるとともに財政の健全化を図っていく。
国家公務員及び類似団体と比べ、高い水準にあることから、適正化に向けた取り組みを行っているところである。具体的には、人事院勧告を踏まえた給料の改定はもとより、平成25年度は、初任給の引き下げや、昇格基準の見直しを実施したほか、平成26年度は、平成27年1月の定期昇給の半減措置を講じるなど、ラスパイレス指数の引き下げに取り組んでいる。さらに、平成28年度については、平成29年1月の定期昇給において、管理職の昇給を停止するとともに、管理職以外の一般職については昇給の半減措置を実施したところであり、来年度の同指数は大幅に引き下がる見込みである。これらの取り組みにより、今後も、年次的、段階的に引き下がっていく見込みである。
これまで、事務事業の抜本的な見直しを行うとともに、より一層の民間委託の推進や指定管理者制度の導入、再任用・任期付職員の活用等による総職員数の減員を行っており、結果、人口当たりの職員数は類似団体平均を下回る低水準となっている。本市は、平成30年度に中核市への移行を目指すなど、市の重要施策の推進や市民サービスの維持向上のため、必要な職種については、職員数の増員を図る必要があるが、引き続き総職員数ベースでの削減に取り組む。(参考平成22年4月1日現在2,410人⇒平成28年4月1日現在1,982人)
平成27年度は前年度に比べ0.5ポイント改善し3.8%となった。過去に建設事業の財源として発行した地方債に係る元利償還金が減少したことなどにより計算上の分子が減少した一方、地方消費税交付金など標準税収入額等の増加により、計算上の分母が増加したことによる。近年投資事業を抑制してきたことから償還額の増加は抑えられ、類似団体平均を下回り良好な状態にあるが、明石駅前南地区市街地再開発事業や中学校給食導入事業などの地方債の発行に伴う償還の影響により、公債費が高い水準で推移するものと考えられるため、引き続き事業の適切な取捨選択を進め、世代間負担の公平化の観点から市債の新規発行を抑制し、公債費の削減を図っていく。
類似団体平均と比較して高い比率で推移しているが、平成27年度は前年度に比べて2.6ポイント改善し51.5となった。要因としては、一般会計等に係る地方債の現在高は増加したものの、下水道事業債の残高減少などにより公営企業債等繰入見込額が減少したこと、退職手当の見直しにより退職手当負担見込額が減少したことなどにより計算上の分子である将来負担額が減少した一方、地方消費税交付金など標準税収入額等の増加により、計算上の分母である標準財政規模が増加したことによる。今後も引き続き地方債残高の適正管理を進め、交付税措置のある有利な市債の活用等を図るなどして、健全な財政運営に取り組みながら将来負担比率の抑制に努めていく。
他市において、物件費に計上される臨時職員の代替として、人件費に計上される任期付短時間勤務職員を採用していることなどにより、類似団体平均を上回っている状況にあるが、再任用職員の活用による正規職員数の削減や、業務改善による時間外勤務の削減、持ち家に係る住居手当の廃止などの人件費削減の取り組みを行っているところである。また、平成28年度からは、地域手当の支給率引き下げ(対前年-2%)や、平成29年1月に定期昇給の抑制措置を行うなど、今後も人件費の適正化を図り、コストの削減に努める。
物件費に係る経常収支比率は、近年12%前後で推移しており、類似団体平均を下回っている。これは、平成8年度に行政改革大綱を策定し、以後、行政改革実施計画に基づき継続して経常的な経費の節減に取り組んできた結果である。今後も引き続き事業のスクラップ・アンド・ビルドを行いながら、更なる行政改革の取り組みなどにより、コストの低減を図っていく。
扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を上回っており、その要因として、平成27年度決算においては、私立保育所及び私立認定こども園事業費や障害児通所支援事業などの障害福祉事業費等の増加などが挙げられる。近年類似団体平均との差が拡大していたが、平成27年度はやや改善して1.9ポイントに縮まった。しかしながら、少子高齢化の進展に伴う福祉関係経費の伸び率や本市が進める子どもを核としたまちづくり、経済情勢等を勘案すると、今後も引き続き増加傾向で推移するものと見込んでいる。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、特別会計等に対する繰出金が多いことが主な要因である。平成27年度決算においては、国民健康保険事業への繰出金をはじめ、下水道事業、介護保険事業などが増加したが、地方消費税交付金などの経常一般財源が増加したため、0.8ポイント減となった。今後も高齢化の進展に伴う福祉関係経費の伸び率や経済情勢等を勘案すると、引き続き高い水準で推移するものと見込んでいる。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を下回っているのは、一部事務組合に対する補助金等が少額であり、また市の出資する法人等の団体数及び補助金が類似団体に比べて少ないためである。
阪神・淡路大震災の災害復旧、復興事業をはじめ、教育施設整備や都市基盤整備の財源として地方債を活用してきたことから、類似団体平均を上回っている。しかし、従前より投資的経費の抑制に取り組んできた結果、公債費は平成15年度(128億円)をピークに減少傾向にある。平成27年度決算の公債費に係る経常収支比率は、減税補てん債等の長期債元金償還の減及び借入利率の低下による長期債利子の減により、1.9ポイント減少して16.9%となった。今後も、事業の適切な取捨選択を進めて地方債の新規発行を伴う普通建設事業の抑制に努める。
公債費以外に係る経常収支比率は、平成24年度から類似団体平均をやや上回る状態が続いていたが、平成27年度は4年ぶりに類似団体平均を下回った。これは、扶助費や人件費、特別会計等に対する繰出金が引き続き高い水準にあるものの、地方消費税交付金の増などにより経常一般財源が大きく増加したことによる。今後も引き続き事業のスクラップ・アンド・ビルドを行いながら、更なる行政改革の取り組みなどにより、コストの低減を図っていく。
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