経営の健全性・効率性について
・経常収支比率は、黒字を示す100%を上回っており、累積欠損金も発生しておらず健全な経営状況にあるといえる。今後も業務効率化を図る中、健全経営に努めていきたい。・流動比率は、250%を上回っており、1年以内の短期債務に対する支払い能力が十分あるといえる。・企業債残高対給水収益比率は、企業債発行額の抑制に努めて企業債残高が減少傾向にあり、全国・類似団体平均と比べて低い水準となっている。・料金回収率は、100%を上回っており、適切な料金収入による健全な経営であるといえる。・給水原価は、全国平均より低いが類似団体平均をやや上回っており、要因として経常費用に占める受水費の割合が大きいことが影響していると考えられる。・施設利用率は、1日平均配水量が増加したことでやや改善されているが、全国・類似団体平均と比べて低い水準にあり、今後の水需要を適正に見極める中、施設規模の見直しを図る必要がある。・有収率は、冬期間の凍結による水道管の漏水が例年より多発したことに伴い、調定減による無収水量が増加したことが大きく影響した。対前年度及び類似団体平均と比べて下回っており、今後も計画的な管路更新や漏水調査を実施するとともに、利用者に対する水道管の防寒対策実施の広報活動に努めていきたい。
老朽化の状況について
・有形固定資産減価償却率は、類似団体平均と同様に年々上昇傾向にあるが、全国・類似団体を下回っている。・管路経年化率は、類似団体平均と同様に年々上昇傾向にあり、全国・類似団体を若干上回っている。・管路更新率は、前年度と比べて0.06%上昇している。全国・類似団体平均を下回っているが、現在、大口径の基幹管路更新事業を進めており、事業費の割に更新延長が伸びないことが要因となっている。今後は、小口径管路の更新にも着手するなど、計画的かつ効率的に更新事業を推進していく必要がある。
全体総括
・本年度から、経営基盤が脆弱であった旧簡易水道事業の水道事業への統合に伴い、対前年度で若干下回った指標もあるが、効率的な事業運営に努めた結果、経常収支比率、流動比率及び料金回収率はともに100%を超え、概ね健全な経営状況にあると言える。しかし、人口減少に伴う料金収入の減少、施設の老朽化に伴う更新需要の増大など、経営環境は今後ますます厳しくなると予想されることから、事業の効率化に一層努めていかなければならない。・今後も効率的な事業運営に努める中、施設の統合やダウンサイジング、長寿命化を図ることで更新費用の抑制に努め、広域連携や官民連携の推進による経営基盤の強化を視野に入れた中長期視点に立った健全経営に取り組む必要がある。