経営の健全性・効率性について
①経常収支比率及び③流動比率については100%を上回る水準を、②累積欠損金比率については0%を維持しており、これまで健全な経営を行っている。④企業債残高対給水収益比率については、類似団体平均を上回っているが、当市の水道料金は他都市と比べて低い水準にあることから、給水収益が少ないことが影響していると考えられる。当市は、⑥給水原価が示すように、有収水量1㎥あたりの費用は低く抑えられているが、供給単価も低いことから、⑤料金回収率(供給単価/給水原価)は、類似団体平均を下回っている。⑦施設利用率は類似都市平均に比べて低く、施設能力に余裕があり、需要の変動にも対応できる状況となっている。⑧有収率は類似都市平均を上回る水準を確保している。なお、①経常収支比率、③流動比率、⑤料金回収率及び⑥給水原価における26年度値については、会計制度改正の影響を受けている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は52.70%(H26)と類似団体平均をやや上回り、有形固定資産のうち償却対象資産の減価償却が徐々に進んでいる。②管路経年化率は25.12%(H26)と類似団体平均を上回り、法定耐用年数を経過した管路を多く保有している状況にある。管路の更新については順次進めているところであるが、当市の管路延長は2,000km以上に及び、③管路更新率は0.42%(H26)と類似都市平均を下回っている。
全体総括
経営指標から、当市の水道事業はこれまで健全で効率的な運営を行っており、類似都市と比較しても概ね良好と判断できる。しかし、近年の人口減少や節水機器の普及などにより給水収益は減少傾向にあり、今後の経営環境は厳しさを増すと見込まれる。安定的な事業運営を継続するため、今後策定する中長期的な経営の基本計画において、将来の需要を適切に把握し、規模の適正化を図りながら、老朽施設の更新等に必要な財源の確保について検討していく。