経営の健全性・効率性について
経常収支比率100%以上、累積欠損金比率0%、流動比率100%以上ですが、企業債残高対給水収益比率は類似団体と比べ高い水準、料金回収率は100%に満たない水準となっています。また、平成23年4月に16年ぶりの料金改定の後、4年目にして赤字決算、27年度では、当初から赤字予算を組むという厳しい経営状況にあります。水需要の落ち込みが続き、加えて人口減少の進行や、さらなる節水型機器の普及などから給水収益の減少傾向が続く状況の中、財源の中心となる水道料金体系のあり方を検討した結果、引き続き安全面には最大限に配慮した上で、経費の削減と収入の確保に取り組むとともに、平成28年4月に水道料金の改定をすることとしました。料金改定に当たっては、企業債の借入れは、後年度負担を考慮し、企業債残高を計画的に減らすとともに、基本料金での回収率を増やし、また、口径別料金体系を導入しつつ超過料金の逓増性を緩和することで、経営基盤の安定化を図ります。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率、管路経年化率が類似団体に比べ高い水準になっている一方、管路更新率が低くなっていることから、施設の老朽化が顕著であり、必要な更新が進んでいないことが分析されます。平成27年度に水道施設整備計画の後期5年を迎えるに当たり、課題を改めて整理し、それらに対応した内容に見直して、平成28年度から10年間の新たな水道施設整備計画としました。この計画に基づき、水道管の耐震化を中心に、配水場や取水場の整備を着実に進めます。
全体総括
本市水道事業は、昭和40年代から50年代での小規模水道の統合等により集中して整備した多くの配水施設や水道管などが更新時期を迎え、耐震化を含め大規模地震に備えた水道施設の早急かつ計画的な整備が急務となっています。厳しい経営状況が続きますが、平成27年度に水道施設整備計画とその財源を裏付ける財政計画を見直し、水道料金のあり方を検討した結果、平成28年度からの料金を改定することにしました。まだまだ近隣事業体と比べても水道料金が低い状況ですが、引き続き、水道水の安全性を広く周知するとともに、社会経済情勢の動きにも注視しつつ、事業経営について、一層の工夫・努力に努めていきます。