ひたちなか市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

人口の減少や節水意識の向上，ライフスタイルの変化などにより水需要は年々減少しており，この状況は今後も継続することが予測されます。本市では現在，上坪浄水場更新事業を推進中であり，減価償却費などの経常費用は大きく増加することが見込まれています。本市の水道事業の経営状況は，平成２８年度以降，①経常収支率や③流動比率，⑤料金回収率に改善が見られ，概ね良好に運営されています。これは平成２７年１０月に行った水道料金改定の影響によるものと考えられます。④企業債残高対給水収益比率は平成３０年度も依然として企業債残高が給水収益の４倍以上となっています。上坪浄水場更新事業に伴う起債によって，今後もこの数値は類似団体平均値より高い状態が継続しますが，平成２７年の料金改定はこのような状況も踏まえて行っていますので，経営に影響はありません。

老朽化の状況について

浄水及び配水施設については，平成２６年度に完了した湊系配水施設の統廃合に続き，現在は本市水道事業の基幹施設である上坪浄水場の更新事業を推進しています。②管路経年化率は，類似団体平均値よりは低い値となっていますが，昭和５０年代の事業拡張期に布設した配水管が法定耐用年数である４０年を迎える時期が来ているため年々上昇しています。浄水及び配水施設の更新事業を優先して進めていることから，③管路更新率は低い水準に留まっており，現在の更新率だと全ての管を更新するのに１５０年以上かかる計算になります。上坪浄水場更新事業完了後，管路更新基本計画に基づき，配水管の更新に取り組む予定です。

全体総括

現在の経営状況は概ね良好な状態ですが，類似団体と比較すると企業債残高が多くなっています。これは，平成９年度から１７年間にわたり料金改定することなく事業運営してきたことによるもので，これから予想される水需要の減少や，上坪浄水場更新事業にかかる支出増に対応するため，平成２７年１０月に料金改定を行いました。上坪浄水場更新事業完了後に本格化する，老朽化した配水管の更新事業に備え，管路更新基本計画を策定しています。今後も健全な経営を継続するため，効率的な事業運営と，建設投資に必要な財源確保に努めます。