経営の健全性・効率性について
①経常収支比率前年より改善しており、引き続き全国平均、類似団体平均をともに上回る状況。主に修繕費の減少による影響が大きい。②累積欠損金比率累積欠損金の発生はない。③流動比率前年より下がっているものの、全国平均や類似団体平均と比べて高い水準にある。前年より下がっているのは、建設改良費の増加による現預金の減少が主な理由。④企業債残高対給水収益比率良好な数値であり、順調に推移している。⑤料金回収率97.90%(※)⑥給水原価194.67円(※)前年より改善しているが、依然、施設の更新財源を考慮した収入体系とはなっていない。※「減価償却費から長期前受金戻入を控除」しない経常費用により算出した、佐倉市独自の指標数値。⑦施設利用率全国平均、類似団体平均をともに上回っており、効率よく施設を利用できている。⑧有収率ほぼ前年並み。全国平均、類似団体平均ともに5%以上上回っている状況。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率前年比+0.54%。前年に引き続き増加している。②管路経年化率前年比△0.29%。全国平均や類似団体平均と比べて低い数値ではあるものの、依然として老朽化が進んでいる。③管路更新率前年比+0.74%。全国平均や類似団体平均と比べると良好ではあるが、耐用年数や経年化率を考えると、今後もペースを落とさず更新していく必要がある。
全体総括
経営の健全性・効率性についての分析から、各数値が現状では比較的良好に出ているが、当市の基準による料金回収率は100%を下回り、給水原価(佐倉市基準194.67円)も供給単価(30年度決算190.59円)を上回る逆ザヤの状態となっている。加えて、今後は水需要の減少により収益は減少する一方、八ッ場ダム完成に伴う受水費の増加を想定した場合、より一層厳しい経営環境が予想される。