経営の健全性・効率性について
・経常収支比率は、黒字を示す100%を上回っており、累積欠損金も発生しておらず健全な経営状況にあるといえる。今後も業務効率化を図る中、健全経営に努めていきたい。・流動比率は、260%を上回っており、1年以内の短期債務に対する支払い能力が十分あるといえる。・企業債残高対給水収益比率は、企業債発行額の抑制に努め、企業債残高は減少傾向で推移しており、全国・類似団体平均と比べ低い水準となっている。・料金回収率は、100%を上回っており、適切な料金収入による健全な経営であるといえる。・給水原価は、全国平均より低いが類似団体平均をやや上回っている。要因として経常費用に占める受水費の割合が大きいことが影響していると考えられる。・施設利用率は、人口減少などにより平均配水量が減少していることから、今後の水需要を適正に見極める中、施設規模の見直しや施設の統廃合を検討する必要がある。・有収率は、冬季の凍結による漏水に対する減免水量が激減したことで、前年度と比べて大きく改善した。今後も、凍結防止対策の実施や計画的な老朽管更新などに鋭意取り組む必要がある。
老朽化の状況について
・有形固定資産減価償却率は、年々上昇傾向にあるが、全国・類似団体平均を下回っている。・管路経年化率は、類似団体と同様に年々上昇傾向にあり、全国・類似団体平均を若干上回っている。・管路更新率は、前年度と比べて0.15%上昇しており、大幅に改善している。近年、大口径の基幹管路更新事業に集中的に投資してきたが、平成29年度から漏水が多い小口径の老朽ビニル管路の更新事業費を増額して管路更新に取り組んだ結果、2年連続の改善となった。今後も引き続き、計画的かつ効率的に管路更新事業を推進していく必要がある。
全体総括
・経常収支比率、流動比率及び料金回収率は共に100%を超え、概ね健全な経営状況にあると言える。しかし、今後は人口減少に伴い水需要が大きく減少する一方で、老朽施設の更新需要増大などにより、経営環境はますます厳しくなることから、事業の効率化に一層努めるとともに強靭な水道システムの構築を目指していかなければならない。・今後も効率的な事業運営に努める中、施設の統合やダウンサイジング、長寿命化を図ることで更新費用の抑制を図るとともに、広域連携や官民連携の推進による経営基盤の強化を視野に入れた中長期視点に立った健全経営に取り組む必要がある。