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15年度までは類似団体とほぼ同程度の数値であったが、17年1月及び22年1月の市町村合併を経て市域、人口が増加する一方、市税収入が伸び悩み、数値が悪化した。26年度においては、景気回復基調から法人市民税がはやや増加したことなどから、前年度と同率となったものの、類似団体平均値を0.07ポイント下回った状態にある。今後も、平成25年度長野市行政改革大綱実施計画に沿って、コンビニ収納など新たな収納方法や長野県地方税滞納整理機構の活用などによる市税の収納向上、また、公共施設の統廃合や長寿命化、事務事業の見直しを計画的に進め、財政基盤の強化に努める。
アベノミクス効果など、景気回復による法人市民税の増や新増築家屋の増等による固定資産税の増などにより、経常一般財源総額が増加したことに加え、公債費充当経常一般財源などが減少したことから、経常収支比率は84.5%と、前年度に比べ0.4ポイント改善した。類似団体平均値は5.9ポイント下回った状態にあるが、数値の上昇は財政の硬直化を招くこととなるため、引き続き人件費、公債費、物件費など、経常経費の抑制に努めるとともに、市税の収納向上のほか、未利用財産の貸付・売却、有料広告収入の促進、使用料など利用者負担の適正化を図り、経常収入の増加に努める。
人件費は、長野市定員適正化計画に基づく職員数の削減、外部委託の推進など総人件費の抑制への取組んでいるが、給与減額支給措置の終了等により、前年度と比較して2.2%増加、物件費は、水痘の定期接種化などにより、前年度と比較して6.8%増加した。一方、人口は前年度比1,637人減となる384,428人で、人口の減少傾向が顕著になりつつあり、26年度の人口一人当たりの人件費・物件費等は、前年度より4,642円増加した。引き続き、人件費の抑制を図るとともに、今後、公共施設再配置計画・長寿命化計画作成し施設維持管理経費の削減に努めていく。
職務給の原則に適合しない不適正な給与制度の運用(いわゆる「わたり」)の是正に係る職員労働組合との合意形成を図るため、国が平成27年度から実施した「給与制度の総合的見直し」を見送ったことから、ラスパイレス指数が0.2ポイント上昇した。地方公務員法の一部改正に伴い、平成28年度から施行されることとなる「等級別基準職務表」の条例化、職員数の公表を踏まえ、職員の職責に応じた職務の級を決定し格付することとした職務給の徹底と「給与制度の総合的見直し」の一体的な実施を図ることにより、一層の給与水準の適正化に努める。
平成22年1月の市町村合併により職員数が増加し、類似団体の平均を上回っているが、平成22年度に独自に策定した第四次長野市定員適正化計画(平成22~26年度)の目標値(平成27年4月1日の対平成22年4月1日職員数30人減)を1年前倒しで達成した。今後も事務事業等の見直しを継続的に行い、本市の実情を考慮しつつ、市民サービスの低下を招くことのないよう、適正な定員管理に努める。
一般会計等における公債費は年々減少してきており、26年度は昨年度に比べ2.4ポイント減少している。しかし今後は、プロジェクト事業の推進により市債を多額に発行したことから、公債費の増加が見込まれるため、事業の緊急度や優先性、必要性を十分に検討した上で、「選択と集中」を徹底することにより、公債費等の圧縮を図っていく。
26年度は、公営企業等の地方残高に対する繰出予定額や退職手当支給額等は減少したものの、地方債の現在高の増加により、前年度に比べてポ8.3イント増加している。これは、プロジェクト事業の推進により市債残高が増加したものであることから、今後は、重要性や緊急性などを十分に踏まえながら施策を厳選し、将来負担が過度に上昇しないよう取り組んでいく。
人件費に係る経常収支比率が類似団体平均値と比較して1.8ポイント低くなっているが、要因としては指定管理者制度の導入やPFIなど、民間活力の活用による職員数の抑制、時間外勤務手当の縮減などに努めてきたことによるものである。今後も、平成25年度長野市行政改革大綱実施計画の目標値の達成に向け、民間委託の推進や職員数の削減に取り組んでいく。
物件費に係る経常収支比率が類似施設と比較して高くなっているのは、業務の民間委託を推進してきたたことと、他の類似都市にない要因として、オリンピック開催に伴い建設した大型の競技施設の管理運営委託費が要因となっている。今後、オリンピック施設のほか、市町村合併で増加した公共施設の老朽化が進むことから、維持管理経費などの増加も懸念されるので、公共施設再配置計画・長寿命化計画を作成し経費の削減を図っていく。
扶助費に係る経常収支比率は、類似団体の平均値を4.1ポイント低くなっているが、26年度は前年度比で0,9ポイント増加した。これは保育需要の高まりに伴う入所委託費の増や生活困窮者対策に係る扶助費の増などによるものだが、今後も少子化対策の充実や高齢者の増加、障害者介護給付費・訓練等給付費等に要する費用などにより増加が見込まれることから、法定外の扶助費の見直しなどに取り組んでいく。
主なものは、介護保険特別会計、国民健康保険会計、後期高齢者医療特別会計への繰出金であり、類似団体との比較においては0.9ポイント低くなっている。平成26年度は、前年度比で0.2ポイント減少したが、今後は高齢化の進展に伴う保険給付費の増加などが見込まれることから、法定基準外の繰出金の抑制に努める。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体と比較して高くなっているのは、下水道事業における企業債償還額に対する補助金が多額になっていることが要因のひとつである。下水道整備率の向上に伴い事業の平準化が進むことにより減少するものと見込んでいる。また、団体の運営補助金については、予算編成サマーレビューやサンセット化など事務事業の見直しにより削減に努めていく。
平成10年の冬季オリンピック開催時に発行した地方債が多額であったことから、公債費に係る経常収支比率が高くなったが、公債費は16年度をピークに減少し、それに伴って比率も年々減少してきている。今後は、オリンピック開催時の多額の起債の償還が平成29年度には終了する一方で、平成26~27年度をピークとしたプロジェクト事業の大半が竣工することに伴い、市債残高の増加に伴う公債費の増が見込まれるため、引き続き、新規市債発行額を一定程度抑制に努める。
経常収支比率は、類似団体と比較して4.5ポイント下回っているものの、26年度の数値は前年度より1.2ポイント増加した。今後、扶助費や施設老朽化による維持補修費の増加も見込まれるので、事業の選択と集中、事務事業のスクラップアンドビルド、公共施設の見直しなどを徹底し、経常的経費の抑制に努めていく。
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