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平成24年度から財政力指数0.53を維持しているが、小数点第三位までみると年々徐々に低下している。平成27年度については、基準財政収入額が地方消費税交付金の増により増加したものの、基準財政需要額が人口減少等特別対策事業費、公債費、社会福祉費等の交付税算定額の増加により大幅に増額となったことから、単年度の財政力指数は前年度比0.001ポイント下降している。全国及び長野県平均を上回っているものの、長野県19市の平均(平成27年度0.562)を下回っており、財政基盤の強化が課題である。
平成27年度は、地方消費税交付金や地方交付税の歳入一般財源が増額したことで、経常収支比率は88.7となり、前年度対比2.8ポイント改善した。経常経費に充当した一般財源は、人件費、物件費、公債費、補助費等においては減少しているものの、子ども・子育て支援新制度の施行に伴う児童福祉費の増など扶助費の増、国民健康保険の基盤強化などに伴う繰出金の増により、全体では増額している。経常収支比率が88.7%と財政構造の硬直化が進む中、扶助費・繰出金といった削減しがたい経費が、高水準の要因であることが課題である。
人件費及び物件費等の決算額は昨年度から削減し、減少傾向にあるが、人口の減少に伴い「人口1人当たりの人件費・物件費等の状況」微増した。行財政改革及び当初予算での経常経費の削減に努め、類似団体、全国平均及び長野県平均より低い水準であるが、引き続き適正な職員数の管理、新たな行財政改革による経費の削減を検討していく必要がある。
ラスパイレス指数は、平成27年度に実施した昇給抑制により一般職員の基本給を7,151万円減額したことで昨年度から0.1ポイント減少し、類似団体及び全国市平均と比較しても低水準となっている。
第6次飯田市定員適正化計画(平成23.4.1~平成29.4.1)に則り、職員数の削減に努めている。平成28年4月1日現在の職員数は718人で、前年度と比較して7人減となっている。人口1,000人当たりの職員数は6.92人で、類似団体及び全国平均とほぼ同水準である。人口減少時代の中、人口1,000人当たりの職員数を昨年度よりも減少させていることは、適正化計画に基づく計画的な削減の結果であるといえる。今後も、適正な定員管理状況の検討を行いながら、定員管理に努める。
平成27年度の3カ年平均値は7.8%で前年度対比0.1ポイント改善した。しかし、単年度における比率を見ると平成25年度8.4%、平成26年度7.3%、平成27年度7.9%となっており、0.5ポイント上昇している。これは、公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還の財源に充てたと認められる繰入金(準元利償還金)が増加したことによるものと分析している。全国平均及び長野県平均よりもやや高い水準となっており、今後のリニア時代における大規模事業に備え、長期的な視点から地方債の発行等に留意していく必要がある。
地方債残高、退職手当負担見込額等の将来負担額は前年度と比較から減少しているものの、将来負担比率算定上の控除項目である「基準財政需要額算入見込額等」の充当可能財源が、減税補てん債の一部償還完了などの影響により大幅減となったため、将来負担比率が昨年度の「数値なし」から6.3%に増加した。今後、リニア中央新幹線開通に伴う周辺整備、三遠南信自動車道整備、老朽化資産の修繕など大規模事業が想定されるため、長期的な視点から地方債の発行等に留意していく必要がある。
昨年度から0.8ポイント減少し、長野県平均を下回った。定年退職者等の減による退職手当の減額(前年度比-2億987万円)、職員数の減及び昇給抑制等による一般職員の基本給の減額(前年度比-7,157万円)が主な要因となっている。今後も、第6次飯田市定員適正化計画(平成23.4.1~平成29.4.1)に基づいた適正な職員数の管理や行財政改革による経費削減に努める必要がある。
昨年度から0.5ポイント減少し、類似団体、全国平均及び長野県平均のいずれの数値と比較しても低い傾向にある。当初予算編成でのシーリングや行革の取り組みによる経常経費の削減に努めているが、経常経費のシーリングも限界にきているため、新たな行革的取り組みを検討する必要がある。
昨年度から0.8ポイント上昇し、類似団体及び長野県平均から見ても当市の扶助費の比率は高い水準にある。子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、民間保育所運営費負担金が5億981万円の増額となったことをはじめ、障害児者に対するサービスの充実等が扶助費を大きく増加する要因となっている。また、平成28年度からは、18歳以下の医療費無料化の実施により、扶助費はさらに増加する見込みである。
その他の経費については、類似団体、全国平均及び長野県平均のいずれの数値と比較しても高い水準にある。高水準の主な要因は、繰出金の増加傾向によるもので、平成27年度は国民健康保険税改定及び経営基盤強化(基金積立)の影響により繰出金が2億5,151万円増額となったほか、下水道事業、介護老人保健施設、介護保険特別会計への繰出金も増額となっており、施設整備を行う市立病院への繰出金も増加傾向にある。
昨年度から1.1ポイント減少し、類似団体及び長野県平均より低い水準にあるが、全国平均から見ると高い傾向にある。平成27年度は、前年度の大雪により支出した農作物被害対策補助金の減少(-2億4,820万円)やごみ中間処理施設広域連合負担金の減額(-1億3,060万円)などにより比率が減少している。行革的な取り組みから負・補・交の見直しにも取り組んでいるが、補助等の廃止を視野に事業の見直しを行ってく必要がある。
昨年度から0.9ポイント減少し、類似団体より低い水準にあるが、長野県平均より高い傾向にある。平成27年度は、市役所庁舎建設事業や公民館耐震化整備など大型事業も完了し、普通建設事業は前年度比38億8,754万円減少した。地方債借入もそれに伴い32億4,990万円減少している。借入抑制及び元利償還の着実な実施により公債費は減少しているが、引き続き長期的視点に立った地方債の発行に努める。
公債費以外にかかる経常収支比率は71.9%と、前年度から1.9ポイント減少しているものの、類似団体及び長野県平均から見ても高い水準である。人件費、物件費の比率は低い水準にあるが、扶助費の伸びと繰出金が含まれる「その他」の水準が高いことが要因となっている。
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