経営の健全性・効率性について
「経常損益」地方公営企業会計基準見直しの影響等もあるが、昨年度と比べ7.94ポイント上昇し113.25%となり、おおむね安定した経営が維持できているといえる。今後も収益の確保、経費の節減に努め、経営基盤の強化を図るものである。「支払能力」地方公営企業会計基準見直しの影響で昨年度と比べ289.8ポイント下降し464.48%となった。しかし現金預金などの流動資産は昨年度と比べ約20ポイント上昇していることから、支払能力は安定していると言える。今後も適切な資金管理に努めるものである。【料金水準の適切性】地方公営企業会計基準見直しの影響で昨年度と比べ9.1ポイント上昇し、110.73%となった。これは給水に係る費用が、どの程度給水収益で賄えているかを表した指標であり、適切な水準であるといえる。今後も収益の確保及び費用の節減を図るため、効率的な事業運営に努めるものである。【費用の効率性】地方公営企業会計基準見直しの影響で昨年度と比べ、12.98円減少し、138.45円となった。これは有収水量1㎥あたりの費用を示すものであり、効率的に水を生産しているといえる。今後も費用の節減に努めるものである。「供給した配水量の効率性」これは施設の稼動が収益につながっているかを判断する指標であるが、昨年度と比べ、配水管漏水が多かったこともあり0.15ポイント下降し、91.54%となった。今後は有収率引き上げのため、漏水対策の強化を図るものである。
老朽化の状況について
「施設全体の減価償却の状況」昨年度と比べ12.24ポイント上昇し、51.24%となった。これは、法定耐用年数に近づいている資産の割合が上昇していることを示すものであり、今後は、財源の確保に努め、継続的に施設の更新を行っていくものである。「管路の経年化の状況」昨年度と比べ1.35ポイント上昇し、14.71%となった。これは、法定年数を経過した管路が増加していることを示すものであり、今後は、財源の確保に努め、継続的に管路の更新を行っていくものである。「管路の更新投資の実施状況」昨年度と比べ0.23ポイント下降し、0.21%となった。これは、管路の更新ペースが遅い状況を示しており、今後は、財源の確保に努め、継続的に管路の更新を行っていくものである。
全体総括
経営の健全性・効率性については、総合的に見て、現在は概ね安定しているが、今後は、給水収益の減少や水道施設の老朽化に伴う更新が見込まれることから、経営健全化に向けた取組を行っていく必要がある。また、老朽化の状況については、水道施設、特に管路の更新が遅れていることから、財源の確保に努め、継続的に更新を行っていくものである。