経営の健全性・効率性について
経営の健全性において、平成30年度の料金改定により、経常収支比率が大きく改善を図ることができた。しかし、人口減少や節水型機器の普及等により、年々料金収入が減少していくと見込まれ、引き続き業務の外部委託化や人件費の削減等を行い、経営の健全化に努める。企業債残高対給水収益比率では、料金改定により、類似団体と同水準まで改善することができた。施設の効率性において、施設利用率は、平成27年度に自己水量を増やすため配水能力を大きくしたことにより施設利用率が6.01ポイント下がったが、毎年少しずつではあるが改善傾向にある。また、有収率では、老朽管等からの漏水などによる無効水量が多く、有収率が伸びない原因となっている。平成30年度の状況でみると類似団体と比べ6.94ポイント・全国平均と比べ6.67ポイント下回っていることから、今後も漏水調査を行い有収水量の向上を図っていく必要がある。
老朽化の状況について
管路の多くは、1960年代からの高度経済成長期に拡張事業として布設された管路であり、今後、2040年代をピークに老朽管が増加する傾向にある。料金改定以前の管路更新率0.7%で単純計算すると、全ての管路を更新するには約140年の期間が必要で、多くが老朽管となってしまう。このため、更新速度を上げ効率的かつ効果的に管路更新を進める管路更新計画を作成し、平成30年度より料金改定を実施し更新に取り組んでいる。平成30年度末時点での老朽管の延長は、管路総延長約1,390kmに対して約282kmあり、老朽管率は約20%である。また、管路更新率は、布設から40年未満の管路を含めた更新率が1%で、老朽管のみの更新率は0.3%である。今後は、管路更新計画に基づき着実に更新を行い耐震化の向上を図っていく。
全体総括
高度成長期の昭和40年から50年代に布設した配水管が耐用年数を迎えており、耐震性を有した配水管の布設替えを行い有収率の向上を図る必要があるため、「水道料金のあり方」について協議してきた磐田市上下水道事業審議会から平成29年9月に答申書が提出され、これを受けて平成30年度から10.7%の料金改定を実施した。今後、料金改定により確保された財源により、管路等の更新率向上を図っていく。