経営の健全性・効率性について
①経常収支比率過去5年間100%を大きく上回っており、単年度収支が常に黒字であることを示している。また、類似団体平均、全国平均のいずれも上回っており、健全な経営を維持している。②累積欠損金比率累積欠損金は過去5年間発生していないため、0%である。③流動比率流動比率は昨年度と比べ243.28ポイント低下したものの、類似団体平均、全国平均のいずれも大きく上回っており、短期的な債務に対する支払能力を十分備えている。④企業債残高対給水収益比率平成22年度以降新たな企業債の借入はなく償還も進んでいることから、数値は右肩下がりとなっており、類似団体平均、全国平均よりも低い数値となっている。⑤料金回収率平成23年度以降数値は右肩上がりとなっており、類似団体平均、全国平均のいずれも上回っている。⑥給水原価全国平均をわずかに下回っているものの、類似団体平均と比較すると高い数値で推移している。平成24年度以降は右肩下がりになっているが、今後も費用削減に努める必要がある。⑦施設利用率平成24年度以降は横ばいで推移しているが、類似団体平均、全国平均のいずれも上回っている。⑧有収率昨年度と比べ0.6ポイント上昇しており、類似団体平均、全国平均のいずれも上回っている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率平成23年度以降徐々に数値が上がっており、法定耐用年数に近い資産の割合が多くなっている。また、類似団体平均、全国平均よりも高い数値で推移しており、引き続き財源の確保に努めながら計画的に施設の更新を行っていく必要がある。②管路経年化率類似団体平均、全国平均よりも大幅に低い数値で推移している。類似団体平均は上昇傾向にあるが、本市はほぼ横ばいで推移しており、法定耐用年数を超えた管路は少ない。③管路更新率平成25年度以降低下傾向にあるが、類似団体平均、全国平均よりも高い数値であり、比較的管路の更新が進んでいるといえる。
全体総括
経営の健全性や効率性については、各指標において類似団体平均、全国平均と比較すると概ね良好な水準となっており、総合的に勘案すると安定した健全な経営状況である。しかし、平成25年度以降現金預金が減少してきており、流動比率は悪化傾向にあるため、将来に向けた取り組みが必要である。また、老朽化の状況については、経常収支比率は良好な水準であるが、有形固定資産減価償却率が高く水道施設の老朽化が進んでいるため、今後更新投資の増加が見込まれる。引き続き、更新投資の財源確保や経費削減に取り組み、将来を見越した健全な経営に努めながら、水道施設の更新を実施していく必要がある。